令和2年10月号「寝屋川市を舞台にした小説がヒット!」ホラー作家 最東 対地さん

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両手で小説本を持っている最東対地さんの写真
ねやがわいちばんがいの看板が掲げられている商店街の前で腕を組んでいる最東さんの写真

「ねやがわいちばんがい」で

寝屋川アビゲイルの小説本の表紙

寝屋川市を舞台にした小説がヒット!

最東 対地(さいとうたいち)さん(40歳・御幸東町)

 おなじみの場所や地名が登場する“ご当地作品”の「寝屋川アビゲイル 黒い貌(かお)のアイドル」(講談社タイガ)。怖いホラー小説だけに「地元の反応が気がかりでしたが、皆さんに喜んでもらえているようでホッとしています」と胸をなでおろし、シリーズ化も考えています。

妻に頼み3年間執筆に専念

 「3年間だけ小説をやらせほしい」。共稼ぎの妻に頭を下げたのは7年前のことでした。当時、趣味でネット小説を書いていましたが、出版社や飲食店など職を転々。それでも妻は「ぜいたくさえしなければ生活できるから」と背中を押してくれ、電子書籍の作家を目指しました。
 ところが何の成果もなく、あっという間に2年が経過。「あと1年やっても同じや」と目標を公募の文学賞に定め、「一発逆転じゃないけれど、作品が出せる賞は全て応募しよう」と決めました。

1か月で書き上げ受賞

 この決断が功を奏しました。「いろんなジャンルの作品を書いていましたが、ネットで反応がよかったホラーを」と、1か月後に締め切りが迫っていた日本ホラー小説大賞に応募。「突貫工事で書き上げた」という「夜葬(やそう)」が読者賞を受賞したのです。
 「ネットで受けても文壇で受けるわけがないと思っていたので、賞を取れるとは」と本人が一番びっくり。しかし、選考委員の宮部みゆきさんが「魅力的でホラー的破壊力に満ちている」と評した出世作は増刷を重ね、約6万部に達しました。

“ご当地ホラー”で新ジャンル

 デビュー後、毎年1作品を出版し、7月に出たばかりの「寝屋川アビゲイル」は6作目。大阪を舞台にした“ナニワ・ホラー”のような新感覚のジャンルはできないかと企画した作品です。
 「ホラーって何か不吉なことが起きる話。そこに住んでいる人が嫌な思いをすることだけは避けたくて、軽いタッチのキャラクターものにしました」。
 タイトルも先に決まりました。タコ公園や途中に立っていたはちかづき姫の像のほか、寝屋川市駅周辺の商店街も登場。「表紙は『ねやがわいちばんがい』のイラストなんです。ホラーの怖いイメージを払しょくするような明るい感じにしました」。

ヒューマンドラマにも挑戦

 今年は「寝屋川アビゲイル」の後、続けて2作品を出版し、精力的に活動。そんな姿に「小学校5年生の長男は『パパは小説家』と友だちに言っているようです」と目を細めます。
 来年は節目の10作目を出す予定。「ホラーは人の感情に訴えるジャンル。ちょっと泣けるミステリーなどヒューマンドラマも書いてみたい」と話しています。

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更新日:2021年07月01日