令和3年度市政運営方針(令和3年3月3日)

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令和3年3月市議会定例会における広瀬慶輔市長の市政運営方針です。(令和3年3月3日)

 本日、3月市議会定例会に当たり、令和3年度の「市政運営方針」を申し上げます。

1 はじめに

 はじめに、新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。併せて、現在療養中の皆様の一日も早い御快復をお祈り申し上げますとともに、御家族、関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 また、今なお医療の最前線で新型コロナウイルス感染症患者の治療に御尽力されている医療従事者を始め、感染の危険に身を投じながらも市民生活を支えるため従事いただいている多くの方々、市民の不安を考慮して市の要請に基づき感染者情報を自主公表していただいた施設や店舗等の皆様、感染防止対策に日々御協力いただいている市民、事業者の皆様に対し、改めまして深く感謝を申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るい、我が国でも、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が4月に発出されるなど、人々の日常生活や企業の活動などに大きな影響を与え、感染の不安と混乱の一年となりました。また、年明けの1月には再び「緊急事態宣言」が発出され、なお予断を許さない状況が続いております。

 こうした中、本市におきましては、感染症の流行状況などに応じた市独自の対応フェーズを設定し、自宅待機要請や公共施設の一部利用制限、各種行事・イベントの中止など、市民の皆様には、大変御不便をお掛けすることとなりましたが、市民の命と健康を守ることを最優先とした対策を講じてまいりました。

 また、中核市移行に伴い設置した市保健所において、受診相談やPCR検査、市民への迅速な情報提供など、感染症対策を適切に進めてまいりました。加えて、一昨年に危機事象に備えて制度化した自主登校園制度の実施や、感染に不安を抱える児童・生徒のための選択登校制と授業のライブ配信の導入などの「子どもと保護者の不安に寄り添う取組」、水道料金の基本料金免除や寝屋川市版休業要請支援金の支給などの「市民生活・事業活動を支える取組」、濃厚接触者等への配食サービスの導入やデリバリー型PCR検査の実施などの「感染拡大を防止するための取組」など、感染状況の変化を踏まえる中で、市民の不安を払拭すべく、様々な対策を実施してまいりました。

 いまだ新型コロナウイルス感染症の収束の兆しは見えません。しかしながら、人類はこれまでの長い歴史の中で、いくつもの感染症と闘い、そのたびに先人たちは困難を乗り越えてきました。今再び、未知のウイルスとの闘いを強いられる状況にありますが、感染による被害を最小限に抑え、安心して暮らせる日常を一日も早く取り戻せるよう、引き続き全力で対応してまいります。

 さて、本年、寝屋川市は市制施行70周年を迎えます。70年前の当時約3万5千人であった本市の人口は、平成7年のピーク時には約26万人となり、先人たちのたゆまぬ努力と市民の皆様の御協力により、市政は着実に発展してまいりました。この記念すべき年を更なる飛躍の契機として、市民の皆様と共に新たな時代へと歩みを進めてまいりたいと考えております。

 また、令和3年度は、まちづくり及び市政運営の指針となる「第六次総合計画」がスタートする年でもあります。社会的課題の本質を捉えた政策を本市から発信し続け、新たな価値を創出するイノベーションを起こすことで、市民の皆様の寝屋川市への誇りと愛着を育み、市内外の多くの方から「選ばれるまち」となっていけるよう、常に挑戦する姿勢を持ちながら、一層の決意と覚悟を持って、市政運営に取り組んでまいる所存でございます。

2 まちづくりの基本方針

 令和3年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、市税収入の減少が見込まれることに加え、引き続き感染防止対策の強化が必要であるため、厳しい財政運営を強いられることが懸念されます。

 こうした中にあっても、今後の社会環境や人口構造の変化に適切に対応し、将来にわたって持続的な成長力を確保していくためには、誰もが安全で安心して暮らせる環境を確保することはもちろんのこと、市内外の多くの方から選んでいただける魅力と将来性を兼ね備えたまちへと進化していく必要があると考えております。

