動物愛護管理法が改正されました
令和元年6月に、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「動物の愛護及び管理に関する法律施行令」及び「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」の一部が改正され、令和2年6月1日にその一部が施行されました。
今回の変更点の中で、ペットを飼っている方に関係のある主な点についてご紹介します。
動物の所有者が遵守すべき責務規定を明確化
動物の飼養者は、環境大臣の定める「動物の飼養及び保管に関する基準」を遵守すべきであることが明確に規定されました。詳しくは環境省のホームページをご覧ください。
動物の適正飼養のための規制の強化
犬及び猫の繁殖制限の義務化
犬や猫の飼い主は、その犬や猫が多数繁殖して適正飼養が困難になる恐れがある場合には、繁殖防止のために避妊去勢手術などの措置を行うことが義務化されました。
動物の殺傷・虐待・遺棄の厳罰化
動物のみだりな殺傷・虐待・遺棄に対する法定刑が次のとおり厳罰化されました。
罰則の種類 |
改正前 |
改正後 |
---|---|---|
みだりな殺傷 |
2年以下の懲役又は 200万円以下の罰金 |
5年以下懲役又は 500万円以下の罰金 |
虐待・遺棄 |
100万円以下の罰金 |
1年以下の懲役又は 100万円以下の罰金 |
※動物の虐待とは、やってはいけない行為を行うこと(積極的虐待)だけではなく、やらければならない行為をやらないこと(ネグレクト)も含みます。
【虐待の例】
・不必要に、殴る、蹴るなどの暴力を加える。
・酷使する。
・病気を放置する。
・安全が保てない場所に拘束して衰弱させる。
・狭い場所で多数の動物を飼養して衰弱させる。
マイクロチップの装着・登録について
犬又は猫の飼い主に関係のある主な変更点は次の通りです。
- 犬猫の飼い主は、マイクロチップの装着に努めなければなりません。
- 犬猫の飼い主は、犬猫にマイクロチップを装着した場合、指定登録機関へ登録をしなければなりません。
- マイクロチップが装着・登録された犬猫を譲り受けた場合や、転居等で登録情報に変更が生じた場合は、指定登録機関へ変更の届け出が必要になります。
(参考)マイクロチップとは
動物用のマイクロチップは、直径2ミリメートル、長さ8-12ミリメートルの円筒形の小さな電子標識器具であり、動物の皮膚の下に埋め込み使用します。それぞれのチップには世界でただ一つの個体識別番号が標識され、その番号は書き換えることが出来ないため、欧米を中心に安全で確実な個体識別装置として用いられています。
チップ装着後にデータ登録手続きをすることで、飼い主の電話番号等の情報を国の指定する登録機関のデータベースへ登録することができます。地震等の災害で動物が逸走してしまった際などに、発見された動物にデータ登録のされたマイクロチップが挿入されていれば、読み取った個体識別番号をデータベースに照会することで飼い主とすぐに連絡をとることができます。
更新日:2021年07月01日