寝屋川再生事業の意義(骨子)

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<その1>貴重な自然環境をまちづくりに活かす

京阪寝屋川市、萱島両駅に近接・交差するなど、中心市街地に位置しているにもかかわらず、目立ったかたちではまちづくりの資源として取り入れられていない。(つつじの景観として以外には)知られていない一面、豊かな自然、まちづくりの貴重な資源である。

寝屋川市駅前から萱島駅にかけて

  • 季節によっては、赤や青の婚姻色に色づいたバラタナゴがいたり、オイカワ(ハス)等が朝夕に飛び跳ね、鯉の集団産卵が観察されるほど魚が多い(魚の種類19種)
  • 春から夏・秋にかけては、繁茂する水草や藻が新緑に映え美しい水中の景色を見せ、藻の間を大きな鯉や小魚が行き来している。(藻の種類7種)
  • アメンボが水面を駆けていたり青や緑のイトトンボが連なって飛んでいたりもする。
  • 川に元気がなくなる冬場には、それぞれの駅前でも青い宝石といわれるカワセミが獲物を狙っているのを観察できたり、多くの水鳥も観ることができる(マガモ、カルガモ、セキレイ、シラサギ(コサギ、チュウサギ)、ゴイサギ、アオサギ、ホシハジロ)。
  • 京阪沿線の大阪府内各駅で、市街地にあって、このような光景を目にすることができる駅は、寝屋川市駅、そして萱島駅くらいである。(魚の種類19種、藻7種、)
  • 中流域寝屋川の河川環境にも、このような自然豊かな一面が存在するということを知る市民は少なく、むしろ、寝屋川は市民にとっては案外希薄な存在である。(まだまだ、汚れた川のイメージを抱いている市民も多い。)

府立高専あたりから上流部には

  • 流れが蛇行し砂洲があり、春から夏にかけては葦や、水辺の植物が緑豊かに繁茂する。
  • カルガモが棲みついていて冬鳥も多い、メダカはもちろん、吸盤状のヒレを使って石や流木に上がるヨシノボリやスジエビなども確認されている。
  • しかし、自然が豊富なわりには、水辺に降りられない、ごみが多いなど、市民にとって、けっして身近な存在とはなっていない。
  • このような自然や景観は人通りの多い市街地では珍しいことであり、特筆すべきことである。自然が少なくなってしまい、心を癒す美しい景観や自然とのふれあいの場が必要とされる都市にとって、貴重なまちづくり資源である。

市民が親しみ憩える川づくり

  • 市の中心部を縦断し、8キロメートルにものぼって中心軸となっていて、市街地におけるまとまったオープンスペースとして面積的にも大きな存在であるこの水辺空間を、寝屋川市のまちづくりに活かさない手はない。積極的に活用して「まちの顔」「市のシンボル」にふさわしいものとして再生していく。
  • 水辺に近づき、水中や川面を眺めながら散歩できる。水辺に憩う。水辺に近づき水に触れる。水遊びができる。魚捕り・虫捕り・草花摘みができる水辺。こどもから大人まであらゆる市民が憩えるユニバーサルデザインの水辺空間。

<その2>まちづくりに対する市民ニーズと市民参加・協働

1.市民の定住志向の高まり(第四次総合計画市民意識調査)と環境志向

寝屋川市に住みつづけたいとする市民が増加しつつある。
定住志向が高まると、まちのあり方に目を向けようとする傾向が強まる。
便利であるが一方で自然が少なくなってしまった都市にあって、市民は、寝屋川市に住み続けていくのに望ましいまちのあり方の重要な要件として、公園や水辺、道路沿いの自然や緑を望んでいる(寝屋川市緑の基本計画・市民意識調査)

緑の基本計画アンケート

「寝屋川市の将来像」
1位「住み良い都市」
2位「自然環境を生かした都市」(22.7%)
「望ましい公園」
1位「森や水辺を残した近自然の公園」(44%)
「必要な緑」
1位「川沿いや道路沿いの緑」(37.6%)
2位「駅前や繁華街の緑」(16.6%)

総合計画の意識調査

「寝屋川市の将来像」
1位「自然環境を生かした都市」
2位「生活環境整った住み良い都市」
が上位を占めている。言いかえれば、今後行政には、限られた条件の中にあって、いかに自然や緑を取り入れたまちづくりをするのかということが問われているということである。

2.寝屋川市における河川整備もこのような市民ニーズを意識したものとして、考えていく必要がある。

  • 第四次寝屋川市総合計画「河川環境の創造と保全」の項
    「石、土、植物を配し、生態系豊かな水辺空間の保全に努め、魚、水生生物、鳥などが生息出来る環境保全をすすめる」
  • 平成9年、河川法改正
    目的に、治水、利水に加えて、「河川の環境の整備と保全」が新たに追加。
    今後の河川行政にあっては、それぞれの事項を組み入れて展開していくことが行政的な流れとなっている。
    一級河川寝屋川の再生整備についても、このような行政的な流れと市民ニーズを踏まえて、河川管理者である大阪府に協議をしていかなくてはならない。

3.寝屋川再生マスタープランの策定にあたっては、市民参加・協働で市民の意向を計画の中に取り入れていくことが望ましいと考えられる。

  • 河川法改正でも、市民参加の手法を取り入れている。整備計画策定にあたっては、「住民の意向を反映させるための措置をとること」
  • 寝屋川市でも、市の方針として市民との協働を重要な柱としている。
  • 具体的には、計画策定段階から市民参加・協働ですすめるとともに、施策実施段階でも、何らかの形で協働することも考えていく。⇒ワークショップ方式

ワークショップ方式の意義

施策の計画段階や実施段階に市民自身が係わることの効果

  • 市民の自主的エネルギーを活かす
    行政から与えられるのではなく、自分たちが言った意見が計画に反映されたり、議論したことが計画としてまとめられたりすることになり、
    まちづくりに対する市民の自主的であるが故に生き生きとしたエネルギーを活かすことになる。
    もちろん、実施可能なものとするためには、費用対効果、行政当局の財政状況、ボランティア等のファクターも加味する。
  • でき上がったものに対して愛着がわき、自主的な維持管理にもつながる。
    計画が具体化され、自分たちの"想い"が形となって実現すると、でき上がったものに対しては、愛着がわき、思い入れもあって、大切に扱う。
    河川清掃など維持管理ボランティアも期待できる。
    手入れや清掃も、行政が行うだけでは、なかなか愛着はわかない。
    自主的ボランティアで自分の汗を流して作業すると、より愛着がわく。
    これらを通じて、一級河川寝屋川に対する市民の愛着の気持ちが高まっていけば、ひいては、寝屋川のまちそのものに対する愛着につながる。

行政と市民の自主的積極的役割分担として、協働の質がワンランクアップする。

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更新日:2021年07月01日