 私は、所信表明におきまして、本市が成長し続けるまちとなるために、市内を走る京阪沿線の「京阪軸」及び学研都市線沿線の「学研都市軸」の2軸のまちづくりを進める「2軸化構想」と、市民サービスを駅周辺に集約する「ターミナル化構想」を御提案申し上げました。本年は、市長に就任してから間もなく2年が経過し、任期の折り返しとなります。令和3年度は構想の「具現化」に向けた本格始動の年と位置付け、2軸化事業本部を中心として着実に取組を推進してまいります。

 また、「子育て・教育の総合的支援」及び「市民サービス・働き方の改革」について、柔軟かつスピード感を持って、部局横断的に推進する新たな体制を整備いたします。それぞれが特徴をいかして取組を進め、相乗効果を生み出すことで、市民の皆様にまちづくりの成果を更に実感していただけるよう取り組んでまいります。

 こうした考えの下、刻々と変化する社会情勢を的確に捉え、市民生活に寄り添った行政サービスの充実と本市の更なる成長につながる寝屋川水準の政策立案を進めていくことを基本として、次の5つの項目に重点を置いたまちづくりを進めてまいります。

 第一は、「市民の命と暮らしを守り抜く」であります。

 安全で安心して日々の生活を送ることは、市民共通の願いであり、未来へ希望を持ち、豊かで質の高い生活を営む上での基盤となるものでございます。

 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、市保健所を核として、庁内に設置したプロジェクト・チームが組織横断的に対応するなど、引き続き、市民の皆様の命と健康を最優先とした感染防止対策に全力で取り組んでまいります。

 また、近年、自然災害が激甚化する傾向にあることに加え、甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震の発生リスクが一層高まってきております。いつどこで災害が発生するか分からないからこそ、今できることに最善を尽くし、しっかりと備えを進めるとともに、一人一人が防災意識を高めることが大切であると考えております。本年2月に策定した「国土強靭化地域計画」に基づき、ソフト・ハードの両面から防災・減災対策を計画的に推進することに加えて、市民の皆様と共に、地域防災力の更なる強化を図ることで、安心して暮らせる災害に強いまちづくりを進めてまいります。

 第二は、「より魅力あるまちへの進化」であります。

 本市が将来にわたり持続的に成長し続けていくために、この間、2軸化構想の基礎調査や事業手法の検討などを行ってまいりました。令和3年度は、2軸化構想のポテンシャルエリアである寝屋二丁目・寝屋川公園地区における土地区画整理の事業化に向けた取組を推進するなど、2軸化構想の実現に向けて着実に事業を前進してまいります。

 また、平成30年6月に発生した大阪府北部地震に伴い、機能縮小を余儀なくされていた中央図書館機能の再構築に向け、「ターミナル化構想第1弾」といたしまして、寝屋川市駅前に(仮称)新中央図書館を開設いたします。

 さらに、現在の分散した施設配置を見直し、市民の利便性の向上と寝屋川水準の市民サービスの創出を“最小のコスト”と“最短の期間”で実現するため、「ターミナル化構想第2弾」として、アルカスホールに隣接する大阪電気通信大学駅前キャンパスの取得による「施設・機能・サービスの再配置及び集約化」に向けた取組を進めてまいります。

 市民はもとより市外にお住まいの皆様にも、「寝屋川市は変わってきた」と実感していただき、これまで以上に魅力あるまちへの成長を期待していただけるような施策・事業を積極的に推進してまいります。

 第三は、「自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」であります。

 新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、テレワークやキャッシュレス決済などのデジタル技術の活用が急速に進んでおります。行政分野では、新たな生活様式への転換を進める手法として、その活用が求められております。

 本市におきましても、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え、行政手続の徹底したオンライン化やAI・RPAなどを活用した行政事務の効率化と働き方改革の推進など、中長期的な展望を視野に、全庁的な取組として計画的に進めてまいります。

 一方で、一部のシルバー世代の方など、デジタル環境を保有していない人々が孤立するリスクの拡大が懸念されます。いわゆるデジタル・デバイドの解消に向けた支援を行うなど、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指してまいります。

