令和7年度市政運営方針(令和7年2月25日)

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令和7年3月市議会定例会における広瀬慶輔市長の市政運営方針です。(令和7年2月25日)

本日、3月市議会定例会に当たり、令和7年度の「市政運営方針」を申し上げます。

市政運営方針では、私が市政を運営していく考え方を御説明する必要があると考え、令和6年度は、市の政策を、「全国のスタンダードとなる『寝屋川水準の政策』」、「市特有の課題等を解決する政策」の2つに体系化して御説明申し上げましたが、令和7年度は、これまで一貫して取り組んできた「2つの危機」への対応をロジックツリーに整理し、具体的にお話ししたいと考えております。

私は、令和元年5月に第9代寝屋川市長に就任し、令和5年4月に改めて多くの市民の御信任をいただき市長に再任され、7年目の市政運営方針となります。

市長就任から、約6年、今まで一貫して取り組んでまいりましたのは、本市が直面する「2つの危機」である「市民サービスの危機」と「公共施設・都市インフラの危機」への対処でした。

1つ目の危機である「市民サービスの危機」は、シルバー世代の人口割合が急速に増加することで、今後、税収が減少する一方、社会保障関連のコストが大幅に増加し、近い将来、市の経営を圧迫する可能性があることです。

昭和35年に5万人程度だった本市の人口は、15年後の昭和50年には25万人を超え、人口増加率は日本一を記録しました。当時の本市の人口のボリュームゾーンであった若い世代が、現在、一斉にシルバー世代となっていることから、人口の年齢構成のバランスは、他の自治体と比べてもいびつなものとなっております。

2つ目の危機である「公共施設・都市インフラの危機」は、今後、一斉に耐用年数を超えてくる公共施設等の維持・更新のための財政支出の急増が想定されることです。

昭和35年当時、人口5万人の本市が、短期間で20万人もの新住民を迎え入れたため、学校を始めあらゆる公共施設が不足し、都市インフラの整備についても急ピッチで対応する必要がありました。そのため、短期間で集中的にこれらの整備をしたことから、約50年がたつ今、多くの施設で老朽化が進んでおり、これらの改修や更新の時期を次々に迎えることになるためです。

このように「2つの危機」は本市が市制施行して以降、急速な成長を遂げた過程で「運命付けられた」課題であります。

まず、「市民サービスの危機」を回避するためには、担税力のある子育て世代に本市へお越しいただき、「人口の年齢構成のリバランス」を行うこと、また、「公共施設・都市インフラの危機」を回避するためには、今後20年間で公共施設の維持・更新に必要な費用、約1,900億円の財源を捻出することと、圧縮することの2つが不可欠なのです。

だからこそ、私は、この「2つの危機」を本市の存亡がかかった喫緊の課題と捉え、その危機回避を市政目標に掲げてまいりました。この考えは現在も一貫しており、今日に至っております。

【新たな競争優位「安心して学べる教育環境」と「特色ある質の高い教育」】

1つ目の危機である「市民サービスの危機」の回避には、「人口の年齢構成のリバランス」が必要と申し上げました。

私は、市長就任後すぐに、本市の現状について様々な分野の職員からヒアリングし、情報のアップデートを図る中、担税力のある子育て世代に選ばれ、「人口の年齢構成のリバランス」を図るため、いかに本市の競争優位を確立することができるかを考えました。

担税力のある子育て世代が住むまちを選ぶ際に重視するポイントとして、一般的に子育てに適した緑や公園、街並みなどといった「住環境」が挙げられます。この点においては、残念ながら本市よりも優れた経営資源を有しているまちは多くあり、本市がそれを上回る「住環境」における競争優位を確立するために、街並みやインフラ整備などを新たに行うことは、膨大な費用と時間を要します。

本市の「2つの危機」への対処は待ったなしであり、限られた財源で短期間に実施する必要があることから、担税力のある子育て世代が住むまちを選ぶ際に重視するポイントは他にないのか、本当に「住環境」だけなのか検討をいたしました。

特に担税力のある子育て世代にとって、「住環境」と匹敵して重視するポイントとして可能性を秘める分野を様々な観点から検討し、一つの分野を見出すに至りました。

それは、「教育環境」であります。私は、この分野であれば、本市において、比較的短期間で競争優位を生み出すことが可能であると、市の「経営者」としての判断をいたしました。

では、どのような「教育環境」が、担税力のある子育て世代の方に望まれ、求められているのか。私は、それは「安心して学べる教育環境」や「特色ある質の高い教育」であると考えました。その上で、その期待に明確に応え、他の自治体に対し、本市が競争優位を確立できる政策課題を抽出しました。

【「安心して学べる教育環境」】

まず、「安心して学べる教育環境」であります。いまだ解決されていない全国共通の重大な課題であり、子育て世代にとって大変関心の高いテーマとして「いじめ」の問題があります。

「いじめ」は、何十年という間、重大事案や事件が発生するたびに取り上げられ、その都度、学校や第三者委員会等の対応が報道されてきました。そして、どれもが十分な納得感を得られぬまま収束し、また同様の事案が繰り返されていました。

