令和3年11月号 「ペン1本で心が落ち着く」 ゼンタングル認定講師 ダヌコンダ真理さん(54歳)

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ノルウェー人宅で開かれた教室

ノルウェー人宅で開かれた教室

表紙にゼンタングルの模様が描かれた入門書

表紙にゼンタングルの模様が描かれた入門書

小さな紙に模様を描いていくゼンタングル。16年前に移り住んだインドで出会ったアート画法に魅せられ、日本人2人目のゼンタングル認定講師として各国からやって来た駐在員の家族たちに教えていました。

インド生活8年目 渡米し、講師資格を取得

ゼンタングルを知るきっかけは、学生の頃から興味があったインドの民俗画でした。生き生きとした色遣いが大好きだったといい、夫の仕事の関係でインドの国際都市・バンガロールに移住すると独学で民俗画の勉強を始めました。
つらいことがあったある日のこと。気を紛らわすために複雑な模様の民俗画を描いていると、不安な気持ちがなくなりました。この出来事がきっかけで模様への興味がどんどん強くなり、インターネットで見つけたのがアメリカ人夫婦のリック・ロバーツさんとマリア・トーマスさんが考案したゼンタングルでした。
そのホームページで確認すると、まさに自身が体感した描画法でした。「私と同じことを考えて作った人たちがいる」と感激し、講座を受けるために渡米。インド生活8年目の年にゼンタングル講師の資格を取得し、「夫や息子たちの協力があったおかげ」と家族への感謝も忘れません。

駐在員の家族らに評判 国際色豊かなクラスに

「ゼンタングルは年齢や技術に関係なく、美しい作品に仕上がります」。数人の生徒で始めた教室は口コミで評判となり、20クラスにも。世界中から集まった駐在員の家族が多く、「国際色豊かな人間関係を築くことができ、楽しくやっていました」。
教室は癒しの場でもありました。「バンガロールは温暖な気候が魅力ですが、断水や停電は度々。生活は大変でしたが、おしゃべりや描くことでストレスを発散していました」。
子どもの長期休暇には一時帰国し、実家がある高松市などでも指導。出版社の依頼で入門書『ペン1本で心が落ち着くゼンタングル 描き込みBOOK』(翔泳社)も出しました。

長男の大学進学で帰国 「将来、病棟の子どもたちにも」

ところがコロナ禍で行き来が難しくなり、「自宅から出られず本当につらかった」というロックダウン(都市封鎖)も経験。多くの駐在員は自国に戻り、ダヌコンダさんも昨年10月、日本の大学に進学が決まった長男と帰国しました。
筑波大学の大学院で美術を専攻し、東京の高校で教壇に立った経験を生かして20年ぶりに現場に復帰。臨時的任用教員として生徒たちとゼンタングルを楽しんでおり、「将来はボランティア活動で小児病棟の子どもたちにも教えたい」と夢を語ります。

私とふるさと

寝屋川市で生まれて5歳まで暮らし、父親の仕事の関係で札幌と高松に引っ越しました。
母親によると、寝屋川市では文化住宅に住み、遊び場はもっぱら自宅前の道路でした。周りにまだ多くの田畑があり、寝屋川高校近くの畑でレンゲを摘んで花輪を作って遊んでいました。
ちょうど高度経済成長を遂げていた頃で、光化学スモッグ注意報が出ると、母親は幼稚園に姉を迎えに行っていたそう。普段は近所の人たちと市場へ買い物に出掛けたり、お風呂屋さんに行ったり。短かった寝屋川市での生活でしたが、人と人との関係も濃密で、いい時代だったんだなあと思います。

ゼンタングルとは

ゼンタングル(Zentangle®)はzen(禅)とtangle(絡む)を組み合わせた造語。模様を描くことでストレス解消やリラックス効果があるとして日本でも人気が高まっています。

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更新日:2021年10月26日