 第四は、「未来を担う子どもたちへの支援の充実」であります。

 少子化の進行や地域コミュニティの希薄化など、子どもを取り巻く環境は大きく変化しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、生活環境が急激に変わる中で、子どもと親の心理的負担は極めて大きくなっております。

 子どもを産み育てることは、市の未来を支える人材を育てることにつながる重要な営みです。社会の変化が大きな今だからこそ、様々な環境にある子どもたちを地域全体で見守り、育んでいかなければなりません。

 未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境を充実するとともに、子育て世代の皆様に「住みたい、住み続けたい」と本市を選んでいただくためにも、安心して子どもを産み育てることができるまちづくりを進めてまいります。

 第五は、「シルバー世代が心身ともに健康に生活できる環境づくり」であります。

 我が国の高度経済成長を支えた団塊の世代が、2025年には75歳以上の後期高齢者となられます。近隣の自治体に比べて高齢化率が高い本市におきましては、シルバー世代の皆様が住み慣れた地域で、生涯にわたり生きがいを持って暮らしていただけるまちづくりの推進が極めて重要であると考えております。介護サービス基盤の整備を始め、健康づくりの推進、介護予防の充実など、シルバー世代の皆様が感じる体の変化や日常生活への不安にしっかりと寄り添い、心身ともに健康に生活できる環境づくりを進めてまいります。

 以上の基本方針の下、第六次総合計画が目指す「新たな価値を創り、選ばれるまち 寝屋川」の実現に向けた施策・事業を実施してまいります。

3 令和3年度の主要な施策

 令和3年度の当初予算につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による市税収入の減少が見込まれる中、市独自の「予算スケール」を引き続き用いて、選択と集中を徹底した予算編成を行いました。

 また、感染拡大の影響が懸念される年度の上半期におきまして、開催時期の変更が困難で、かつ準備に多くの方々が関わるイベント等につきましては、開催の可否に早期の判断が求められることから、関係団体等の御意見を踏まえ、当初予算に計上しないことといたしました。この期間は、全庁一丸となってより一層の感染防止対策に注力してまいります。

 それでは、令和3年度の主要な施策につきまして、御説明申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策

 はじめに、いまだ感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症に係る支援策及び感染防止対策に関して、御説明申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させ、日常生活を取り戻すため、ワクチンの接種について、国や大阪府、関係機関との調整を図る中で、希望される市民の皆様に早期かつ適切に予防接種を受けていただけるよう、総力を挙げて取り組んでまいります。

 また、引き続き、市民・事業者の皆様への支援、及びウイルスの感染防止対策を継続的に実施してまいります。

 主な取組としましては、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が、外出することなく安心して生活ができるように、配食及び買い物支援サービスを実施します。

 医師の判断により市PCR外来を受診する場合に、交通手段の確保が困難な市民に対し、自宅で検体採取を行える収集体制を整備します。

 重症化リスクの高いシルバー世代の感染拡大を防ぐため、介護施設従事者を対象として定期的にPCR検査を実施し、施設内の感染防止対策を強化します。

 感染者及び濃厚接触者となった市民、市の対処方針に基づき2週間の学級休業等の対象となった児童等の世帯、並びに店舗名等の自主公表に協力した場合や市の要請により施設の一時閉鎖等を行った事業者に対し、協力支援金を支給します。

 その他、公共施設や各種事業における感染防止対策を徹底するなど、「市民の命と暮らしを守る」ことを第一に据え、全力を挙げて新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組んでまいります。

 続きまして、分野ごとの主な施策につきまして、御説明申し上げます。

子育て・教育

 「子育て・教育」に関する施策でございます。

 「考える力」を育む「寝屋川教育」の推進につなげるため、本年4月以降に産まれた乳児を対象に絵本を贈る「(仮称)With Books事業(HOPステージ)」を実施し、就学前教育の充実を図ります。

 産後うつの予防や育児不安の解消を図るため、地域の助産師(MY CITY助産師)と子育て世代包括支援センターが連携し、訪問指導事業の拡充による妊娠期からの継続的なケアを行うとともに、SNSを利用して気軽に相談できる環境を整備します。

