令和3年12月号 「不用品が子どもたちの命を守る」 ワールドギフト代表 平井尊雄さん(46歳)

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二人三脚で活動する平井尊雄さん(写真右)と奈月さん

日本人消防士の遺志を引き継ぎ活動する
フィリピンのスタッフたちと平井雄策さん(前列右)

フィリピンのマニラ市にあるスラム街。この街で貧困に苦しむ子どもたちを応援する日本人の姿に感銘を受けた寝屋川高校出身の平井尊雄さんは、「ここが支援活動の出発点です」と語ります。

日本人消防士と出会い スラム街での活動に感激

大学を卒業後、リサイクル業を営み、9年前に貿易販売を行っていたフィリピンを訪問。当時、東南アジア最大のスラム街と言われたトンド地区に住みながらボランティア活動を続ける日本人消防士と出会いました。「彼は給料のほとんどを子どもたちのために費やし、その姿を見て私も応援したいと思いました」。
帰国後、お菓子や友人に呼びかけて集めた古着などを届けました。「何を送っても喜んでくれてうれしかった。でも送料がかさみ、あっという間にお金がなくなりました」。

利用しやすい仕組み作り 海外支援組織を設立

「このままでは活動ができなくなる」と翌年、新しい仕組みを導入した海外支援組織「ワールドギフト」を設立。段ボール箱に詰めた物資を、海外輸送費などを含む同一料金で自宅まで取りに行くシステムを考案し、運送業者に相談しました。
しかし「実績がなく特別なことはできないと言われ、当初は依頼者に代わって全国の業者に集荷を手配。すると次第に話を聞いてくれるようになり、1か月間に扱う数が1000個を下回らないなどの条件で契約にこぎつけました」。
現在、大手2社と契約。「コンテナの空きスペースを提供してくれる輸出企業もあり、輸送費がほとんどかからない物資も増えています」。

海外との調整で昼夜逆転も 世界88か国に支援

扱う物品は衣類や台所用品、おもちゃなど様々。企業の現地駐在員などの協力もあり、孤児施設や学校、教会など88か国に届けてきました。6年前にはニカラグアの施設にランドセルを寄贈。「背負って買い物に行く女の子もいるなど、日本の小学生たちを見守ってきたランドセルが最高のプレゼントになっています」。
支援先との連絡で昼夜逆転の生活も多く、「活動を続けられるのは妻の理解と支えがあってこそ」と奈月さん(44歳)に感謝。同じ寝屋川高校出身の弟・雄策さん(44歳)も管理作業を担い、支援先を訪れて現地スタッフと活動することもあります。

活動の輪を広げ「世界に贈り物届けたい」

海外支援を始めて来年が区切りの10年。「先生のような存在」と慕った日本人消防士ががんで亡くなったときは落ち込んだそうですが、「彼を知る人たちが活動を引き継ぎ、今も協力してくれています」。
さらに「都市から離れた小さな村でも賃金が得られる仕組みを作りたい」と青写真も描き、ガーナやトーゴにはミシンを備えた施設を開設。作った衣類をマーケットで売り、新たな収入源にしてもらう計画です。
「日本から世界に贈り物を届けたい」との思いで名付けた<ワールドギフト>。昨年、NPO法人化もし、「活動の輪をもっと広げ、少しでも貧困をなくしたい」と語ります。

私とふるさと

寝屋川高校には平成3年に入学しました。雨の日も風の日も、約25分かけて自転車通学をしていました。
学校の帰りには、よく友人と寝屋川市駅前の「アドバンスねやがわ」やファストフード店に集まって遊んでいたのを思い出します。
今でも時々、寝屋川市駅の周辺を通ることがあります。駅は大きく変わり、開かずの踏切もなくなりましたが、駅の近くに行くと何とも言えない懐かしい気持ちがします。
初詣は成田山不動尊へ行くのが恒例の行事になっています。

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更新日:2021年11月25日