令和4年12月号 「みんなの冷蔵庫」 で生活支援 後藤雅子さん

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施設の一角に開設されたコミュニティフリッジ

施設の一角に開設されたコミュニティフリッジ

「みんなの冷蔵庫」で生活支援

後藤(ごとう)雅子(まさこさん(66歳・長栄寺町)

寝屋川市民たすけあいの会が、生活に困窮する人たちを支援する関西初の公共冷蔵庫「寝屋川コミュニティフリッジ」を開設して1年。後藤雅子さんは「困っていても声を上げられない人たちに食品を届けたい」と、その思いを語ります。

たすけあいの会は、障害者などの支援やボランティア活動を行うNPO法人。その施設の一角に昨年10月にオープンした公共冷蔵庫があります。キャッチフレーズは「地域のみんなの冷蔵庫」。広さ約10平方メートルの一室に個人や医療施設、企業などから寄せられた米やカップ麺などの食料品、洗剤やトイレットペーパーなどの日用品が保管され、生活困窮者などがいつでも無料で利用できます。

人脈生かし相談活動

後藤さんは福祉職として23歳で大阪府庁に入り、2度赴任した寝屋川保健所に通算8年間勤務。精神福祉相談員だった最初の異動のときにたすけあいの会と出会いました。「福祉関係者同士の強い絆に感銘を受け、定年後はぜひ寝屋川で活動したいと思いました」。

その言葉通り定年を迎えた6年前にたすけあいの会へ。「公務員だけではやりきれなかった」というひきこもり状態の人たちを支援する相談活動に奔走し、「40年以上の歴史がある会の看板をいただき、一番やりたかったことをさせてもらっています」と話します。

先進的な仕組み導入

ヨーロッパ発祥のコミュニティフリッジが国内で初めて岡山市で開設されたのは2年前。この年に後藤さんは共同代表理事に就きました。

会では以前から生活困窮の問題に関心を寄せていましたが、岡山市での先進的な取り組みを知り、会でも導入を検討。インターネット上で資金を調達するクラウドファンディングで130万円を集め、会独自の仕組みをスタートさせました。

生活困窮支援を優先

岡山方式と違う最大の特徴は利用者を応援する支援者枠を設けたことです。「生活困窮者やひきこもりの人たちの中には声を上げたり、自宅を出ることが出来なかったりする人が多く、そういう人たちを優先的に支えています」。

その仕組みは福祉団体などの担当者が支援者となり、一緒に公共冷蔵庫を訪れた利用者がスマートフォンのアプリで電子ロックを解錠。バーコードで読み取った食料品や日用品を持ち帰り、外出できない利用者には自宅まで届けています。

人つなぐ支援に手ごたえ

開設から1年を経て、「食べ物は人と人をつなぐきっかけとなり、生活の様子や悩み事を聞く機会を作ってくれる。大きな手応えを感じています」。子どもがいる困窮家庭にも拡大し、今後の課題は「食料品などの支援を一層進めるために、質・量ともに安定した供給は欠かせず、皆さんからの協力をさらにいただきたい。これに尽きます」と、熱を込めて語ってくれました。

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更新日:2022年11月25日