要配慮者利用施設における避難確保計画の作成・避難訓練の実施について

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1.経過

平成29年水防法等の一部を改正する法律により、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者が利用する施設の所有者または管理者に対して、洪水・土砂災害における防災体制に関する事項を定めた「避難確保計画」の作成及び「避難訓練」の実施、避難確保計画の作成・変更時の各市町村長への届出が義務化となりました。

また、令和3年には、避難訓練実施後の各市町村長への報告が義務化されました。

2.避難確保計画作成の義務対象となる施設

市地域防災計画に定められた、河川氾濫等水害の浸水想定区域内にある施設、土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設が避難確保計画作成の義務対象となります。

水害の浸水想定区域、土砂災害警戒区域は、市のハザードマップを参考に御確認をお願いします。

3.避難確保計画等のひな形

避難確保計画作成には市が作成したひな形を御利用ください。

新たに提出いただく場合には、併せてチェックリストも提出してください。

避難確保計画様式

避難訓練実施報告書様式(任意)

社会福祉施設の避難確保計画と非常災害対策計画との関係について

社会福祉施設等については、避難計画として、「避難確保計画」と「非常災害対策計画」の作成が義務付けられています。

既に作成している「非常災害対策計画」に、「避難確保計計画」のみ記載が求められる”避難確保を図るための施設の整備”、”防災教育及び訓練の実施”の項目を加えることで、「避難確保計画」を作成したと見なすことが可能です。

計画 避難確保計画(災害ごとの規定) 非常災害対策計画(施設ごとの規定)
根拠
法令等

・ 水防法
・ 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
・ 津波防災地域づくりに関する法律

○厚生省令又は厚生労働省令
• 【介護保険施設等】指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第39号) 等
• 【障害者支援施設等】障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年9月29日厚生労働省令第172
号) 等
• 【救護施設等】救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準(昭和41年7月1日厚生省令第18号) 等
• 【児童福祉施設等】児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年12月29日厚生省令第63号) 等
対象 浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定内に所在し、
市町村が作成する地域防災計画に記載のある要配慮者利用施
設(社会福祉施設等)
社会福祉施設等(介護保険施設等、障害者支援施設等、救護施設等、児童福祉施設等)
義務 避難確保計画の作成及び市町村への提出、避難訓練の実施 非常災害対策計画の作成、避難訓練の実施
計画に
定める
べき項
• 計画の目的
• 計画の適用範囲
• 防災体制
• 情報収集及び伝達
• 避難の誘導
• 避難確保を図るための施設の整備
防災教育及び訓練の実施
• 自衛水防組織の業務(自衛水防組織を設置する場合に限る。)
• 施設等の立地条件
• 災害に関する情報の入手方法
• 災害時の連絡先及び通信手段の確認
• 避難を開始する時期、判断基準
• 避難場所
• 避難経路
• 避難方法
• 災害時の人員体制、指揮系統
• 関係機関との連携体制
 

国土交通省 要配慮者利用施設の実効性確保に関する市町村向け研修会資料「要配慮者利用施設における避難確保のための制度」から作成

4.避難の実効性を確保するために~施設管理者の皆様へ~

避難の実効性を確保するため、国が整理した留意点は下記のとおりです。

1 水害や土砂災害など、施設が有する災害リスクの適切な把握

市が公表しているハザードマップや、国や都道府県が公表している浸水想定区域図、土砂災害警戒区域図等を用いて、それぞれの社会福祉施設(以下、「施設」という。)が有する災害リスクを災害の種類ごとに適切に把握すること。
浸水リスクがある場合は、想定されている「浸水深」や「浸水継続時間」を把握するとともに、建物倒壊等のおそれのある「家屋倒壊等氾濫想定区域」の該当有無を把握すること。

2 災害リスクに適切に対応した避難先の選定と複数の避難先の確保

施設が有する災害リスクを適切に把握した上で、施設外への立退き避難の必要性、施設内での「屋内安全確保(垂直避難)」の適切性を判断する。
確実に難を逃れるためには、施設外の安全な場所への立退き避難が望ましく、特に、「家屋倒壊等氾濫想定区域」や「土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域」にある場合は、原則として、立退き避難を選択する。
施設の利用者(以下、「利用者」という。)のケア等の継続性を確保するためには、他の社会福祉施設への避難も有効であるため、施設間で避難受け入れができるよう協力体制の構築に努める。
平時から立退き避難先との連絡体制を確立し、避難の必要がある時には、相互に連絡を取り合って、避難先の安全性や開所の有無等を確認する。
施設の上階等への「屋内安全確保(垂直避難)」を選択する場合は、浸水しない床高の避難スペースがあることに加えて、長時間浸水する場合の支障を許容できるよう、水や食糧、薬等の備蓄のほか、電気やガス、水道、トイレが使用できないことへの対応策を執っておく。
建物の構造や利用者の状況に応じて、円滑かつ迅速な「屋内安全確保(垂直避難)」において必要となる、エレベータやスロープ等の避難設備を、有効性を考慮した上で設置する。
「屋内安全確保(垂直避難)」を選択する場合であっても、避難が長時間に及ぶことなども想定して、多重的に複数の避難先を確保する。
急激に災害が切迫することにより、計画どおりに避難ができない過酷事象に遭遇することも想定し、少しでも被害を受け難い高い場所や斜面の反対側の部屋に緊急的に移動する「緊急安全確保」の方法や、そのような事態に陥ったときの連絡体制等を決めておく。

