令和3年1月号 小さな世界をリアルに再現 河原 かゆりさん

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エプロン姿の河原かゆりさんと1階がお店、2階がダイニングルーム、寝室、ロフトになっているドールハウスの写真
棚やテーブルにスペイン皿がきれいに並べられたミニチュアハウスの写真

初めて作ったスペインの絵皿が並ぶミニチュアハウス

小さな世界をリアルに再現

河原(かわはら) かゆりさん(54歳・成田東町)

 洋風の家や家具、パン屋などどれも実物の12分の1という極小の世界。精巧に再現されたドールハウス制作を長年手がける河原かゆりさんは「何でもミニチュアになり、素材を何にしようかと考えながら作るのが楽しい」と、その魅力を語ります。

ドイツの暮らしが創作の原点

 ドールハウスは元々、ヨーロッパの富裕層で女の子の玩具として親しまれたそうです。河原さんも欧州の街角で見られるような店舗など洋風の作品を数多く制作していますが、その原点は旧西ドイツにありました。
 父親の仕事の関係で小学校の3年間を過ごしたデュッセルドルフはライン川沿いの都市。「伝統的な街並みが印象的でしたが、向こうの博物館で初めて見たドールハウスがとてもかわいくて、大好きになりました」。

独学で本物追求

 着せ替え人形の「リカちゃんハウス」でもよく遊ぶ少女でしたが、初めてミニチュアを制作したのは結婚した26歳のとき。「通っていた絵画教室でスペインの絵皿が並ぶお店を描いたとき、これを立体にしたら面白いだろうと作ったのがきっかけでしたが、すごく楽しくてドールハウスにはまってしまいました」。
 当時、作り方を教えてくれる教室はなく、作品を紹介した雑誌などを見て独学で勉強。部屋の壁や家具などはヒノキやベニヤ、バルサ材を使い分け、粘土で作る野菜などはつまようじのような道具で細部を仕上げます。どれもミリ単位の技が求められますが、「細かな設計図はありません。サイズは感覚で決めます」。
 白を基調にくすんだ色彩にもこだわり、絵を描くように陰影をつけるなど本物が持つナチュラル感を大切にしています。

作品の保管兼ねて開店

 8畳間のアトリエから生まれる作品は大小合わせて月に約10点。長年、作りためた作品の保管場所に困り、「いっそのこと、お店で売っちゃおう」と7年前、自宅近くに雑貨店を開きました。
 店名の「FROSCH(フロッシュ)」はドイツ語でカエルのこと。小学生の頃のニックネーム「かえる」から名付けたそうです。店内には作家仲間の作品も展示し、「情報交換の場にもなっています」。
 自身を「几帳面で、じっくり作り込む職人タイプ」と分析。最近は和風の作品も手がけるなど創作の幅も広がり、2年ほど前から制作依頼もよく来るようになりました。
 自宅では以前から教室も開講。これから始める人には「自己流でもいいので一度作ってみることをお勧めします。いろいろな発見があり、それから習うのもいいですよ」。これまでの経験も踏まえてアドバイスします。

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更新日:2021年07月01日