平成31年3月号 「女性が輝ける料理界に」期待の若手シェフ 山本紗希さん(35歳)

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コックコートにコック帽を被り調理場に立っている山本紗希さんの写真
賞状ホルダーなどを持ち笑顔で写っている山本さんの写真

岸朝子賞を受賞し、笑顔の山本さん

器に盛られた伊達鶏、和紅茶とイチジクのオマージュの写真

伊達鶏、和紅茶とイチジクのオマージュ

 「一番欲しかった憧れの賞をいただき光栄です」――。次の世代を担う料理人を発掘する国内最大級のコンペティション「RED U-352018」で、ホテル「コンラッド東京」の山本紗希さんが、最上位の女性に贈られる岸朝子賞を受賞しました。小学生の頃、寝屋川公園でどんぐり拾いや竹やぶの探検に夢中だった少女は今、期待の若手のシェフとして注目されています。

料理スタイルは「物語のあるお皿」3度目の挑戦で栄冠

 「料理人として自分の実力を試したい」と挑んだこのコンペティションは、35歳以下という年齢制限もあり、3度目で最後の挑戦でした。
 審査は昨年5月の1次から11月の最終まで半年間に及びました。国内外の12か国から567人が参加する中、フランス料理が専門の山本さんが物語のあるお皿という料理スタイルと技を存分に発揮したのは、鶏肉を使って1時間以内に13人分の料理を完成させる3次審査でした。
 物語を一皿に込めたテーマは「伊達鶏、和紅茶とイチジクのオマージュ」(左下の写真)でした。「和紅茶の生産者に会いに行ったときの静岡の印象深い風景を表現。農家の人の思いがこもったおいしさを伝えたかった」といいます。

中学生でお菓子作りに熱中「将来は料理人に」

 市内で生まれ育った山本さんが料理に興味を持ったのは、中学生のとき。「中学生の頃はお菓子作りに夢中になり、忙しい母親を助けるために晩御飯の手伝いもしました」。母親の伊津美さんは「喜ぶ家族の笑顔がうれしかったのでしょう。手先が器用で探求心も旺盛な子でした」。自転車でよく市立中央図書館に出かけ、両手で抱えるほどの料理の本を借りてきたそうです。「将来は料理人に」と思うようになったのもこの頃でした。
 大学を卒業し、一度は大手広告代理店に就職しましたが、「(広告は)やりたい仕事ではありませんでした」。1年足らずで会社を辞め、23歳で憧れていた料理人の世界に飛び込んだのです。

「女性が活躍できる社会を」自身もスキルアップの日々

 「歴史と文化に育まれ、知れば知るほどおもしろい」というフランス料理の道を歩んで12年。最近は「料理人という職業の地位がもっと上がり、女性が活躍できる料理界になって欲しい」との思いを強くしています。
 ソムリエやチーズプロフェッショナルの資格も取るなど、自身の「ブランドアップ」のために努力を惜しみません。昨年開かれたヒルトングループの大会ではカリナリー(料理)部門で優勝。RED U-35でも「賞を取るために頑張ってきます」と職場の上司と約束し、有言実行の受賞に「日々技術を磨き、知識を増やすことに努めてきた結果だと思います」と山本さん。
 今回の受賞をきっかけに、「西武鉄道 旅するレストラン『52席の至福』」で出されるブランチコースを監修することになりました。まだまだ女性シェフが少ない中で、夢は料理長。更なる高みを目指しています。

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更新日:2021年07月01日