幸スペシャル探検隊

ページID: 3070

クリーンリバー寝屋川 (平成13年8月2日)

川でごみを集める子供たちを上から写した写真

幸スペシャル探検隊

8月2日、夏休みのこの日、幸町在住の市立中央小学校3年生、「幸スペシャル探検隊・川と生き物を守ろうチーム」によって地域を流れる一級河川寝屋川の河川清掃が行われた。引き上げられたごみは軽トラック1台分。
ボランティアの市民や自治会による「寝屋川」の河川清掃「クリーンリバー寝屋川」は、小学生にまで拡がりをみせはじめました。

学校での「総合学習」の授業の中で、地域や環境に目を向け始めた子どもたちが、自らが住む幸町地区の中心部を流れる寝屋川の清掃を発案し、市役所と協力し、この日の清掃作業となったもので、5メートルもの護岸の下を流れる寝屋川の河床で子どもたちによって繰り広げられたにぎやかなこの"探検"に、通りがかった市民が「何事か」と覗き込んだりしていた。

みんなで集めたごみを袋に入れている写真

参加隊員は8名、保護者女性隊員2名、カメラマンを兼ねた女性教員隊員1名の計11名、市役所からも担当のおじさん達がお手伝い、ハシゴを掛けたり、ごみを引き上げたりおおわらわ。清掃作業1時間30分、魚取り30分のおまけつき。炎天下、たっぷり汗をかきました。足を滑らして水中にシリモチを付いた隊員もいたけれど、カワセミが水面に激突し餌の小魚オイカワをゲットする珍しい光景に出会ったりもした。

川に入って掃除をする子供たちの写真

「幸スペシャル探検隊」、彼らは、市立中央小学校3年生、全員幸町の子どもたち。
地域・社会に目を向ける授業のなかで、普段の授業とは違って、この時間では、同じ地域に住む子どもたちでグループを組み、そして、お互いの話し合いの中で、自分たちの地域の"宝"を見つけ、それとの何らかの関わりを持っていく、つまり、子どもたち自身による社会や地域との自主的なかかわりを通じて、個と社会のかかわりについて学習し、ひいては、地域コミュニティを育てていこうとするとの趣旨であろうか。

悠々と泳ぐカルガモの群れの写真

この子たちの地域の宝は「寝屋川」ということになったらしい。しかし、この"宝"には、カルガモや魚などもいるが、ごみも目立つという話も出ていたとのこと。その寝屋川についていろいろ調べていくうちに、自分たちの"宝"は寝屋川と決め、その旨を日曜参観で発表していた6月3日、その日に、「クリーンリバー寝屋川」と称する寝屋川の大掃除があったことを伝え聞きました。自分たちが地域の"宝"と決めた「寝屋川」を、ボランティアのおじさんやおばさんたちが掃除をしていたというのです。このようなこともあって、市役所に胃って「寝屋川」の川について、いろいろと調べたり、クリーンリバー寝屋川についても聞いてこよういうことになり、メンバーが担当の下水道部にやってきたというわけです。そこで、「寝屋川」の川の様子や生き物のこと、市民と「寝屋川」の関わりの現状、市がホタルやトンボの飛び交うまちづくりをめざしていることなどについて、話を聞いたり資料の提供をしてもらったりもした。

3人の子供たちがピースサインをして歩いている写真

このような経過を経て、メンバー同士の話し合いの中で、"宝"をきれいに保つために、ボランティアで河川清掃に取り組むことに決まった。そして、探検隊の名称にも、「川と生き物を守ろうチーム」と副称も付けた。
先のクリーンリバーに参加した町内のおじさんの家に行き、掃除に参加してどうだったか等、聞き取りを行うなど事前準備も周到に、この日の"探検"決行となりました。

橋の上で集まる子供たちの写真

当日の集合場所。長袖・長ズボン、長靴に軍手・タオル、頭に帽子、肩から水筒を掛け、手にはごみ袋、これが、彼らの平均的な格好です。この重装備、しかし、顔は、ニコニコ。もちろん、掃除をするために、今まで下りたくても下りることができなかった河床に下りることができるとの期待もあったようだ。これまで、危険だからと親に止められていたり、フェンスや切り立った護岸に阻まれて、上から眺めるしかなかった格好の遊びスペースに、今日は足を踏み入れる事ができるのだ。そういう意味では、彼らにとっては、ぜひとも決行したいボランティアでもあった。

