令和7年12月号 気象と向き合い34年 福井地方気象台次長 金子秀毅さん
霧などの自動観測装置が並ぶ福井地方気象台で
福井地方気象台次長 金子秀毅さん
昨年の春、気象庁の福井地方気象台(福井市)に着任しました。南は鹿児島から最北の稚内(北海道)などを経て今回が10回目の転勤。観測船にも勤務し「好きで入った世界。つらいと思ったことはありません」と目を細めます。
第六中の授業で天気図作成 予報官めざし気象庁へ
市立第六中学校の2年生の授業で天気図を作成しました。ラジオで放送される54地点の気象情報や等圧線を天気図用紙に書き入れ完成。「新聞に載る天気図と答え合わせをするのが日課になりました」。
暮らしに欠かせない天気予報を作って発表する予報官をめざしたのはこの頃でした。気象学が学べる北海道大学に進学し、国家公務員試験に合格。ほかの省庁からも誘われましたが、初心を貫きました。
鹿児島航空測候所があった
雪の鹿児島空港で
初任地で観測のイロハ学ぶ 7年目の本庁勤務が転機に
平成3年、鹿児島航空測候所を振り出しに2年後、稚内地方気象台へ。目視で雲を見分けるなど“観測のイロハ”を習得し、制度が始まったばかりの気象予報士の資格も取りました。
ところが、入庁7年目に本庁の海上気象課へ異動。これが大きな転機となりました。波浪や海氷などの海上気象を観測、分析する部署で10年間勤務。「めざした予報官とは違う海洋畑を歩むことになりました」。
観測船で2か月間航海 地球規模の気候変動対策にも
「一番印象に残っていること」は海洋気象観測船「啓風丸」との出会いです。乗船した平成21年当時、神戸海洋気象台(現神戸地方気象台)に配備。地球規模の気候変動に対応するため北西太平洋を赤道付近まで南下する2か月間の航海に出ました。
10人の観測員が24時間体制で海水の酸素濃度や成分を分析。データ収集は水深2000m(現在は6000m)の深海にまで及び、「最初は船酔いで大変でしたが、チームワークで行う任務にやりがいを感じました」。楽しみは1日4回の食事で、ステーキの日が仕事の励みに。燃料補給のため寄港したミクロネシアのポンペイとパラオでは、上陸して疲れた身体を癒やしました。
様変わりした観測環境 「地域防災に貢献したい」
現任の福井は、稚内以来30年ぶりの地方気象台です。その間、観測環境は様変わり。「目視による雲の観測はなくなり、雪や雷、霧など大気現象の測定は自動化されました」。
地方気象台では近年、地域防災の支援を強化しています。避難指示などを出す市町村長の判断に欠かせない情報を迅速に提供する任務を担い、「将来は気象防災アドバイザーとして、生まれ育った地域にも貢献したい」。
観測船「啓風丸」で2か月の航海に出る金子さん(写真左)
私とふるさと
寝屋川市に生まれ、市立西小学校に入学。6年生のときに新居に引っ越し、市立国松緑丘小学校に転校しましたが、友だちも出来、学校生活もすぐに慣れました。
当時、少年野球チームの早朝練習でよく淀川方面へ走っていました。市立第六中学校では陸上部に入り、健康維持のために就職してもランニングを続けました。寝屋川ハーフマラソンにも2度出場し、転勤先の仙台や福井のマラソン大会でも走っています。
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更新日:2025年11月25日