市民が原動力、公共工事の復権

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市民が原動力

この整備の原動力となったのは、茨田樋整備計画策定を協働して進めてきた住民・市民・大学などが、国交省の主催する土砂備蓄緑地整備ワークショップで提案し強力に申し入れた結果で、まさに、この間、市が進めてきた市民協働・協創のまちづくりが市民自身の中に根付いてきた証といえます。

公共工事の復権

また、茨田樋整備は“公共工事の復権"の取り組みでもありました。かつて、茨田樋を始めとする8つの樋は、地域住民が自分たちの農業生産と生活用水を確保するため、用水組合を組織し堤防に樋管を抜き取水施設を整備するなど「民の工事」として行なったものです。 しかし堤防に管が入っていると大水時に破提の恐れがあるとして、当時の内務省は用水組合と協力して、これらを廃止し、代わりに枚方に新たな樋門を設けその1ヶ所から取水し、淀川沿いに幹線水路を掘り、各樋門に替わって用水を流すようにしました。点野地区においては、狭窄部となっていた川幅を拡げるために堤防を引きかさ上げもおこなっています。これらの工事は、当時の住民の洪水に対する不安を取り除いた公共事業であったわけですが、まさに「民」だけで出来ないことを「官」が技術支援という形で補ったという、公共工事の本来の目的を見事に実現した事業であったと思われます。この工事にあったては、寝屋川市北部丘陵の郡(こうり)成田地区から土汽車(どぎしゃ)呼ばれるトロッコで、田井、池田を通り点野で堤防に達し仁和寺地区まで延びる線路を堤防の下段に敷設してて、土を運び、堤防補強工事をしました。この跡が残っているのが茨田樋の直ぐ上部の淀川堤防下段であり、この茨田樋遺跡水辺公園の説明看板にもその旨を記載しています。
 今回の工事は、市民が「公」として市民工事というかたちで官と協働して整備をおこなったという意味で、まさに市民の側から公共工事の本来の意義・必要性を提起したものと言えます。

雪の中土汽車が走っている白黒写真

土汽車

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更新日:2021年07月01日