旧石器時代
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2.旧石器時代
寝屋川市に最も古く人々が住んでいたのは、今から約二万年前と考えられます。この時代はいわゆる氷河期で、海水面が下がっており大阪湾も陸地化しており広大な平野となっていたようです。寝屋川市西部の低地でも以後の時代に堆積した土砂を取り除くと、現地表面から20~30メートルに硬い地層があり、ここが当時の地表面だったと考えられています。
人類が初めて手にした道具は石でつくられたもの(石器)です。当時は農耕が行われる以前で、人々は狩猟や木の実などの採集を行って生活していたと考えられます。この時代は土器の発明される以前で、世界史的に「旧石器時代」と呼ばれています。寝屋川市では市域の東部の太秦遺跡・高宮遺跡・讃良川遺跡で、約2万年前に人々が使用していた「ナイフ形石器」が見つかっています。これらの石器は、「サヌカイト」と呼ばれる溶岩(安山岩)の一種を利用して作られており、同様な石材を利用して同じ形・作り方をした石器は、瀬戸内~近畿地方に広く分布しています。
太秦遺跡や高宮遺跡は現在標高20メートル以上の丘陵上に立地していますが、当時の平野が現地表面より低かったことを考えると、かなりの高所にあったことがわかります。寝屋川市域ではこの時代の住居等の遺構は見つかっていませんが、高槻市や羽曳野市・藤井寺市の遺跡ではこの時期の住居などが見つかっており、当時の人々が平野を見下ろす小高い山麓に住んでいたことがわかります。
更新日:2021年07月01日