市長として“まちの経営”を担う私には常に経営の観点が必要になります。この「いじめ」に対しても、同様であります。

つまり、「いじめ」を課題とし、対策を講ずることは、二つの意義があります。第一義として、言うまでもなく、本市の子どもたちの命と尊厳を守り、「安心して学べる教育環境」を作ることであります。

そして、市長として経営の観点からは、もう一つ、本市が担税力のある子育て世代から「選ばれるまち」となるための競争優位を有する「新たなサービス」としての側面を持つということです。

長い期間、国も他の自治体も専門家も答えを出せていないこのテーマに本市が挑戦し、明確な答えを導き出す政策を打ち出すことで、本市の子どもたちの命と尊厳を守り、全国に先駆け「安心して学べる教育環境」を提案することが、本市の競争優位の確立につながると判断し、注力することとしたのです。

まず、なぜ長年、「いじめ」の問題がなくならないのか、その原因を突き止めることから始めました。問題へのアプローチを間違えている可能性はないかと考えました。「いじめ」の対応不備が指摘される際に、担任を始め学校現場の対応や教育委員会の在り方を問われることがあります。しかし、本当にそうした人為的な対応の問題に矮小化されてよいのでしょうか。単に、人の問題であれば、制度化等で対応でき何十年も解決されずに今日に至ることはなかったのではないでしょうか。人為的な問題ではなく、構造的な問題ではないかと仮説を立て、これに基づき、政策の制度設計を始めました。

そこでまず、私は、教育委員会や学校による通常の「いじめ」対応を、教育的な指導による「人間関係の再構築」と定義し、「教育的アプローチ」と名付けました。これは、言わば時間を掛けて行う体質改善のようなもので、例えるならば、投薬による“内科的治療”に近いものです。「いじめ」認知件数の99パーセントは、この「教育的アプローチ」で解決されています。しかし、教育的な指導による「人間関係の再構築」である「教育的アプローチ」には、例えば、今日、「いじめ」があったとして「明日から仲直りして解決」とならないケースもあるのです。ときには時間を要する「教育的アプローチ」には、解決に長い時間が必要となるデメリット、言わば副作用があるのです。

この長期化こそが、「いじめ」問題の深刻化や、教職員・学校と児童生徒・保護者との信頼関係が損なわれる大きな要因ではないかと考えました。

そこで、「教育的アプローチ」で解決できない1パーセントに対応するため、市長部局において、「いじめ」を人権問題と定義し、「いじめ」を即刻停止させる役割を担う「監察課」を危機管理部に設置し、こうした仕組みを「行政的アプローチ」と定義しました。これは、言わば“外科的治療”です。加えて、それらのアプローチを行ってもなお、十分な解決が見られない事案については、賠償請求等の民事訴訟や警察への告訴を支援する「法的アプローチ」も用意しました。

この「監察課」を始めとする「行政的アプローチ」と「法的アプローチ」の導入は、私が市長就任から約5か月以内の動きであります。

これが、後に、国や海外から「寝屋川モデル」として注目を集めることとなった、本市の「いじめ」対策への取組の始まりであります。

【「特色ある質の高い教育」】

「いじめ」のない環境が確立されているという前提で、公立でも他にない「質の高い教育」を受けることができる。この「教育環境」を整え、提供することこそが、担税力のある子育て世代から「住みたいまち」として位置付けられるために重要となります。

私が市長に就任した当時の本市は、市立小中学校において各校がそれぞれ違う特色を持った教育を行っていました。

私は、市外の担税力のある子育て世代から「住みたいまち」として選んでもらうためには、寝屋川市の「個別の学校」ではなく、「寝屋川市の教育」を認識していただくことが必要であると考えました。

そこで「寝屋川市だから」学ぶことができる「寝屋川教育」の特徴となる柱を立てるため、抜本的な改革を行うこととしました。

今、家庭環境の多様化や差が生じつつあり、これによる子どもたちへの影響も懸念されます。このような時代にあっても、子どもたちが、自らの人生を切り拓き、それぞれの夢に向かい、たくましく生き抜くためには、どのような「教育」が必要となるのか。

私は、子どもたちが、膨大な情報の中から何が正しいのかを見極め、自ら考えを持ち、「精神的な自立」を得ることこそが、家庭を始めとした子どもたちを取り巻くあらゆる周辺環境からの影響を排除し、生き抜くために重要であると考えました。

そのために必要なのが、論理的思考の確立です。また、論理的思考の確立によって、学力向上も期待できます。

そこで、学校等において対話の機会や議論の時間を意図的に増加させることとしました。さらに、単に対話するというだけではなく、自ら情報を収集し、思考し、自分の考えを表現する。この一連のアクションを行い、論理的思考を育てる「ディベート教育」を本市に導入することとしたのです。

令和2年3月、本市の「教育大綱」を全面改訂し、「ディベート教育」等を取り入れた「寝屋川教育」を新たにスタートさせました。これらは、私が市長に就任した最初の1年以内での動きであります。

