令和5年3月号 「楽譜を書く環境は最高!」 北の大地で音楽活動 作編曲家 松山千紘さん(34歳)
吹奏楽用に編曲した楽譜
野外イベントで生演奏を披露する松山さん(右)たち
寝屋川市から約1100キロメートルの北海道帯広市。「楽譜を書く環境としては最高」と自然豊かな北の大地で作曲や編曲に励み、「生演奏にふれる機会を」と地元の演奏家たちとユニークな活動に取り組んでいます。
初めて音楽にふれたのはピアノを習い始めた3歳のときでした。市立第七中学校の吹奏楽部ではクラリネットを担当。トロンボーンを吹いた寝屋川高校ではタクトも振り、「いろいろな楽器の楽譜を読む機会が増え、もっと広い視野で音楽を感じたいと思うようになりました」。
母校の依頼で編曲 自らも指揮して披露
大阪芸術大学の音楽制作コース(当時)で作曲を専攻。3年生のとき、寝屋川高校吹奏楽部の恩師から「自分が編曲した曲で指揮棒を振ってみないか」と声を掛けられました。ショスタコーヴィチ作曲の『ジャズ組曲』というオーケストラ用の曲を吹奏楽用に編曲する依頼でした。
当時は編集ソフトを使っておらず、30近いパートの楽譜を手書きで制作。約2か月かけて12分間の曲に仕上げ、定期演奏会で披露されました。「頭も手も酷使する作業でしたが、自ら指揮し特等席で聴くという贅沢(ぜいたく)すぎる時を過ごしました」。
大学の卒業制作では絵本から構想したオーケストラ作品の組曲も作曲しました。
「生演奏に触れる機会を」 十勝で音楽イベント企画
9年前、獣医師の夫の仕事の関係で「人より牛が多い町」で知られる北海道の大樹町に移住。2年前に同じ十勝地方の帯広市に引っ越しました。「雑音も少なく、楽譜を書くには適した環境」と編曲の仕事を続け、出版社から楽譜も販売。「十勝に還元できる音楽家でありたい」と、音楽イベントを企画する「とかちフレーズミュージック」を立ち上げました。
「人口が少ない分、チケット販売やPRに苦労しました」が、大阪にいた頃に経験したコンサートホールの業務で培った接客やコミュニケーション力が生きました。
「生演奏にふれてもらいたい」と企画した野外イベントの「生音ジュークボックス」は大盛況でした。ポップスなど50曲以上の曲名が書かれたメニュー表を用意。1曲500円~1000円で電子ピアノやフルートなどの生演奏を披露する趣向で「お客さんにとても喜んでもらい、演奏家も充足感に包まれました」。
活動徐々に定着 将来は月1コンサートを
生音ジュークボックスやカフェでのミニコンサートなどユニークな企画は地元メディアに取り上げられ、企業からの演奏依頼も増えるなど活動も徐々に定着してきました。
将来の目標は、十勝地方19市町村全てで毎月1回コンサートを開くこと。自身も「住みやすい十勝で、一番好きな楽譜を書くという仕事をしていけたらうれしい」と目を輝かせます。
私とふるさと
実家は萱島駅が最寄り駅で、24歳まで住んでいました。今はなくなった市民プールと隣の公園によく遊びに行き、寝屋川高校のときには公園でたまにトロンボーンの練習をしていました。
高校は自転車通学でしたが、いつも通っていた市駅前から第一中学校の方に続く道路がすごく広くなり、景色もガラッと変わりましたね。
コロナ禍の前は家族と年に数回帰り、毎回吹奏楽部の同期会を開いていました。昨年は2 年半ぶりに帰省。今度帰ったときは同期の皆に会いたいです。
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更新日:2023年02月22日