 多胎妊婦及び多胎児を持つ家庭の負担感の軽減と不安の解消を図るため、訪問指導の充実を図るとともに、産後の外出を支援するためにタクシー券を交付するなど、多胎児家庭を支援します。

 子どもの健やかな成長のため、離婚後の養育費の支払や面会交流が安定かつ継続して履行されるよう、弁護士による相談やひとり親への公正証書作成を支援します。

 年間を通じた待機児童の解消及び子育てしやすい環境整備を一層推進するため、待機児童対策の様々な事業をパッケージ化した待機児童ZEROプランRを推進します。

 子どもの命と尊厳を守るため、3段階アプローチによる本市独自のいじめ対策を推進し、いじめ通報促進チラシの配布等の「攻めの情報収集」によるいじめの抑止を図るとともに、被害者に対して、いじめを解決するための転校や法的手続に要する費用を支援します。

 第四中学校区施設一体型小中一貫校の令和5年度中開校を目指し、校舎棟建設工事等に着手するなど、着実に取組を推進します。

 市立中学校において、更に温かくおいしい給食を提供するため、拡大親子方式の導入に向けた既存の給食調理場の改築や、拠点集約型調理場の整備を進めます。

 1人1台のタブレット端末を活用し、より分かりやすい授業や効果的な家庭学習につなげるとともに、選択登校や不登校等における授業のライブ配信に対応するなど、学びを保障する環境づくりを推進します。

 市立中学校における部活動の選択肢を増やすとともに、教員の働き方改革を推進するため、種目別の拠点校を設置し、部活動指導員を派遣します。

 大阪府北部地震による被害を受け、機能縮小を余儀なくされていた中央図書館機能を再構築するため、寝屋川市駅前において、全ての世代の方が自分の「時間」と「居場所」を求めて通いたくなる(仮称)新中央図書館を整備し、本年8月のオープンを目指して着実に取組を進めます。

都市基盤・産業

 次に、「都市基盤・産業」に関する施策でございます。

 2軸化構想の実現に向け、寝屋二丁目・寝屋川公園地区まちづくり協議会の設立及び運営を支援するとともに、当該地区の都市計画決定に必要な地区界確定や区画整理設計など、土地区画整理の事業化に向けた取組を進めます。

 また、寝屋川市駅周辺における都市基盤施設の利便性の向上を図るため、都市再生整備計画の作成を進めます。

 市民サービスの提供を公共交通機関の結節点である駅周辺に集約する「市民サービスのターミナル化」を推進するため、大阪電気通信大学駅前キャンパスの取得に向けた取組を進めます。

 寝屋川公園駅を拠点として、魅力あるまちづくりを進めるため、小中一貫校の建設と合わせて、寝屋川公園駅西側広場の整備を進めます。

 乗合いワゴン事業の実証実験を踏まえ、タクシーを利用した乗合い事業にリニューアルするとともに、対象エリアを拡大し、地区外の指定した施設への移動も可能となるよう運用します。また、シルバー世代等の公共交通の利用促進を図るため、路線バスを活用した「バス利用促進事業」を実施し、乗合い事業との乗り継ぎによる相乗効果を図ります。

 都市計画道路対馬江大利線の早期完成に向け、用地取得等を着実に進めるとともに、橋梁工事及び道路整備の進捗を図ります。

 本市の魅力を高める資源として打上川治水緑地を活用し、質の向上を図ることで集客力を更に高めるため、パークマネジメントプランの策定を進めます。

 新型コロナウイルスの影響などにより雇用情勢が不安定となる中、ハローワークと連携した市内事業者とのマッチングやセミナーの開催等により、就労意欲のある子育て世代の就労を支援します。

