位置情報を活用した人流分析
新型コロナウイルス感染症の急速な拡大を踏まえ発令された緊急事態宣言による、寝屋川市内4駅(寝屋川市駅、香里園駅、萱島駅、寝屋川公園駅)周辺での人流の抑制効果を検証しました。また、寝屋川市内4駅周辺における人流、滞在状況等を把握することにより、駅周辺での効果的な周知・啓発活動、情報発信等の施策・事業への展開につなげるために実施しました。
分析の概要
分析地点
寝屋川市内4駅における半径100m以内(寝屋川市駅、香里園駅、萱島駅、寝屋川公園駅)
分析方法
分析ツールにおいては、株式会社KDDIが提供するKDDI Location Analyzerを使用
auスマートフォンから得られるGPSの位置情報/属性情報を基に、公的人口の推計を参照して拡大処理された人口データを活用
分析期間
平成30(2019)年11月1日から令和4(2022)年2月6日まで(829日間)
主に緊急事態宣言中及び宣言解除後の人流の変化等を踏まえた内容について、別途データを分析しレポート化した。
※大阪府における緊急事態宣言期間
1.令和2年4月7日~5月21日(1回目)
2.令和3年1月14日~2月28日(2回目)
3.令和3年4月25日~6月20日(3回目)
4.令和3年8月2日~9月30日(4回目)
分析結果
〈4駅共通の傾向〉
・寝屋川市内4駅周辺における通行者数は、いずれの駅周辺でも金曜日が最も多く、次いで火曜日、又は水曜日が多い。
・15分以上の滞在人口は、寝屋川公園駅周辺では男性が多い一方、その他の駅周辺では女性が比較的多い。
・平日の通行者数について、いずれの駅周辺においても1回目のピークは7時から8時が多く、2回目のピークは寝屋川市駅、香里園、萱島駅周辺では17時から19時
・一方、寝屋川公園駅周辺では17時から18時と、他の駅周辺と比較して1時間早くピークを終える傾向にある。
・いずれの駅周辺もピーク時は20代から60代が多い。(9時から17時又は18時までは、70代以上が多い。)
・土曜日、日曜日になると、日中の通行者は40代女性が比較的多い。
〈緊急事態宣言下の人の流れ〉
・第1回目の緊急事態宣言期間において、市内いずれの駅周辺での通行者数は、調査 期間中で最も少ない状態となっており、宣言発令による人流抑制効果は非常に大きいと考えられる。
・緊急事態宣言2回目以降は、宣言期間中であるにもかかわらず、駅周辺の通行者数の減少幅は小さく、宣言発令による人流抑制効果は第1回目と比較して大きいとはいえないことが考えられる。
・緊急事態宣言の期限の延長、宣言の終わりが見えない状況等から、宣言に対する意識の希薄化、自粛疲れが現れ始めたことが考えられる。
・緊急事態宣言による人流抑制効果については、宣言が発令されるたびに弱くなっていることに加え、何度も期限の延長を繰り返されることが効果を低下させてしまっていることが考えられる。
更新日:2022年04月08日