令和7年4月からは、これまで小学4年生から6年生、中学生で行っていたディベートの授業を、小学1年生から3年生にも拡充します。

さらに、幼児期から十分に対話や議論の時間を確保し、市立小中学校で進めている「寝屋川教育」につながるよう、令和5年3月に「寝屋川市就学前教育・保育プログラム」を策定し、エージェンシー型の就学前教育を展開することとしました。こうした0歳から15歳までの一貫した「寝屋川教育」を推進するプログラムにより、本市は「教育環境」における競争優位の構築を進めています。令和7年度から、全市立小学校の留守家庭児童会にも導入する予定としております。

そうした「寝屋川教育」をより効果的に実践していくためには、子どもたちがより多くの情報に触れ、自ら思考し、自ら学びを得る機会を設けることが有効であり、そのための周辺環境を整えることも重要となります。そこで、「ディベート教育」を支える取組として、寝屋川市駅前において「新中央図書館」を開館する際に、学校司書の事務所を「新中央図書館」に設け、ディベート教育のシンクタンクとしての機能を持たせるとともに、企画展の実施による学校図書の積極的な入替えを行うなどの環境整備を行いました。

さらに、「寝屋川教育」を現場で実践するのは、教職員です。「特色ある質の高い教育」を提供するためには、教職員が「寝屋川教育」の実践を行うための準備やスキルの習得、何より子どもたちと向き合う時間を確保することが不可欠と言えます。だからこそ、教職員の働き方を見直すことを目的として、「部活動指導員派遣事業」や「監察課」の設置など、教職員が、教員免許がなければできない仕事に、より注力することができる体制整備を同時に行うこととしました。

このように、市長就任以降「寝屋川教育」を展開し、約5年がたちました。この間、コロナ禍の中、想定外の様々な制限や対策を講ずる必要があり、これらの取組の実施は非常に困難な状況にありましたが、体制を整え、現場の教職員や教育委員会の協力により、着実に取組を積み重ねてきたことで、ここ数年の「全国学力・学習状況調査」及び「学習到達度調査」において、市立小学校・中学校ともに成績の上昇が顕著となり、学校現場からの評価も高く、今後、更なる効果が表れるものと考えております。

【担税力のある子育て世代の受皿となるまちのスペースの確保】

「人口の年齢構成のリバランス」を成し遂げるためには、「教育」における「新たな競争優位」をもって、担税力のある子育て世代を呼び込むだけでは足りません。その方々を受け入れるまちのスペース、受皿としての住まいを同時に作り出す必要があります。

本市は、およそ縦6キロメートル、横4キロメートル、面積24平方キロメートルの大変限られた市域に、約23万人の市民が生活している、全国有数の人口過密のまちです。50年前の本市の人口急増期に、人口5万人から25万人となったことを先ほど申し上げました。同時期に25万人となった枚方市の人口はその後、40万人以上に増え続けたにもかかわらず、本市の人口増は止まりました。これは、開発余地がなくなったためです。

人口密度が高く、開発余地もない本市において、一度人口増が止まった流れをもう一度動かし、人口の増加、新たな受皿の確保を行うことが、いかに困難なことであるか、お分かりいただけるかと思います。

私は、担税力のある子育て世代の受皿となる可能性のある地域について、市内を様々な観点で検証いたしました。既に開発等は困難とされていたエリアも含め、都市計画等による設定や規制の見直し、関係者や関係機関との協議を行政として主体的に判断し、積極的に関与することで、民間事業者だけでは難しい開発を可能とすることができると考えるに至りました。そこで、私は、検証結果を踏まえ、全体として9つの「ポテンシャルエリア」を設定いたしました。

9つの「ポテンシャルエリア」について、中心部となる4駅周辺から見ていきたいと思います。

「香里園駅周辺エリア」については、既に子育て世代から「選ばれるまち」となりつつあり、民間事業者による「住みたいまちランキング」等において、常に上位に名前が挙がっていたエリアです。そのことを踏まえ、このエリアでは、京阪本線連続立体交差事業の着実な促進を図り、高架下の有効活用を進めるとともに、今後は、香里園エリア全体の再ブランド化に着手し、特に「山の手」への誘引を進める必要があります。

「寝屋川公園駅周辺エリア」「寝屋川公園駅西エリア」については、担税力のある子育て世代に選ばれる重要なポイントとなる「公園」として、広大で多機能な寝屋川公園があり、統廃合予定の市立小中学校がありました。数ある公共施設の中で、人が住みたいと思う要因になる公共施設は限られており、それは「公園」と「学校」です。既に経営資源として優位性を持つ寝屋川公園に、経営資源として優れた新たな「学校」を造ることで、これらを複合的かつ相互に地域の価値を高め合う設定を行えば、本市を代表する子育て環境エリアとしてブランド化も可能であると判断しました。

そこで、日本を代表する建築家の隈研吾氏が設計監修した、新たな時代の価値を提案する施設一体型小中一貫校「望が丘小学校・中学校」を整備しました。今後は、第四中学校跡地や市営明和住宅の集約建て替え後について、比較的、駅から近いエリアについての土地利用を積極的に進めていくことになります。