 空き店舗が増加している萱島地区において、空き店舗の活用を進める検討会やワークショップの実施など、魅力ある事業者の誘致に向けた取組を進めます。

 農業経営の安定化を図るため、農作物の出荷や農機具の購入、有害鳥獣による農作物被害に係る防護柵などの資材購入を支援します。

危機管理

 次に、「危機管理」に関する施策でございます。

 子どもや女性を犯罪から守るとともに市内の犯罪抑止効果を高めるため、午後11時まで実施している夜間防犯パトロールの実施時間を深夜午前1時まで拡充します。

 市域の犯罪認知件数の減少及び治安の向上を図るため、専門家の提案によるエビデンスに基づいた防犯施策を実施します。

 また、治安に対する市民ニーズを的確に把握するため、アンケート調査を実施し、専門家による研究を進めます。

 市内における洪水発生時の被害を最小限に抑えるため、洪水ハザードマップを最新の情報に更新し、全世帯に配布します。

 本市西地域の浸水対策の新たな根幹施設として古川雨水幹線バイパス管工事に着手します。また、旧国道170号以西地域への雨水の流出抑制を図るため、高宮ポンプ場を整備します。

 幅広い世代にあらゆる人権問題や平和についての理解と認識を深めていただくため、子どものいじめ問題をテーマにした講演会やパネルディスカッションを実施する「(仮称)いじめ問題シンポジウム」等開催事業を実施します。

福祉・健康・環境衛生

 次に、「福祉・健康・環境衛生」に関する施策でございます。

 短期集中通所サービス等の利用により、生活機能が向上したシルバー世代を対象として、その後の機能維持の状況などを調査し、より効果的な介護予防事業の実施につなげます。

 75歳以上の後期高齢者に対し、重症化予防のための個別支援を行うとともに、通いの場でのフレイルの啓発と予防の取組を行うなど、保健事業と介護予防を一体的に実施し、健康寿命の延伸を図ります。

 子どもの健康を受動喫煙から保護するため、「子どもの健やかな成長のための受動喫煙防止条例」に基づき、子どもが多く往来する場所での喫煙を制限するとともに、市内4駅周辺の路上喫煙禁止区域における巡回啓発を効果的に実施するなど、屋外における受動喫煙防止に取り組みます。

 また、児童の受動喫煙状況を可視化するため、コチニン値測定を実施し、家庭内での受動喫煙に対する意識の高揚を図ります。

 糖尿病性腎症等の生活習慣病の重症化を防ぐため、重症化予防事業の未利用者や人工透析が必要となる可能性が特に高い方などに対し、家庭訪問、面談、電話等による保健指導を実施するとともに、管理栄養士による食事に重点を置いた個別指導を実施します。

 旧焼却施設の解体工事を完了するとともに、資源物を始め、災害時に発生する廃棄物にも対応できるストックヤードを整備します。

自治体経営

 次に、「自治体経営」に関する施策でございます。

 住民票などの各種証明書の交付手数料について、クレジットカードや電子マネー等を利用して支払ができるキャッシュレス機能を導入し、更なる市民の利便性向上を図ります。

 市税、国民健康保険料及び後期高齢者医療保険料の納税義務者等とのコンタクトを図る新たな手段として、着眼率の高いスマートフォン等のSMSを活用した早期の納付督励を実施し、徴収率の向上を図ります。

 「望まない残業」を解消し、生産性の向上とワーク・ライフ・バランスの実現を図るため、「働き方改革推進プラン」に基づき、本市の働き方改革を着実に推進します。

 また、RPAやAI-OCR等を活用した業務の省力化と効率化を進め、働き方改革にもつながる業務改善・改革を推進します。

 ニーズに即した政策立案や市民満足度の向上を図るため、様々な媒体や機会を通じたニーズ調査を実施するとともに、市民の声を効果的に庁内外に共有するなど、市民サービスの改善につなげます。

 市ホームページの全面リニューアルを実施し、検索性・利便性の向上、市政情報の「見える化」を更に推進するとともに、特設サイトやSNSなどを活用し、効果的に情報を発信します。

 財源の確保と市内事業者の発展による地域経済の振興を図るため、ふるさと寄附金に係る記念品協力事業者の登録を増やすなど、ふるさと寄附金の更なる確保に努めます。

市制施行70周年記念事業

 最後に、市制施行70周年記念事業につきまして、御説明申し上げます。

 寝屋川市誕生から70年を迎える感謝と喜びを市民の皆様と共に分かち合い、本市への誇りと愛着を育むための取組を実施してまいります。

 新型コロナウイルス感染症による影響が不透明な中での実施となるため、周年事業の規模等を縮小せざるを得ない状況でございますが、こうした中でも創意工夫を凝らした様々な取組を実施し、市制施行70周年を祝い、盛り上げてまいります。

