令和元年6月号「高齢のワンちゃんに優しい老犬ホームを開設」 市坪のぶ子さん・真美さん
高齢のワンちゃんに優しい老犬ホームを開設
市坪のぶ子さん・真美さん
一軒家のすぐ横に犬を自由に遊ばせるドッグラン。玄関に入ると、カラフルな壁紙の部屋に小さな犬小屋やペット用の紙おむつが見えます。ここは年老いたワンちゃんを預かる「老犬のお家 りん」。愛犬の介護と向き合ってきた市坪のぶ子さん=写真左=と長女の真美さん親子が昨夏、寝屋川市内の自宅に開設しました。
愛犬の死で出会った老犬ホーム
きっかけは、4年前の愛犬「ほたる」の死でした。小さい頃に難病で失明したミニチュア・ダックスフントで、14歳の時に口の中に大きながんが見つかりました。「手術をしましたが、息苦しさで眠ることも出来ない日々が続き、かわいそうで…」。悩んだ末に選んだのは安楽死。がんとわかった2か月後のことでした。
「この間は気が休まる時がなく、看病や介護疲れで半日だけでもと病院に預けたり、娘と交代で世話したりしていました」。老犬ホームの存在を知ったのは、その後のことでした。
介護に興味を持ち、各地のホームを見学し、出会ったのが14歳の柴犬「りん」です。しばらく預かった後、引き取りましたが、「認知症状があり、夜鳴きや排せつ物の処理で本当に大変でした」。平成28年4月の熊本地震では、被災者が避難所にペットを同伴できないなどの問題も注目され、「安心して預けられる所があれば」との思いを強くしました。
”1室1ワンコ”で伸び伸びと
通信教育などで老犬介護を学び、動物取扱業に登録するための資格を取得。15歳で天寿を全うした「りん」の命日となる昨年7月11日、「りん」の名を冠した「老犬のお家 りん」の開設にこぎつけました。
2戸続きの民家を借り、片方の住宅をホームに。それまでの経験が随所に生かされ、その一つが1部屋に1匹だけという広いスペース。「普通は狭いゲージですが、うちでは伸び伸びとしてもらうため、4部屋全てが原則”1室1ワンコ”なんです」
さらに、のぶ子さんは「夜、無人になる施設に預けるのがかわいそうでした。そのためホームの隣に娘が住み、夜に何かあっても対応できるようにしました」と話します。
それでも排せつ物などの処理が重なると大騒動です。「おむつを替え、汚れたマットを消毒して一息ついていたら、今度は別のワンちゃんがウンチまみれに、というのはよくあるんですよ」と真美さんは笑います。
高齢化で老犬に優しいホームを
ペットフード業界などの調査によると、犬の平均寿命は年々延び、現在は14歳を超えています。人の年齢なら小型犬で72歳。ペットの世界も高齢化が進んでいるのです。
「老犬のお家 りん」でも老いた愛犬と暮らし、不安や悩みを抱える高齢者の利用が多いそうです。ゴールデンウィークが始まった4月のある日、16歳になる柴犬のミックス犬を預かりました。3泊4日で実家に帰るという60歳代の主婦は「老犬で目が悪く、肝臓などの機能も低下して薬は欠かせません。こんな施設があると助かります」と喜んでいました。
飼い主が入院したり、介護で疲れたりした時の利用もあり、のぶ子さんは「ワンちゃんがストレスなく過ごせ、飼い主さんも安心して預けられる施設にしたい」と話しています。
関連リンク
この記事に関するお問い合わせ先
企画三課
〒572-8555
大阪府寝屋川市本町1番1号(市役所本館2階)
<広報誌・ホームページ・アプリ・SNS等による情報発信など>
電話:072-813-1146
<報道対応・プロモーションの推進など>
電話:072-813-1277
ファックス:072-825-0761
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2021年07月01日