これまでの取組の成果として、今、このエリアは市内で最も人口増加が顕著なエリアへと、変わりつつあります。

「寝屋川市駅周辺エリア」については、京阪本線屈指の乗降客数に比して、駅周辺の滞留人口に課題があると言われてきました。当エリアについては、市域の中心に位置する地勢や交通結節点であることを踏まえ、「行政の首都」をコンセプトに、「ターミナル化構想」に基づき、全ての市民が利用するサービスや、市民の利用頻度の高い市民サービスを集約し、駅周辺にメインアイコンとなる「こだわり」の施設を配置する「まちのリノベーション」を進めることとしました。

この「ターミナル化構想」第1弾として、令和3年8月に開館した「新中央図書館」は、全国自治体や関西を代表する私立大学が視察に訪れるなど、市内外から高い評価を得ることができております。また、多くの市民から喜びの声が寄せられています。

これに続き、旧大阪電気通信大学駅前キャンパスを取得し、「全ての行政サービスにつながる入口」「様々な相談を解決につなげる扉」として整備してまいりました「寝屋川市サービスゲート」が、本年5月に、オープンいたします。

さらに令和7年度には、駅前のアドバンスねやがわ1号館において、中央高齢者福祉センターの中核施設としての機能を融合し、多世代が利用・交流できる生涯学習施設と小規模・多機能型スポーツ広場の整備に向けた準備を進めていきます。

また、令和8年春には、昨年12月に閉館した寝屋川市駅前図書館を、子育て支援機能を併せ持ち、子どもの学びと成長を支援する「(仮称)こども専用図書館」としてオープンいたします。

今後は、長年取り組んできた対馬江大利線の整備によって、より利便性と安全性が向上することと合わせて、西側駅前広場の復旧とともに、市の玄関口としてふさわしい東西駅前空間のリニューアルにも着手していきます。これら「ターミナル化構想」に基づく取組によって、「行政の首都」にふさわしいエリアへと変化させていく必要があります。

「萱島駅周辺エリア」については、経営資源の観点から見たとき、寝屋川公園駅周辺のように駅近くの緑豊かな公園はなく、また、寝屋川市駅のように市域の中心に位置するという地勢や交通結節点といった特性があるということもありません。

他の市内駅前に比して、担税力のある子育て世代への訴求に有効な経営資源が少ないことから、「ポテンシャルエリア」としての活用は、困難な状況とも言えます。しかし、視野を広げてみると、少し駅からは距離があるものの、西日本最大規模とされるイオンモール四條畷や南寝屋川公園は経営資源となりうるものです。また、駅前の下町の雰囲気や空き店舗なども、その利活用によれば経営資源となりうるもので、その雰囲気を残しつつ、市内外から若者が集う新たなまちの魅力を創出することが可能かもしれません。

このように、今ある経営資源を活かした「まちのリノベーション」を行うことは困難でも不可能ではないと判断し、「かやしまリノベーションプロジェクト」を立ち上げ、現在、「まちづくりの将来ビジョン」に基づく、まちづくりを進めているところです。

「寝屋二丁目・寝屋川公園エリア」については、まず、寝屋二丁目エリアは、第二京阪道路沿道のまちづくりに向けた検討が進められていましたが、事業推進には国費の獲得が欠かせない中、補助対象要件に該当せず、事業化は難しいとされていました。しかし、私は、当エリアに隣接している寝屋川公園未整備区域も含めたエリアとして考えると、JR学研都市線の快速停車駅である星田駅、広大で多機能な寝屋川公園、徒歩圏にある大型商業施設といった、選ばれる「住環境」としてのポテンシャルを有すると判断し、対応を検討しました。地権者の意向を踏まえ、寝屋二丁目・寝屋川公園エリアとして一体となったまちづくりを進めることで補助対象要件を満たし、事業化への流れを作り出すことに成功したのです。

「国松エリア」については、国松公園の都市計画決定がなされており、大半が生産緑地であったことから、竹林やため池など、いまだ有効な利用がされていない状況にありました。しかし、総合的な観点から見ると、周辺環境と調和した良好な住宅地となるポテンシャルを十分に有していると考え、都市計画を見直すとともに、土地区画整理事業により、道路の接道がないという開発上の課題も解決することで、令和8年度のまちびらきへとつなげることとしました。

そして、「幸町エリア」については、長らく本市にある大阪公立大学工業高等専門学校が令和9年4月に移転を予定しています。その跡地は、寝屋川市駅に近く、国道170号と一級河川寝屋川に囲まれた利便性を有する市内有数の開発可能エリアとなります。この移転は、住宅を始めとする新たな市街地を創出するチャンスと捉えることができると考えました。高等教育機関を失うことはマイナスですが、逆転の発想で、人口や税収の増加など、マイナスを上回るチャンスとすることは十分可能です。そして、今、広大な敷地等の、住宅を始めとする新たなまちづくりを進めるべく、土地所有者である大阪府との協議を進めているところであります。

現在、これらの9つの「ポテンシャルエリア」については、5か所での事業着手、3か所での事業化に向けた取組により、90パーセントを超える進捗を達成しております。今後の本市における担税力のある子育て世代の受皿の準備は着実に進んでおり、近い将来、本格的な受入れが始まるものです。