 主な取組としましては、

 市制施行70周年を祝するとともに、市政運営に御協力いただいている関係各位に感謝の意を表するため、「市制施行70周年記念式典」を開催します。

 本市の先進的な取組や暮らしやすさを市内外に発信し、住みたい・住み続けたいと感じる訴求力をより高めていくため、市の強みや魅力を掲載したガイドブックを発行します。

 また、これまでの先人たちの業績に感謝し、これからの更なる発展につなげていくため、市の歴史などを掲載した広報特別号を発行するとともに、記念DVDを制作し、全世帯に配布します。

 市内の消費拡大と商店街等の活性化を図るため、市商業団体連合会によるプレミアム付商品券の発行を支援します。

 その他、「寝屋川文化芸術祭」や「ねやがわ桜ナイトパーク」などの各種イベントを周年記念事業に位置付け、趣向を凝らした取組を実施します。

4 結び

 「不易(ふえき)流行(りゅうこう)」という言葉があります。江戸時代の俳人、松尾芭蕉が提唱したと言われる俳諧理念で、「いつまでも変わらない本質的なものを大切にしながらも、新しい変化を取り入れていくこと」を意味しております。

 先人たちが築き守り続けてきた本市ならではの文化や歴史、伝統、さらには地域の絆など、今後も守り続け、将来へつなげていかなければならないものがあります。

 その一方で、先にも述べましたとおり、社会情勢は日々目まぐるしく変化しております。この変化に対応できなければ、時代に取り残されてしまう可能性があります。変わることを恐れるのではなく、変化を先取りして自らが行動を起こす中で、“新たな価値”を創出し、市民の満足度と市の魅力を更に高め、選ばれるまちへと成長していかなければならないと考えております。

 こうした「不易(ふえき)流行(りゅうこう)」の理念の下、本質的に大切なことは守りつつも、常に時代の流れを的確に捉え、新しい試みに果敢にチャレンジしてまいります。

令和3年度当初予算案

 令和3年度当初予算案につきましては、

一般会計

908億4,000万円(対前年度比0.9パーセント増)

特別会計(国民健康保険特別会計 外4特別会計)

528億3,100万円(対前年度比1.6パーセント増)

公営企業会計(水道事業会計及び下水道事業会計)

188億8,800万円(対前年度比0.9パーセント増)

合計

1,625億5,900万円(対前年度比1.2パーセント増)であります。

 議員並びに市民の皆様におかれましては、格段の御支援・御協力をいただきますよう、心からお願い申し上げます。

令和3年度当初予算主要事業概要は下記のページからご覧いただけます。

用語説明

イノベーション

画期的な技術や新しい仕組みを創造し、変革を起こすことで経済や社会に価値を生み出すことをいいます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

様々なモノやサービスがデジタル化により便利になったり、効率化されることで、デジタル技術が社会に浸透し、それまでには実現できなかった新たなサービスや価値が生まれる、社会やサービスの変革のことをいいます。

AI

Artificial Intelligenceの略で、「人工知能」と訳されます。人間の知的営みをコンピュータに行わせるための技術、又は人間の知的営みを行うことができるコンピュータプログラムのことをいいます。

RPA

Robotic Process Automationの略で、これまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウエアのロボットにより自動化することをいいます。

コチニン値

コチニンは、たばこの煙に含まれているニコチンにより、体内でつくられる化学物質です。コチニン値を測定することで、受動喫煙の状況を把握することができます。

SMS

Short Message Serviceの略で、携帯電話等の電話番号を利用して、文字メッセージを送受信できるサービスのことをいいます。

AI-OCR

OCR(文字をデジタルデータに変換する技術)にAI技術を加えたもので、OCRより文字認識率、レイアウト解析の精度を向上させた技術のことをいいます。

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更新日:2021年07月01日