令和4年9月号 7人制ラグビーで挑む めざすはパリ五輪! 兄弟ラガーマン盛田志さん(29歳)・気さん(26歳)
▲ピリカモシリセブンズ大会(北海道)でプレーする志さん
▲ ワールドラグビーセブンズ・シンガポール大会のアイルランド戦でプレーする気さん
高校生のときから強豪校で楕(だ)円球を追いかけ、今年スタートしたジャパンラグビーリーグワンでも戦ってきた寝屋川市出身の盛田兄弟。15人制と同じグラウンドで繰り広げる7人制のセブンズで2年後のパリ五輪をめざしています。
父と同じ道を歩みラグビー強豪校に進学
父親の清人(すみと)さんは、社会人ラグビーチームの三洋電機(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)で10年間プレーし、チームの本拠地があった群馬県で二人は生まれました。現役引退と同時に大阪の本社宣伝部に異動となり、一家は大東市の社宅へ。16年前に、清人さんが大学生まで暮らしていた寝屋川市に引っ越しました。
フォワード(FW)で活躍した現役時代の父親について「全然記憶にありません」と気さん。それでもラグビーボールがいつもそばにあり、「太間町の淀川河川敷でよくパスを教えてもらいました」。中学校ではバスケットボールに打ち込んだ志さんは「ラグビー仲間といつも一緒だった父に憧れていました」と話し、高校はともにラグビーの強豪校に進みました。
ともに3年連続で花園へ 地元で活躍する姿見せる
志さんが広島・尾道高校で寮生活をスタートさせたのは平成21年でした。同高は大阪の花園ラグビー場で開かれる全国高校大会にそれまで3度出場。「練習が思った以上にきつかった」そうですが、3年連続で花園のピッチに立ちました。
2年生のときにはFWの要のナンバーエイトでベスト16に。「中学校の友人が応援に来てくれた試合に勝ててうれしかった」と語ります。
一方、気さんも「親元を離れて生活できるのがポイントでした」と話し、全国大会常連校の山梨・日川高校に進学しました。「地元の花園で頑張っている姿を見てもらうことがモチベーションになりました」と言い、志さんと同じように全国大会に3度出場しました。ベスト16入りした3年生の2回戦では4連続トライ。同高の花園通算100試合目を飾る活躍で、翌日のスポーツ紙面に『日川圧勝盛田のチカラ』の見出しが躍りました。
夏合宿で兄弟対決 気さん「大学の一番の思い出」
志さんは早稲田大学へ。気さんも大東文化大学に進学し、東京と埼玉でラグビーを続けました。
高校時代に2人が対戦する機会はありませんでしたが、気さんが入学した年の長野・菅平の夏合宿で兄弟対決が実現。気さんが「同じフィールドで80分間を戦い、大学時代で一番の思い出になりました」と言えば、志さんは「弟とはポジションが違い、直接対面するプレーはなかったのですが、試合後、家族そろって写真を撮りました」。3人兄弟で一番下の生(しょう)さんもラグビーに打ち込み、改めてスポーツ一家の絆を感じたといいます。
「まるで義務教育みたいに小さい頃からラグビーボールで遊んでいました」と口をそろえる盛田兄弟。お互いに刺激を受けながらラグビーの道をまい進してきましたが、志さんは大学を卒業すると、初めて父親や弟と違う道を選びました。
商社マンからの挑戦 志さん「弟の姿に刺激され」
「ラグビーを続けたい気持ちはありました」と志さん。しかし社会人チームから声がかからず、大手商社に就職しました。それでもラグビーへの思いを断ち切れず、福岡に拠点を置く社会人トップリーグの宗像サニックスブルースに入った気さんと天理大学でプレーを始めた生さんに触発されました。
気さんは「1年生から試合に出ていましたが、3年生のときにニュージーランドに留学し、社会人チームのスカウトの目に止まる機会が少なくなったため、自分のプレーを収めたDVDを作って手当たり次第に売り込みました」。
そんな弟のラグビーに対する一途な姿を目の当たりにし、「社会人に挑戦する姿勢の甘さや覚悟の弱さを痛感しました」と振り返り、2年後に商社を退職。ニュージーランドのチームで2シーズンプレーし、昨年、念願だったトップリーグの清水建設に入団しました。
セブンズで新たな挑戦 兄弟で五輪代表めざす
この6月から8月にかけて札幌市と埼玉県熊谷市で男子セブンズの合宿が開かれました。選手強化を図るため、日本代表候補の選手を招集。盛田兄弟もそろって参加しました。
気さんは昨年11月にアラブ首長国連邦で開かれたアジアシリーズで日本代表としてデビュー。中学生のときに100mを11秒台で走った俊足を生かし、「持ち味のスピードやランプレーを出すことができた」と手ごたえを感じました。
志さんは短い試合時間の中で随所にスーパープレーが飛び出すセブンズに魅かれ、「世界で戦う弟の姿に自分もやりたいと思いました」。7人制の練習を始めて2か月。「得意とする大きなステップがセブンズのプレースタイルに合っており、成長のスピードをもっと上げたい」。
7人制の新たな世界に飛び込んだ2人の目標は、パリ五輪の日本代表メンバーに選ばれること。「以前にも増して切磋琢磨し、高いレベルで長くプレーしたい」とさらなる高みをめざします。
「7人制ラグビー」とは
1チーム7人の選手でプレーし、セブンズとも呼ばれます。15人制ラグビーと同じグラウンドを使うため、ボールの動きが多く、スピーディーな試合展開が見どころ。試合時間も7分ハーフの計14分と短く、1日に行われる試合数が多いのも特徴です。2016年のリオデジャネイロ五輪から正式競技に採用されました。
私とふるさと
志さん「一番の思い出は讃良東町にあった市民プールです。大東市の社宅にいた頃からよく父親の運動不足解消に付き合わされて炎天下を歩いて通っていました。プールに行くと、家では禁止されていた炭酸飲料を飲めたので、とても楽しみでした」
気さん「5年生のときに市立第五小学校に転校。第六中学校では野球部に入っていました。友だちとよく大型量販店やゲームセンターに行って遊び、少ないお小遣いでたこ焼きなどを買って食べていました。両親には内緒でしたが」
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更新日:2022年08月26日