【変化の兆し1】

市長就任以来、取り組んでまいりましたこれら「新たな競争優位の確立」「受皿の創出」に向けた政策展開によって、既に本市に「変化」の兆しが表れつつあります。

本市の人口動態において、平成27年から平成30年までは毎年1,000人を超える転出超過が続いておりましたが、令和元年の私の市長就任以降、転出超過は年々改善し、令和3年には9年ぶりに転入超過に転じ、以降は、転入者と転出者の数がほぼ拮抗する状況まで改善することができたところです。

直近となる令和6年については、431人の転入超過となりました。過去10年において転入人口が転出人口を最も大きく上回るという結果となっております。

人口の誘引は一朝一夕に成し得るものではありませんが、「選ばれるまち」の実現に向けた、まちの変化の兆しが表れ始めたものであると認識をしております。

このように様々な取組を、スピード感をもって進めてきたことなどが、令和6年4月、「人口戦略会議」が発表した、本市の10年ぶりとなる「消滅可能性自治体」からの脱却につながったものと言えます。

【市民一人当たりの公共施設の維持・更新費への対応】

本市では、人口急増期に短期間で集中的に整備した公共施設や都市インフラが今、半世紀を経過し、一斉に耐用年数を超えることになります。そのため、老朽化対策に今後20年で約1,900億円の財源が必要となります。これだけでも、市民には大きな負担となりますが、更に人口減少が進行することで、市民一人当たりの負担はより増加していくことになっていきます。

このような「公共施設・都市インフラの危機」に直面している中で、無策に公共施設を建設・維持し続けることは、経営の観点からすれば、極めて無責任な行為であります。一方で、公共施設は市民生活において必要不可欠な機能を有していることから、利用者の満足度を下げることはできません。

私は、公共施設について「集約化・複合化」をキーワードとしたダウンサイジングを行うだけではなく、市民満足度の更なる向上を図ることとしました。そのために、1 新たな社会的価値の提案につながる機能・デザイン、そして 2 利便性を重視したロケーション、この「2つの新たな考え方」を取り入れることにより、ダウンサイジングと市民満足度の向上を同時に図ることとしました。

この考えについては、これから新設する公共施設のみならず、今ある全ての公共施設に適用していく必要があります。そこで、令和6年3月に、市民サービスの充実・強化と、公共施設全体の適正配置及び適正規模の実現を図る「公共施設適正化検討方針」を策定し、本市独自の評価制度である、公共施設の適正配置等を総合的に判断する「ねやがわ版ROA評価」を導入いたしました。

これは、100平方メートル当たりの床面積から得られる市民満足度を基準とし、公共施設機能の計画的な「集約化・複合化」と、施設総量のダウンサイジングの実現を図るため、民間企業の経営において用いられる考え方を、本市独自の発想で行政運営に取り入れたものです。この「ねやがわ版ROA評価」による数的管理を行うことで、市民満足度とダウンサイジング、この一見相反すると思われる2つをコントロールすることが可能となります。

また、令和6年6月に策定した、「第2次市民サービスの『ターミナル化』推進計画」では、ターミナル化が望ましい施設・機能について、その利用形態や対象、利用目的等により「ターミナル施設」「準ターミナル施設」「地域施設」に区分し、考え方の整理をいたしました。これにより、限られた財源を施設やエリアに分散して投資するのではなく、それぞれの役割や規模に応じた投資をすることが明確となり、効率的・効果的な経営投資と市民満足度の双方を高めることになるのです。

【変化の兆し2】

市長就任以来取り組んでまいりました「市民満足度を向上させつつ行うダウンサイジング」の政策展開によって、これもまた、本市に「変化」の兆しが表れつつあります。

平成30年6月に発生した大阪府北部地震による被害を受け、機能縮小を余儀なくされていた中央図書館機能の再構築に向け、「ターミナル化構想」第1弾として、令和3年8月に寝屋川市駅前に「新中央図書館」を開館いたしました。

以前と比べて、床面積を約300平方メートル減少させましたが、新たな社会的価値を提案する機能・デザイン、市民の利便性を重視したロケーション、この「2つの新たな考え方」に基づき、市中心部への移設を行ったことから、開館から僅か3年で累計来館者数は100万人を超え、また、多くの自治体からの相次ぐ視察など、市内外から高い評価を得ております。

分母となる施設の床面積をダウンサイジングする一方で、分子に当たる利用者については、より多くの方の来館実績となっていることから「ねやがわ版ROA評価」は跳ね上がることになります。このことからも、高い市民満足度が得られていると考えております。

当初、ダウンサイジングと市民満足度の向上を両立させることは、不可能であるといった御意見を議会でいただくこともありましたが、実際に、ダウンサイジングと市民満足度の向上を同時に図ることは、こうした数的な管理を用いれば可能であるということが、この一例を参考として御理解いただけるのではないかと思います。

また、旧明和小学校・梅が丘小学校・第四中学校を統合し、令和6年4月に施設一体型小中一貫校として開校した「望が丘小学校・中学校」は、以前と比べて、床面積は約1,000平方メートル減少させましたが、国立競技場を設計した隈研吾氏の設計監修により、日常的に本に触れることができる壁一面を覆う巨大本棚の設置など、次の時代の学校生活の在り方を提案する機能・デザインを随所に施しました。完成後は、市内外から教育委員会関係者にとどまらず、多くの行政関係者や民間の各種団体からも視察にお越しいただくなど、高い関心を得ております。

