令和8年9月号 「巡礼歩きは人生の楽しみ」 スペインのカミーノを歩く パークレンジャー 松原 秀樹さん
巡礼宿の修道院(右奥)を望む丘で
スペインの聖地に続く「カミーノ」と呼ばれる巡礼の道。名峰が名を連ねる日本百名山を制し、森を守るパークレンジャーの活動で鍛えた体力と脚力を生かして歩いた巡礼路の総距離は2600キロメートルを超えました。
63歳で日本百名山を完登「次はスペイン巡礼!」
学生の頃に姉と乗鞍岳に登り、山荘から見上げた満天の星空に感激しました。本格的に登山を始めたのは大学時代。63歳で屋久島の宮之浦岳を登頂して日本百名山を完登し、登山仲間に「次は何を目指すの?」と聞かれて口に出たのが、夏山で出会った夫婦から聞いたスペイン巡礼でした。
スペイン北西部にあるキリスト教三大聖地の一つがサンティアゴ・デ・コンポステーラです。巡礼路はいくつもあり、2年後、標高差1200mのピレネー山脈を越える、人気の「フランス人の道」に挑みました。
合言葉は「ブエン・カミーノ」
800キロメートルを34日間で踏破
季節は温暖な5月。重さ8キログラムのリュックを背負って毎朝7時に出発しました。草原の丘やブドウ畑の田舎道を歩く一人旅でしたが、宗教を問わずやって来た巡礼者とかわす「ブエン・カミーノ(良い巡礼の旅を)」の合言葉に励まされました。
毎日午後2時頃には二段ベッドが並ぶアルベルゲ(巡礼宿)に到着。「歩いた後はシャワーを浴び、ビールを飲んで食べて寝る毎日。1日4000円もあれば十分」と笑います。1日25キロメートルのペースで歩き、約800キロメートル を34日間で踏破。「巡礼の途中で出会った仲間とゴールで再会し、感動と達成感でいっぱいでした」。
府民の森で体力と脚力鍛える
姉妹道歩き「共通巡礼者」に
体力と脚力を鍛えるため、以前から府東部に広がる府民の森を歩いていました。巡礼を始めて4年目から、自然の不思議や面白さを伝え、下草狩りなどの作業で森を守るNPO法人日本パークレンジャー協会の活動に参加。「健康の維持にもつながり、体調を崩さず巡礼を続けることができました」。
再発見もありました。スペイン巡礼路と紀伊山地の熊野古道が、共に世界遺産の?姉妹道?と知ってびっくり。すぐに小辺路(こへち)など熊野古道の3ルートを歩き、コンポステーラ市と和歌山県田辺市が認定する「共通巡礼者」に登録されました。
今年5月には「ポルトガル海の道」を訪ね、スペイン巡礼はこれで7度目。寝屋川市からフィリピンまでの距離に相当する2650キロメートルを歩き、「巡礼歩きは人生の楽しみ。秋にはパークレンジャーとしてのイベントが目白押しで、次の巡礼の予定は決まっていませんが、春になったらまた行きたくなると思います。次は孫と歩くのが楽しみです」。
4月にデビューしたモナキ(左から2番目がおヨネさん)
私とふるさと
大東市で育ちましたが、32歳のときに寝屋新町のマンションを購入しました。自然が多くて気に入っていましたが、4年後に東京へ転勤。3年~4年のつもりでいましたが、戻ってきたのは15年前でした。
寝屋川市駅まで歩くことも苦にならず、市立中央図書館もよく利用していました。昨年春、交野市に引っ越しましたが、今も自宅から寝屋川市駅までの約5kmを歩き、周辺の飲食店に立ち寄っています。
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更新日:2026年08月26日