令和4年6月号 「まるで万華鏡の世界! 自閉症の孫と祖母がコラボ展」 織畠匡子さん・千賀子さん

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豊かな色彩の作品に囲まれる織畠匡子さん(右)と千賀子さん

生活介護事業所で額縁とともに制作した『満開の梅』

「まるで万華鏡の世界!」 自閉症の孫と祖母がコラボ展

織畠(おばた)匡子(まさこ)さん・千賀子(ちかこ)さん(80歳・25歳、東大利町)

知的障害を伴う自閉症の孫が描くカラフルな作品に「万華鏡を覗いているみたい」と驚く祖母。墨彩画家の織畠匡子さんが感心する千賀子さんの豊かな色彩感覚に感動の輪が広がり、念願だった二人展の開催にこぎつけました。

千賀子さんはイラストなどに何の迷いもなく何色もの絵の具やクレパスをリズミカルに塗っていきます。
8年前にイラストレーターの谷山樹(たつき)さんの素描に千賀子さんが彩色したコラボ展「ぼくの線とわたしの色」をアルカスホールで開催。谷山さんは「僕の手元から離れて一つの新たな世界に染まった絵を目の当たりにして何とも言えない感動がありました」とのメッセージを寄せました。

支援学級などで才能伸ばす

千賀子さんは3歳のとき、知的障害を伴う自閉症と診断されました。小学校に入った頃から絵に興味を持ち始め、図形やイラストが印刷されたチラシやプリントを見つけると無心に色を塗っていたそうです。その才能に支援学級の先生も驚き、母親の昌子さんは「今もそうですが、集中している姿を見ていると何かスイッチが入った感じです」といいます。
18歳から絵画や造形に取り組む障害者を応援する生活介護事業所に通い始めました。元々自らテーマを決めて描くことは苦手でしたが、週1回の創作活動で独自の色彩感覚を伸ばしてきた孫に注目したのが匡子さんでした。

夢の「二人展」開催

匡子さんは大学の音楽学科を卒業後、演奏会やコンサートを企画し、平成13年にはボランティアグループの日本音楽ヘルパー協会を設立。26年に障害者の創作活動を応援する「チャレンジドアートプロジェクト」を立ち上げ、最初の企画が谷山さんと千賀子さんのコラボ展でした。
自らも40歳から墨絵に水彩絵の具で彩色する墨彩画を習い始め、「弦星(げんせい)」の雅号で活躍。いつしか独創的な感性を持つ孫と二人展を開きたいと思うようになり、今年2月、その夢を市民ギャラリーでかなえました。

支援感謝し6月にも開催

『CHIKAKO 万華鏡の世界展』では、生活介護事業所で制作した作品など2人合わせて80点を展示しました。このうち29点は千賀子さんの豊かな色使いに感動したイラストレーターや舞台照明家が描いてくれた原画に彩色。会場を訪れた人たちが描いたイラストなどにも色を塗ってプレゼントし、「最初は二人展のつもりでしたが、多くの方が協力してくれました」と支援の輪に感激しています。
6月にも同協会の拠点のサモックホール(東大利町)で『万華鏡の世界展』第2弾(16日~22日)を開くことになり、造形作家が制作した皿や造花に彩色した立体作品も出展予定。匡子さんは「自閉症は一つの個性。言葉でうまく伝えられない分、色で遊び、形を整える千賀子の世界をもっと多くの人に感じてもらえたらうれしいです」と話しています。

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更新日:2022年05月26日