こちらも、床面積をダウンサイジングしておりますが、児童・生徒数は逆に、従前に比べ増加しております。加えて、当校には、市民の学びや子育て支援の充実、市民相互の交流を進めるための「望が丘地域交流スペース」を設置し、複合施設といたしました。この想定利用者数もまた、「ねやがわ版ROA評価」を引き上げる大きな要素となっており、その合算として「望が丘小学校・中学校」のROA評価は更に上昇することになります。今後、市民満足度の高い公共施設となっていくものと考えております。

さらに、「ターミナル化構想」の第2弾として、「2つの新たな考え方」に基づく検討の下、本市の地理的な中心部であり、市内交通の結節点である寝屋川市駅前で整備を進めてきた「寝屋川市サービスゲート」が本年5月にオープンします。また、こどもセンターを廃止し、現在、一時的に旧中央幼稚園に設置している機能を、「(仮称)こども専用図書館」へ集約・複合化し、寝屋川市駅前へ設置していきます。

第3弾として、中央高齢者福祉センターの中核施設としての機能について、今後の高齢化の進行や、アクセスの利便性等を重視し、「ターミナル施設」として寝屋川市駅前に設置を予定している「生涯学習施設」に集約・複合化します。ダウンサイジングの取組とともに、「行政の首都」として整備が進むことで、より一層市民サービスの向上が図られるものと考えております。

これまでの6年間、こういった手法を中心としながら、総合センター、こどもセンター、明和小学校、梅が丘小学校、第四中学校を始め、2つの公立幼稚園等のダウンサイジングを図ってまいりました。

さらに今後、中央高齢者福祉センター、緑風園、市営住宅等のダウンサイジングを予定しております。また、本庁舎へ福祉部の機能を移転した後の、池の里市民交流センターの在り方によっては、周辺にある公共施設のダウンサイジングを更に進めることができると考えます。

このように「集約化・複合化」をキーワードとしたダウンサイジングと市民満足度の向上については、1 新たな社会的価値の提案につながる機能・デザイン、そして 2 利便性を重視したロケーション、この「2つの新たな考え方」をもって、同時に実現してまいります。

令和7年度の主要な施策

令和7年度予算は、将来に向けた「投資」を戦略的に進めながら、引き続き「ネヤガワ式予算スケール」を活用した事業の選択と集中を行い、財政の持続可能性を堅持し、社会経済情勢を踏まえながら、市民ニーズを的確に捉え、編成しております。

それでは、令和7年度の主要な事業について、申し上げます。

成果が表れつつある「寝屋川教育」を本市が担税力のある子育て世代から選ばれる競争優位として、市内外に発信するため、「(仮称)寝屋川 15 年一貫教育ガイドブック」を作成します。

子ども一人一人が精神的に自立した一個人として扱われるよう、子どもにとって大切な権利を保障し、社会に参加する機会を享受できる環境の実現のため、子どもの権利に関する条例を制定します。

全市立小学校の留守家庭児童会においても、0歳から15歳までの一貫した「寝屋川教育」を推進するプログラムを実施します。

子どもたちの放課後の居場所の更なる充実を図るため、原則として平日の放課後に、全市立小学校の校庭を開放します。

子育て世帯の経済的な負担と不安の軽減につながる「第2子以降の保育所等保育料」と「中学校給食」の「2つの無償化」を引き続き実施します。

市立小中学校の校舎棟トイレの洋式化について、「学校トイレリメイク緊急3か年事業」として、引き続き改修工事を実施します。

市立小学校の屋内運動場に、災害によるエネルギー遮断に対応した空調機の設置を完了します。

更に温かくおいしい給食を目指し、学校給食全般の充実を図るため、「寝屋川市学校給食センター」を令和7年4月に開設し、拡大親子給食方式による給食提供を行います。

担税力のある子育て世代の誘引につながる魅力的で利便性の高いまちづくりを進めるため、寝屋二丁目・寝屋川公園地区の土地区画整理の事業化に向けた取組を行います。

国松土地区画整理事業を推進することにより、魅力と活力ある緑豊かな住宅地を形成し、担税力のある子育て世代に選ばれるまちの創出を図ります。

「市営住宅長寿命化計画」に基づき、老朽化した明和住宅の建替更新に向け、設計業務に取り組みます。

良好な住環境の確保と地域の活性化を図るため、空き家の除却の支援や市場流通を促進し、空き家の増加を抑制します。

寝屋川市駅前広場について、対馬江大利線の整備に伴い形状を変更している西側広場の交通利便性を踏まえた復旧を行うとともに、東側広場を含む駅前広場全体のリニューアルに取り組みます。

市民の移動手段を確保するため、「ねやBUS」を定時定路線で運行するとともに、新たにLINEでの予約やキャッシュレス決済を導入し、利用者の利便性の向上を図ります。

本庁舎への福祉部の機能移転に併せ、本庁舎の改修を行い、新たなサービス水準の構築等を目指すとともに、災害時においても庁舎機能を維持する上で不可欠となる受変電設備の改修に向け、設計業務に取り組みます。

