令和5年5月号 「おにぎりマン」に扮(ふん)し生産者のこだわり全国に発信 米田幸司さん

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米田幸司さん
おにぎりのかぶり物を着け、農家を訪れた米田さん(左)

おにぎりのかぶり物を着け、農家を訪れた米田さん(左)

田んぼの刈り取りを視察する米田さん(右)

田んぼの刈り取りを視察する米田さん(右)

「おにぎりマン」に扮(ふん)し 生産者のこだわり全国に発信

よね こうさん(64歳・本町)

安全でおいしいコメを求めて国内を飛び回っています。ニックネームは「おにぎりマン」。海苔(のり)を巻いたおにぎりのかぶり物を着けて生産地を訪れ、良質米にこだわる農家の声を全国に届けています。
3月の週末、おにぎりマンは長野県飯山市にいました。前日にトラックで寝屋川市から8時間かけて米どころの新潟県を訪れ、この日は農家約240軒で設立した農業生産法人を訪問。どの生産者も減農薬米の栽培に取り組んでおり、米作りの苦労や工夫を米田幸司さんが交流サイト(SNS)で消費者に発信していました。

米店継ぎ、 消費拡大に減農薬米

商社マンの米田さんが家業の米店を継いだのは34年前。その頃、コメの1人当たりの年間消費量はピーク時の6割近くに落ち込んでいました。そのために「まず消費拡大を」と考えましたが、コメの多くが量販店で扱われるようになり、「米屋として生き残りをかける問題にも直面しました」。
注目したのは、安全でおいしいと評判の「特別栽培米」でした。国などの基準で農薬や化学肥料を通常の半分以下に抑えたコメを生産者に頼んで栽培してもらおうというのです。

知人の一言で “おにぎりマン”に

同じ頃、「おにぎりマン」として活動を始めました。きっかけは知人の一言でした。「おいしいコメを扱っても普通にしていたら誰も分からない」と指摘され、インターネットで購入したというおにぎりのかぶり物を手渡されたのです。「恥ずかしくて最初はためらいましたが、これでアピールできるかもしれない」と思い直します。6年前のことでした。
生産地に着くと、かぶり物を着けて変身。地元の米店などで評判を聞き、農家を訪ねて減農薬米の栽培について情報を交換しました。生態系への影響が心配されている一部の農薬は使わない米作りなどもお願いし、13道府県の生産者から直接取引する契約にこぎつけました。

「生産者とつなぐ架け橋に」

実は、現在のおにぎりのかぶり物は「2代目」とのこと。農家との交流をSNSで発信し続ける米田さんに「夏は暑いだろう」と岩手県の女性からメッシュ製のかぶり物が届けられたのだそうです。各地のメディアで紹介されるなど生産地での知名度も高く、飯山市の農業生産法人の役員は「これまで消費者の顔は見えませんでしたが、3年前から卸しなどを通さずに直接特別栽培米を出荷することで消費者の声が届くようになりました」と話し、おにぎりマンの活動に感謝します。
米田さんは「おいしく安全なコメをもっと知ってもらうために、おにぎりマンとして生産者と消費者をつなぐ架け橋になりたい」と話しています。

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更新日:2023年04月26日