平成30年1月号「オリックス・バファローズから育成ドラフトで一位指名。夢に描いたプロ野球選手へ歩み始めた」 稲富宏樹さん

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スーツを着てガッツポーズをしている稲富宏樹さんと母親の千絵さんの写真
野球の防具を付けて捕手をしている稲富さんの写真

稲富宏樹さん(私立三田松聖高校3年生)

 昨年10月26日、プロ野球育成ドラフト会議で指名されたときを「ずっとプロ選手を目指していたのでうれしかった」と振り返りました。
 母の千絵さんと2人暮らし。小学校4年生のときに池田北町に転入して、市立木屋小学校、市立友呂岐中学校を卒業しました。小学校5年生で地元の軟式野球チームに入り、中学校では大阪市内のボーイズリーグチームでプレー。当時からの友達は、今回の指名に「地元大阪の球団だから応援に行きやすい」と喜んでくれたそうです。
 高校はできるだけ母に負担をかけず野球に専念できるところ、と寮と奨学制度のある私立三田松聖高校(兵庫県三田市)に進みました。兵庫県の強豪校ながら、1年生のときからレギュラー入りし、最上級生として迎えた昨年は主将にしてチームの要の捕手を務めました。夏の兵庫大会は5回戦で敗退したものの、強肩で長打力のある捕手として注目を集めました。
 これまで順風満帆だったわけではありません。1年生の5月頃、汗もだと思っていた湿しんが全身に広がりました。病院で検査を受け、日光を浴びることなどが原因のアレルギー症状と診断されました。時には、頭がぼおっとしてプレーに支障が出ました。医師から野球をやめたほうがよい、と言われたことさえあったそうです。
 それでも、「自分には野球しかない」と続けました。いろいろな治療を試みながら、試合や練習はアンダーシャツを頻繁に交換し、そのたびに清水で汗を流すなどして臨みました。監督やチームメイトの理解で、症状が悪くなれば練習を休ませてもらいました。千絵さんは、宏樹さんに内緒で夜、寮の近くまで車を飛ばして見守りました。苦労が報われて快方に向かい、完治の診断を受けたのはようやく昨年の夏でした。
 球団と仮契約は結びましたが、公式戦出場などに制限のある育成選手としてのスタート。「『いよいよこれからだ!』『プロでやっていけるだろうか』今はいろいろな思いがあります」と素直に話します。でも将来について、甲斐拓也捕手(福岡ソフトバンク・ホークス)のようにバファローズで頑張りたい、と目標を掲げました。同様に育成選手から出発し、今年度はチームの日本一に貢献、パ・リーグのゴールデングラブ賞に輝くまでになった選手です。熱い意気込みがうかがえました。

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更新日:2021年07月01日