避難所運営や被災者支援等に女性の視点を反映するため、女性学識経験者と女性職員による検討会を開催します。

大規模災害に備え、当面3日間分の凝固剤及び便袋を追加備蓄し、避難所となる施設の既設トイレを活用することで、更なる避難所等のトイレ環境の充実を図ります。

災害時の断水に備え、市民の命を守るための飲料水を確保するため、避難所となる市立小学校に、災害対策用井戸や浄化設備等を順次設置します。

大規模災害時など、長時間の救出活動に備えるため、エンジン式チェーンソーを全市立小学校に追加配備します。また、災害時の避難所等において給水活動に活用できる給水コンテナ及び救助活動に活用できる折り畳みリヤカーを配備します。

火災現場等で機動的・効率的な消火活動や救助活動に活用できるよう、担架及び消防団車両に積載する小型動力ポンプ、消防ホース等を運搬するリヤカーを購入します。

市民の健康寿命の延伸を図るため、骨格筋量等の測定やジム体験、食生活の啓発活動など、筋肉量や筋力の維持・向上を目指す総合的な健康づくり事業「(仮称)ねやちょ筋プレミアム」を実施します。

骨髄バンクドナー登録者のうち、実際に骨髄等を提供した市民及び市民が勤務する事業所の事業者に対し、助成を行います。

重層的支援体制整備事業として、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応するため、多機関協働の連携に加えて、既存の地域づくり支援等を活かし、新たにアウトリーチ等を通じた継続的支援や参加支援を一体的に推進します。

長年課題となってきた親なき後の問題に対して、保護者の不安に寄り添うため、障害を持つ子に注いできた「親の愛情」を次の支援者に引き継ぐツールとして「バトン」の作成を支援するとともに、将来の生活を見据えた支援のための「サポートノート」の作成を支援します。

寝屋川市駅前において、子育て支援機能を併せ持ち、子どもの学びと成長を支援する「(仮称)こども専用図書館」の整備を引き続き進めます。

公共交通の結節点である寝屋川市駅前に位置するアドバンスねやがわ1号館5階に、市内全域からの利用が見込まれる「生涯学習の中核機能」と、あらゆる世代の利便性と市民サービスの向上、公共施設の利用効率を集約・複合化する観点から、中央高齢者福祉センターの中核施設としての機能を融合し、多世代が利用・交流できる生涯学習施設の整備を進めます。

また、同施設の屋上を、あらゆる世代のスポーツ・レクリエーション活動に適した小規模・多機能型スポーツ広場等として整備を進めます。

打上川治水緑地において、「打上川治水緑地パークマネジメントプラン」に基づき、整備を進めます。萱島駅周辺エリアの持続的な発展に向け、「かやしまリノベーションプロジェクト」として、南寝屋川公園パークマネジメントプランに基づく公園施設の整備や萱島讃良線の整備に向けた取組を引き続き実施します。

総合センター跡地を、あらゆる世代のスポーツ・レクリエーション活動や防災機能等を備えた小規模・多機能型スポーツ広場等として整備するための取組を実施します。

多くの市民が、自治会や地域協働協議会が果たしてきた役割や重要性を認識し、理解に努め、地域活動に参画することを促進するため、「寝屋川市地域コミュニティ活性化推進条例」を制定し、持続可能な地域コミュニティを実現します。

共助の取組を支援し自治会への加入を促進するため、自治会が整備する災害備蓄品の購入に対し、補助を行います。また、自治会の負担軽減や若い世代の地域活動への参画促進のため、自治会がデジタルツールを活用し、地域住民に対して情報共有できる環境整備を行います。

「寝屋川市サービスゲート」において、遠隔窓口システムを活用し、離れた施設間での連携を図るなど、「市民を動かさない」取組を進めます。

転入の届出に関連する手続をパッケージ化し、データを活用した「書かせない窓口」を運用するなど、手続の簡略化・省力化を図ります。

国民健康保険、後期高齢者医療及び障害福祉業務に係る電話対応において、内容に応じて閉庁時でも問合せができるよう、音声ガイダンス及びプッシュダイヤルで応答が可能な「自動音声案内システム」を導入し、市民の利便性と業務効率の向上を図ります。

結び

私は6年前に市民の皆様に「市民サービスの危機」「公共施設・都市インフラの危機」の「2つの危機」を訴え、多くの皆様の御支持をいただき市長の職を担うこととなりました。実は、現在に至るまでにスピード感を持って進めてきた様々な施策・投資は、この「2つの危機」を回避するためのものなのです。

既に述べましたが、「市民サービスの危機」を克服するには「人口の年齢構成のリバランス」が必要で、そのためには担税力のある子育て世代の誘引が不可欠です。住環境で「競争優位」を持たない本市が「選ばれるまち」となるためには、新たに“人工的”に競争優位を構築する必要があり、そのためのブランディング戦略の一環として、新たなスタンダードを全国に発信する「いじめ」対応や、都市部の公教育のこれからの在り方を提案するディベート教育などの制度設計に就任最初の1か月目から着手しました。