3 個々の施設状況を考慮した避難開始のタイミングの設定

避難開始のタイミングは、原則として、市が「警戒レベル3 高齢者等避難」を発令した時とする。
利用者が多い場合や利用者の身体的な状況等により全員の避難完了までに多くの時間を要する場合は、避難完了までの時間に応じて、「警戒レベル2 大雨・洪水注意報」等が発表された段階で雨量や河川水位情報等を収集し、「警戒レベル3 高齢者等避難」の発令を待つことなく、早めに避難を開始する。
一方で、避難の頻度が多くなると、避難行動そのものが利用者の身体的な負担になり得ることから、避難完了までの時間や支援要員の人数等を考慮した上で、例えば、利用者の身体状態に応じて避難開始のタイミングを分けるなど、施設の実情に応じた段階的な避難方法を決めておく。

4 利用者の円滑な避難に資する避難支援体制の確保

雨量情報や河川水位情報、洪水予報、土砂災害警戒情報、避難情報等の防災情報を的確に収集するため、収集する情報の種類、入手方法、情報レベルに応じた要員確保など、時系列的な体制確立方法について決めておく。
累積雨量が増えるなど状況が悪化すると、交通機能が停止し、職員が施設に駆け付けることが難しくなる場合があるため、例えば、「警戒レベル2 大雨・洪水注意報」等が発表された段階で早期に体制を確立する。特に、夜間・休日に災害が切迫する場合には、明るいうちに避難支援要員を確保するなど、早期の体制確立に十分留意する。
職員が迅速に参集できない場合や避難時間が確保できない場合に備え、消防団や近隣の企業、地域住民、利用者の家族等から避難支援の協力が得られるよう、地域との連携体制の構築に努める。企業と連携する際は、あらかじめ支援内容を確認し、明確にしておくと良い。

5 訓練実施と訓練で得られる教訓の避難確保計画への反映

避難訓練については、利用者を施設外の避難先に移動させる立退き訓練以外にも、避難経路を確認する訓練や情報伝達訓練、図上訓練等、比較的取り組みやすい訓練も
ある。全ての訓練を一度に行うのではなく、立退き訓練と図上訓練を交互に行うことや、様々な種類の訓練を分けて行うなど負担軽減を図って、訓練を継続する。
参加者については、利用者全員が参加する訓練のみではなく、利用者の身体状態に応じて、避難支援に必要な人数や避難時間等を確認する訓練を実施することが考えられる。
訓練を実施する際には、避難支援協力者となっている消防団や近隣の企業、地域住民、利用者の家族等の参加を得て実施するよう努める。
訓練後には、振り返りを実施し、訓練で得られた教訓を踏まえて避難確保計画の内容の見直しを図り、PDCA サイクルを回して、避難の実効性を高めるために避難確保計画の内容の充実を図っていく。

6 非常災害対策計画と避難確保計画の一体化による事務負担軽減

介護保険法等に基づく「非常災害対策計画」と水防法や土砂災害防止法に基づく「避難確保計画」は、必ずしも個々に作成する必要はなく、両計画の内容を網羅するようにして、一体化した計画として作成することができる。

7  職員及び利用者家族等への災害リスク及び避難確保計画の周知

施設が有する災害リスクや避難先、避難開始のタイミング、避難支援体制、避難方法等
を全職員に周知することとし、周知する頻度や方法等を決めておく。
施設の利用開始時には、利用者に加えて、避難支援の協力者としての役割が期待され
る利用者の家族に対しても、施設が有する災害リスクや避難確保計画の主な内容を周知する。

5.避難確保計画等の提出先

避難確保計画の提出先一覧

老人福祉関係施設

高齢介護室

障害者関係施設 障害福祉課

医療関係施設

保健総務課

幼稚園

学務課

公立小・中学校

教育指導課

保育所

保育課

その他の施設

防災課

6.災害対策基本法改正に伴う手引きの読替え等について

令和3年5月に災害対策基本法が改正され、避難勧告と避難指示が避難指示へ一本化され
ました。
つきましては、「避難確保計画作成の手引き(国土交通省:令和2年6月改定)」等のガイドブックは、「警戒レベル3避難準備・高齢者等避難開始」は、「警戒レベル3高齢者等避難」に読み替え、「警戒レベル4避難勧告、避難指示(緊急)」は、「警戒レベル4避難指示」に読み替え、「警戒レベル5災害発生情報」は、「警戒レベル5緊急安全確保」に読み替えることとしてください。

国土交通省サイト

「おおさか防災ネット」登録の御願い

迅速な避難のためには、気象情報等を常に確認できる体制を整える必要があります。

寝屋川市は、大阪府や府内の全市町村と共同で、幅広い防災情報を提供するポータルサイト「おおさか防災ネット」を運営しております。

事前にアドレスを御登録いただくと、寝屋川市の気象警報・避難指示等の防災情報を電子メールで配信いたします。是非、御活用ください。

寝屋川市の防災情報入手サイト

この記事に関するお問い合わせ先

防災課
〒572-8555
大阪府寝屋川市本町1番1号(市役所本館3階)
電話:072-825-2194
ファックス:072-825-2633
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更新日:2023年02月02日