平成30年11月号 「戻りたいと毎日思う快適なまち・寝屋川」 地方競馬ジョッキー 石堂響さん

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緑色と浅黄色の勝負服を着た石堂響さんの顔写真
競走馬の背に騎乗し、レースに参加で走っている騎手の方々の写真
葦毛の誘導馬に乗っている女性、その後ろから馬を誘導している人、馬の背に乗っている騎手の写真

先導に続いて入場する石堂さん
(緑色と浅黄色の勝負服)

君はいつか騎手になる

 午後から雨が降りしきり、馬場の状態が「稍重」から「重」に変わった園田競馬場。9月26日の第9レースに石堂響さんは、緑色と浅黄色のツートンの勝負服をまとい、ゼッケン1番の競走馬にまたがります。しばらくしてゲートが開くと、12頭のサラブレッドは一斉に泥だらけのダートを疾走していきました。
 「君はいつか騎手になるかも」―。小学校2年生の頃、国松町にある駄菓子屋で買った、10円のラムネ菓子。その景品の「占いカード」に、そう記されていたことで職業を決めた石堂さん。人気テレビ番組でも紹介された、まるで映画のような逸話です。名馬・オグリキャップの「追っかけ」の経験もある実母の応援もあって、騎手への夢を「机に『占いカード』をはさんで心に誓った」と、振り返ります。
 市立第六中学校の卒業を控え、JRA競馬学校にチャレンジするも実らず、栃木県にある地方競馬教養センターで2年間の訓練期間を経て、ライセンスを取得しました。今年から全国15ある地方競馬のひとつ、兵庫県競馬組合に所属し、園田競馬場で年間35勝という新人騎手記録を樹立します。「新人騎手に与えられた重量ハンデが3キログラムあるから勝てているだけで、実力はまだまだ」と控えめです。
 レースの騎乗条件には、騎手の体重と装備品などを合わせた重量制限があり、騎手の体重制限は不可欠。石堂さんも小柄な体型で比較的恵まれていますが、「体重計に乗って理想よりオーバーしていると、食事を抜いて」調整しています。

深夜1時に競走馬の調教

 西脇市にある、宿舎兼トレーニングセンターでは「夜8時に寝て、深夜1時から競走馬の調教を始めます。(競馬の)開催日は朝7時、それ以外の日は9時まで、1頭につき20分間隔で調教するのが日課です。週1回の休日もほとんど遊ぶこともなく、騎手になって以来、寝屋川には一度も帰っていません」と言います。
 そこで寝屋川市のことを聞いてみると「寝屋川まつり、ビバモール、駅前図書館、快適でいいまち。戻りたいと毎日思います」と、19歳の石堂さんは、少し郷愁を帯びて目線を上げました。
 兵庫県競馬組合企画広報課の手塚誠さんは「石堂さんは言いませんでしたが、勝負服の緑色と浅黄色のツートンカラーは何度も競馬場に足を運ぶお母さんの緑子さんと妹の浅黄さんの名前に因んで決めたもの」と、家族への密かな思いを明かしてくれました。
 週3回、年間163日開催される園田競馬場、1日に4~5回騎乗する過酷な日程ですが、「レースに勝った瞬間が最高」と、プロ意識の高い石堂さん。第11レースにはゼッケン3番のくらにモンキー乗りで、土砂降りの雨の中を駆け抜けました。

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更新日:2021年07月01日