令和元年7月号「結び目で数学の楽しさを」 在間美華さん

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中学校に復帰した在間さん

大学時代の在間さん(左)

「結び目」で数学の楽しさを

在間美華さん

 同じように結んだつもりなのに、横結びや縦結びに。「どうしてなの?」。そんなひもの不思議を科学的に考える研究で、数学教師の在間美華さんが難解な課題を解明したきっかけも素朴な疑問や驚きからでした。

 数学の分野に「結び目理論」という学問があります。ここでいう「結び目」は、ひもを結んで出来るこぶのことではなく、両端をつないだ”輪っか”をいいます。例えば、複雑に絡み一見区別出来ない2つの輪が同じタイプかどうかを判定する研究です。

 在間さんがこの理論と出会ったのは、大阪女子大学(現大阪府立大学)3年生のときでした。「あやとり遊びのようなひもの謎を数学で解くなんて!」とびっくり。このとき、どんな数式(多項式)で計算しても判定できない課題があるのを知り「それなら新しい式を見つけ解明しよう」となりました。

 講師と二人三脚で、様々な分野の情報をヒントに数式を作ってはコンピューターで検証する日々。「大学院に進み、判定できる数式を発見したときは、頭が真っ白になりました」

 今では外国製の大型バイクを乗りこなす在間さんも、小学生の頃は体が小さくて鉄棒や跳び箱が大の苦手でした。「でも大好きな算数なら大きな子と張り合えると思い、中学の範囲を習うほど熱中しました」。算数の楽しさを皆にわかってほしいと先生を目指したのもこの頃で、14年前、講師などを経て念願だった府の教師に採用されました。

 算数や数学が苦手な子どもが多いといいます。教壇では自身の経験を話し、あやとり遊びなどで難しい理論を易しく紹介してきました。

 4月には1年ぶりに教育委員会から中学校の現場へ。結び目理論は今やゲームや医療分野の研究にも応用されており、「こんな話題をきっかけに少しでも算数や数学に興味を持ってくれたら」と願い、今日も教壇に立っています。

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更新日:2021年07月01日