令和4年7月号 南極観測船「しらせ」 に乗務 「貴重な体験生かしたい」 海上自衛官西山大海さん(25歳)

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南極に立つ西山さん

昭和基地沖に接岸した「しらせ」

南大洋を航行中に目撃したオーロラ

オレンジ色の船体が鮮やかな南極観測船「しらせ」。その乗組員として派遣された寝屋川市出身の西山大海さんは「いろいろな分野で活躍する隊員たちを支援でき誇りに思います」と目を輝かせます。

憧れの南極へ 入隊5年目で夢叶う

「しらせ」は海上自衛隊が運航。研究者を送り届けるほか、物資輸送や観測支援も重要な任務で年に一度、日本と南極を往復します。

「しらせ」の存在を知ったのは、20歳で海上自衛隊に入隊し、自衛官としての教育を受けていたときでした。5か月後にヘリコプターの航空電子整備員として配属された岩国航空基地に、「しらせ」に搭載される輸送ヘリが配備されていました。

「オーロラを見るのが小さい頃からの夢。極地で活動するヘリを間近にし、南極への思いを強くしました」。

昨年5月、その夢は思いがけない形で実現します。半年後に「しらせ」に乗り組む航空電子整備員に欠員ができ、上司から「一緒に行かないか」と誘われたのです。「南極仕様ヘリの整備経験者として声がかかり、本当にラッキーでした」。

白夜の極地に上陸「感激で寒さも忘れました」

11月10日、180人の乗員とともに横須賀港を出港。往復5か月近くの船上生活の1日は午前6時の起床で始まります。昼食をはさんで搭載ヘリ2機を整備。「南極に着くとすぐに物資の空輸が始まり、日々の点検は欠かせません」。

海上自衛隊では砕氷艦と呼ぶ「しらせ」が南極の拠点・昭和基地の沖合350mの地点に到着したのは12月19日です。この頃、南極は太陽が沈まない白夜の時期。防寒服姿で降り立った西山さんは「真っ青な空と白い雪原の美しさに感激し、寒さも忘れました」。すぐにパイプラインで昭和基地まで燃料を送る作業に従事。観測隊員とヘリで同行し、研究活動も支援しました。

長い航海生活 ベッドが安らぎの場所

往復約2万9000キロメートルに及ぶ航海で、唯一安らげる場所はカーテンで仕切られた二段ベッドでした。インターネットや電話は自由にできませんでしたが、「自分に合った枕やマットレスを持参できたおかげでぐっすり。限られた時間でしたが、1日に2度できるメール連絡も楽しみでした」。

航海の途中、補給のためにオーストラリアに寄港。コロナ禍で以前は許された上陸ができず、世界的に広がる影響を肌で感じました。

南大洋でオーロラ目撃 「撮った写真は一生の宝物」

航海中にもう一つの夢がかないました。南極に向けて南緯50度付近の南大洋を航行中にオーロラを目撃できたのです。

「突然オーロラが出たという船内放送が流れ、携帯のカメラで夢中で撮りました。写真は一生の宝物です」。

この6月、岩国航空基地に復帰。1年間にわたる「しらせ」での任務を振り返り「観測隊員たちの研究が私たちの生活にも役立っていることを実感しました。私も貴重な体験を生かし、いろいろなことに挑戦したい」と話していました。

私とふるさと

久しぶりの帰省でも寝屋川市駅を降りて町並みを眺めると、ずっと住んでいたんじゃないかという不思議な感覚になります。都会ではないけれど田舎でもないという寝屋川が大好きです。

東小学校と第一中学校に通いました。どちらも友人に恵まれ、毎日学校に行くのが楽しみでした。公園でよく野球をして遊んでいましたが、中学校では軟式テニスに打ち込み、市内の中学校の大会で優勝。北河内の大会でも3位に入りました。

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更新日:2022年06月24日