令和4年5月号「山の楽しみ方は無限大」安心して遊んでもらうお手伝い 登山ガイド水野由香さん(53歳)

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雪の愛宕山を案内する水野さん

雪の愛宕山を案内する水野さん

「花と苔(こけ)が大好き」という市出身の水野由香さん。雪山や尾根を伝う縦走だけでなく、ルーペの向こうに広がる美しい植物の世界を覗くのも山歩きの楽しみだといいます。

両親と3歳から山歩き24歳で独立し登山ガイドに

山の魅力を伝えて29年。年間150日は四季折々の自然を案内し、先日も滋賀と三重にまたがる藤原岳(標高1140m)へ。「長時間、家をあける仕事ですが、夫と連携して家庭を運営し、家事は私よりも夫のほうがうまいです」と笑います。
山との出会いは3歳の頃。両親が大阪や奈良の山に連れて行ってくれました。吹奏楽部に入った中学生の頃から山歩きも減りましたが、大阪市立大学(現大阪公立大学)の大学院で植物生態学を学び、気付くと山の世界に戻っていたそうです。
ネイチャーガイドとも呼ばれる自然ガイドの募集を見つけ、旅行会社に就職。24歳のときに登山ガイドとして独り立ちしました。

5人に1人が女性ガイド「安全に山を案内します」

日本山岳ガイド協会によると、認定登山ガイドは3段階に分かれ、水野さんは雪山も案内できる「ステージ2.」の資格を取得。山登りの技術や豊富な知識を持った専門家として「お客さんを安全に、安心して自然を楽しんでもらう仕事です」。
13年前、北海道の夏山で多くの登山客が犠牲になった遭難事故を契機に、ガイドの重要性は一気に高まりました。
同協会の登山ガイドは1567人で、このうち女性は308人(4月1日現在)。5人に1人と少なく、たまに「女性ガイドって大丈夫?」と聞かれるそうです。そんなときは「大丈夫です」ときっぱり。「大切なことは事故を起こさない準備や安全管理をしっかり行うことです」。
 

心折れたマレーシアでの体験「今の仕事に役立っています」

大学院の植物調査で訪れたマレーシアでのこと。標高465mとそれほど高くない国立公園内の山をめざし、熱帯雨林を歩く片道4時間の行程で「心が折れそうになるほど疲れ果てました」。要因の一つは若さにまかせて歩いたこと。このときの教訓が”山歩きのペースメーカー”でもある今の仕事に役立っています。
参加者の年齢に応じたルート選びや下調べは大事な作業。「安全対策は企画段階から始まっているのです」。
 

「岩よりお花」ブログで花や苔の魅力発信

「登頂の達成感を味わいたい」とか「岩場に登りたい」という依頼があれば案内するそうですが、お勧めは「苔の山」や「花の山」の企画です。「日本蘚苔(せんたい)類学会」の会員になるほど思い入れは強く、ブログでも「頂上よりも途中の森」「岩よりお花」とアピール。倍率10倍のルーペは必須アイテムで、「拡大して見る苔の美しさに驚いてもらいたい」とその魅力を語ります。
新型コロナウイルス感染症が拡大した当初はツアーも減りましたが、最近は一人で過ごすテント泊や地図を頼りに山を歩く「読図」の講座が人気。こうしたノウハウは災害時にも役立ち、「山の楽しみ方は無限。今後も自然の魅力や山遊びの楽しさを発信して行きたい」と新たな企画づくりに余念がありません。
 

私とふるさと

2年前までの15年間、高柳の夫の実家に住んでいました。山で迷ったことはありませんが、最初は近くのスーパーから帰れなくなったのを覚えています。
寝屋川市生まれの長男が小学校3年生のときに子供会の副会長に。お祭りの準備や餅つき大会のイベントに携わったのが楽しい思い出です。
奈良市に引っ越しても夫は寝屋川市のツイッターをフォロー。今もふるさとの情報に触れています。

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更新日:2022年04月25日