この目的・ねらいについてはその当初から市職員には説明をし、人口の自然減は市単位での対応は難しくとも、社会増減の責任は市の施策の責任であり、ひいては市長である私の責任であると話し、この数字を民間でいうところの“損益”と捉えてハード面・ソフト面の施策を展開してきました。

その結果、皆様既に御存知のように、これまでは、市外に転出する人が、市外から転入する人を大きく上回る状況にありましたが、現在では、大幅に改善し、昨年は過去10年において転入人口が転出人口を最も大きく上回り、10年ぶりに「消滅可能性自治体」から脱却いたしました。

皆様に御理解いただきたいのは、この「競争優位の構築」は民間企業においても、また経営学の分野においても永遠の課題で、これを実現できれば長期的に安定的な収益を確保でき、また高い利益率を得られるなど事業の存続や成長に関わる最重要の課題であり、だからこそ極めて困難なミッションで、ほとんどの事業者はこれを実現できずに衰退していくのです。寝屋川市は現在、その通常では実現困難なミッションに挑戦し、そして成果につながりつつあるのです。

一方、過去に一気に整備をした公共施設・都市インフラの維持・更新のコストを「圧縮」し、市民一人当たりの費用負担を増加させないために「集約化・複合化」をキーワードとする「公共施設のダウンサイジング」を行いつつ、同時に「市民満足度を向上させる」という、これも極めて困難なミッションをも進めています。

この困難なミッションを解決する“鍵”となるのが、「新たな社会的価値を提案する機能・デザイン」と、「ターミナル化構想をベースとしたロケーション」という2つの考え方なのです。この2つの考え方を採用することにより、新たに開発した「ねやがわ版ROA評価」の分子となる市民満足度と、分母となる公共施設の床面積を増減させコントロールすることで実現を目指します。

これまでの、床面積を約300平方メートル減少させたものの、開館から僅か3年で累計来館者数が100万人を超えた「新中央図書館」、床面積を約1,000平方メートル減少させたものの、逆に児童・生徒数は増加している「望が丘小学校・中学校」、こうした事例からもお分かりいただけると思います。

「新たな競争優位の構築」、「公共施設のダウンサイジングを行いつつ実現する市民満足度の向上」という、ともに通常であれば不可能に近いミッションを成し遂げるのには高度な「経営的思考」と、改善を超えた確率変動を起こすイノベーションが求められます。私は市民に“4年契約で雇われた経営者”として、持てる能力を最大限発揮し、また研鑽を積み、学問的素養を磨き、寝屋川市のために、寝屋川市民のために最善を尽くし、結果を残していく覚悟です。同様に、市職員にもこれまで求められることのなかった経営学的素養を要求します。それはこれからの新たな時代の行政には不可欠なものであり、また業務の枠を超えて、それは市職員の人生における財産になると信じるからです。

議員の皆様には、今、寝屋川市は“切所(せっしょ)”にあることを御理解いただきたいと思います。従前どおりのポジションのまちであり続けるのか、それとも“特別なまち”として新たな地位を築くのか。その上で、寝屋川市がこの“切所”を越え、「選ばれるまち」となり、持続可能なサービスを提供できるよう、党派を超えて御協力いただければと思います。

令和7年度当初予算案

 令和7年度当初予算案につきましては、

一般会計

1,044億8,000万円(対前年度比5.4パーセント増)

特別会計(国民健康保険特別会計 外4特別会計)

519億6,400万円(対前年度比2.9パーセント減)

公営企業会計(水道事業会計及び下水道事業会計)

189億4,600万円(対前年度比1.2パーセント減)

合計

1,753億9,000万円(対前年度比2.1パーセント増)であります。

議員並びに市民の皆様におかれましては、格段の御支援・御協力をいただきますよう、心からお願い申し上げます。

令和7年度当初予算主要事業概要は次のページからご覧いただけます。

用語説明

ロジックツリー

問題や課題を分解し、論理的に整理する手法のことをいいます。

矮小化

本質的でない部分を強調して、ささいなこととすることをいいます。

エージェンシー

他者と関わりながら、自ら考え、主体性、自主性を持って行動できること、また、自分でできることや年齢に応じて自立している状態のことをいいます。

シンクタンク

各分野の専門家を集め、技術開発・政策決定などの高度な問題を研究する機関や頭脳集団のことをいいます。

まちのリノベーション

既存の不動産を再生させ、新しい機能や価値を付与することで、まちの魅力の向上、地域の活性化につなげる取組のことをいいます。

消滅可能性自治体

民間有識者でつくる「人口戦略会議」による分析において、若年女性人口が2020年から2050年までの30年間で50%以上減少すると見込まれる自治体のことをいいます。

ダウンサイジング

コストダウンや効率化のために規模を縮小することをいいます。

アウトリーチ

援助が必要であるにもかかわらず、申請や公共機関等への来所が困難な方に対し、積極的に生活の場である居宅に出向き、必要なサービスを提供することで支援の実現を目指すことをいいます。

確率変動

大当たりの確率が変動して当たりやすい状態のことをいいます。

切所(せっしょ)

山道などの、通行困難な所、難所のことをいいます。

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更新日:2025年02月25日