令和4年11月号 「自然のおいしさを感じて」 トマト栽培農家 井関貴文さん(36歳)
家具職人を目指して移住した岐阜で農業の面白さを知り、農家に転身。農薬や化学肥料に頼らず、自然の力とおいしさを感じてもらえる野菜作りに挑んでいます。
「山から流れる豊富な水と日当たり抜群の環境にひかれました」。岐阜県飛騨市の中心部から車で30分。冬には積雪が2mを超える山あいの古民家と農園で開かれた収穫体験などのイベントで、参加した親子連れに笑顔で話しかけていました。
「トマトの生長おもしろい」家具職人から農家に転身
元々モノ作りが好きだった井関貴文さんは西寝屋川高校を卒業すると、飛騨市の隣の高山市にある木工の専門学校に入学。家具メーカーに就職しましたが、9年前、アルバイトでトマト作りを手伝い、「小さな苗がすくすく生長するのが面白くて農業にはまりました」。
農家で2年間の研修を終え、高山市内で畑を借り30歳で「井関農園」を設立。2年目から化学肥料や農薬を使わない有機栽培に切り替えました。「知り合った有機栽培農家の甘くて濃厚なトマトの味に衝撃を受けました」と話し、家庭菜園で野菜作りの経験がある妻の美穂さんの後押しもありました。
「本当の味」目指し自然栽培に挑戦
その頃から環境に優しい方法などを独学。有機栽培で思う味が出せないでいたときに、「自然に任せよう」と何もしなかったことがありました。
出来たトマトは甘さやうまみとは違う、すっきりした味になっていました。「これが本当の味なのか」。そう感じた井関さんは農薬や化学肥料を使わず、畑も耕さない自然栽培に挑戦しようと決めました。
そんなときに飛騨市で見つけたのが山あいの古民家です。トマトやホウレンソウの一大産地で知られる同市のサポートもあり、昨年4月、購入した古民家に移住しました。
「森の仕組みを真似て」落ちたトマトも肥料に
新天地で約20種類のトマトを中心に露地や7棟のパイプハウスで野菜を生産。「自然の仕組みを真似するのが一番」と、広葉樹の葉が落ちて豊かな土壌を育む森の循環の再現を農園で試みています。
畑を耕さないのもその一つ。化学肥料を使わない代わりに刈り取った雑草は畑に残し、畝に落ちたトマトもそのままに。収穫量は減りましたが、「味覚は人それぞれ。皆さんがおいしいと感じる野菜を選んでくれればと思います」。
「人と人がつながる場所に」イベントで取り組み紹介
こうした取り組みを知ってもらおうと毎月1回、農園を案内するオープンデーも開催。農業をとおして人と人がつながる場所作りにも情熱を注いでおり、「自然栽培のおいしさを少しでも感じてもらえる野菜作りを目指したい」と話しています。
私とふるさと
市立点野小学校と第八中学校に通い、府立西寝屋川高校には自転車で通学していました。
小学生の頃は地元の野球チームに入り、ショートなどを守っていました。点野小学校のグラウンドだけでなく、いろいろな学校に出掛けて試合をしたことが一番の思い出です。
寝屋川市は「ほどよい都会」で住みよい街だと思います。年に何度か家族と帰省。小さい頃によく行った近くの淀川河川敷に子どもたちと遊びに行っています。
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更新日:2022年10月26日