令和3年10月号 動物の幸せ追い求め 天王寺動物園動物専門員 棚田麻美さん(36歳)

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牛の仲間のエランドに園内に生えている木の枝を与える棚田さん
カバのテツオをなでる棚田さん

カバのテツオをなでる棚田さん

自宅から電車で1駅のところにあった大阪市の天王寺動物園。物心ついた頃から通った棚田麻美さんは、動物専門員として動物たちの健康で幸せな暮らしを追い求めています。

憧れの動物園 専門職員で夢かなう

「将来は動物のお医者さん」。幼稚園の卒園アルバムにつづった小さい頃からの夢を追いかけ、大学の獣医学部をめざしました。しかし二浪して挫折。大阪府立大学の生命環境科学部に入り、2年生のときでした。大学の掲示板で同園のアルバイト募集を見つけ、面接を受けて合格。飼育員と話すうちに「私も飼育員に向いているのでは」と猛勉強し、平成22年6月、世界有数の水族館「海遊館」に就職しました。
アシカやラッコを担当し、新施設の開設にも携わりましたが、3年前、天王寺動物園が全国に先駆けて動物専門員を募集。「受けないと後悔する」と応募して採用され、専門職員として歩み出しました。

飼育員と協力し動物の環境を改善

ここ数年、動物がより幸せに暮らすために環境を整える「環境エンリッチメント」がキーワードになっています。同園にいる約180種類の動物全体に目を配る棚田さんは「飼育員と協力しながら環境の改善に努めています」。
例えば、アムールトラの雄として国内最高齢だったセンイチ。冬は暖房の効いた獣舎で飼っていましたが、「本当に暖かい所が好きなの?」と話し合っていました。
そこで昨冬、屋内外を自由に行き来できるようにして観察。すると大方の予想に反して、雪が降る屋外で過ごすことがありました。
「動物にとっての幸せは分かりにくく、いろいろな行動を分析し、生活の質を高めることが私たちの使命です」。大学では食品栄養学などを学んだ棚田さん。「動物の栄養についても分からないことがいっぱい。動物の幸せは栄養や健康の先にもあると思っており、いろいろな面から取り組みたい」と目を輝かせます。

動物たちの動画も発信 登録者コロナ前の15倍に

こうした動物福祉の取り組みを来園者に知ってもらうことも大切な仕事です。しかし今はコロナ禍で直接呼びかけることはできず、オンラインによるイベントやSNSで発信。動物の様子も紹介してきましたが、「動画チャンネルの登録者がコロナ禍の前に比べて15倍も増え、多くのファンに楽しんでもらっています」。
コロナ禍の前は、休みを利用して各地の動物園を巡っていたという棚田さん。「私がいてよかったなと、動物たちが楽しめる、そんな環境を作りたい」という言葉に、動物への温かさがこもっていました。

私とふるさと

寝屋川市に2度、合わせて約5年間住んでいました。ちょうど海遊館に就職したときと天王寺動物園に転職したときです。
最初は大学4年生のときに学生寮を出ることになり、友人と2人で堀溝のアパートへ引っ越し。2度目は御幸東町のマンションに住み、吹田市に開館した海遊館の新施設のニフレルに通っていました。
寝屋川市はまだまだ自然が残っており、街中に寝屋川が流れているおかげで多くの野鳥を見かけました。木屋元町の生物多様性センターの近くの池では淡水にすむマミズクラゲが時々発生し、海遊館にいた頃によく捕りに行きました。

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更新日:2021年09月24日