はしごで川に降りる子供達を上から写した写真

点呼も早々に、集合場所の市役所から、目的地の幸町地内一級河川寝屋川に移動開始。
府立高専前の歩行者専用橋で、いきなりカワセミに遭遇、つい目の前で、くちばしから水中に刺さるように突入、次の瞬間、魚をくわえて飛び去る早わざ。テレビでしか見られないシーン、一瞬の出来事に目撃者全員、目は点。「今日は幸先いいぞ、幸いスペシャル探検隊」???意気揚々と京阪ガード上手、南前川合流点付近、探検開始地点に到着。カルガモ一家が悠々と泳いでいます。ハシゴを伝い、眼下の川へ、しかし、あまり経験した事のないハシゴ。怖い、おまけに下り。足で探りながらの降り方は知らない。振り向きながらの下り、下を見るとよけい怖い。しかし、何とか水面に到着、安心も束の間、2~3歩あるいて、足元でブクブク。頼りのカラフル長靴は泡をだして水中へ。水深は膝の直ぐ下。市役所のおじさん、すかさず一言「長靴の目的はケガ防止だけ」。隊員「ウッワー」。ちょっと慣れてきたかと思うやいなや、バッチャーン、一人がヘソまで水中に浸かっています。足を滑らせ尻もちをついてしまったのだ。

はしごを使い川に入る子供達を横から写した写真
川の中のごみを拾う子供たちの写真

前途多難を思わせるクリーンリバー本番の出足でした。
しかし、そこは、この日の"探検行動"の発案者たち、目の前にごみを見つけると素早い足取りに変わりキビキビ。持参の袋にごみをつめる。しばらくすると袋が一杯になってしまう子も。時々、手と足が止まる、そんな時は、決まって、"宝物"をゲットした時です。大人にとってはただの"物"でも子どもにとっては宝物。小さなものから大きなものまではシッカリ確保していました。頭ほどのボールを持っている子もいます。水・砂州・草・ごみ、初めての「寝屋川」に皆、目が輝いています。

川の中にはいり笑顔の女の子3人の写真
男の子3人がお宝をゲットした物を手に取りみせている子供たちの写真
川床でごみを拾う参加者の人達の写真

砂州のあたりは夏草に阻まれてなかなかはかどりません。それでも果敢に分け入っていく隊員も。誰かが、バッタを捕まえた。しばらく"探検"中断、バッタ獲りに"いそしむ"。しかし、直ぐに"探検"再開、日差しが強烈、汗が噴き出します。持参の水筒で各自、喉を潤す。市役所のおじさんが水筒を持ってないのを見て、「おっちゃん、冷たいで」と言いながら、水筒の蓋に並々とついたお茶をさしだしてくれます。おっちゃん、にっこり笑って「お前いいとこあるな」といってゴクリ。そんなこんなで、作業は進んでいきます。一人がヘビの抜け殻を見つけたのを見て、2回目の"探検"中断、うまく見つけた隊員は、大事そうに手のひらに乗せています。もうこの頃にはごみ袋は何度か一杯になりました。

川床でゴミ拾いをしている子供たちを上から写した写真

この日の成果、コンビニの弁当空とジュース缶がセットで入った口を結わえたビニール袋、賃貸住宅案内のチラシ、タバコやお菓子の空き袋・箱、ポスターつきのベニヤ板、建築用の鉄筋、ガラの入った土嚢袋?等々、結構いろいろあった。普段、せっかくの地域の自然と付き合うことができない隊員たち、日ごろ手にすることが少ないヘビの抜け殻を手に入れたり、バッタを追いかけて納得、最初にゲットしたボールなどの"宝物は"、いつの間にかごみ袋の中へ。

正面のはしごの横でごみを引き上げるところを写した写真
子供達がはしごをつたって上がるところを横から写した写真

土嚢袋に詰め込んだ重いごみは、市役所のクレーン車が引き上げました。隊員も、ロープでごみ袋を護岸の上まで引き上げます。忍者のごとくロープにカギ形金具を結わえた"小道具"にごみ袋を引っ掛けて上から引っ張るのです。おもしろい。引き上げた袋は、市役所のトラックに積み込んで、探検完了。
「フーッ終わった」皆、満足顔。大人隊員は、汗を拭いながら「暑かったねー」。

子ども隊員「おっちゃん、魚とり!」

この声に、近所の水道を借りて、急いで手足、長靴・ズボンの汚れを洗い流した。「気持ちイー」。"第2探検行動"準備完了、府立工専前に向かった。
途中、川中に生え揃う夏草に交じって、誇らしげに穂を突き上げているガマの一群を発見、「ソーセージみたいや」、下水道部のおっちゃんに説明を受けました。目的地到着、カワセミを見かけたあの場所です。再びハシゴで川床へ。今度は縄バシゴ、またもや、忍者道具の出現だ、面白くないわけがない。

あみを投げるおじさんの横でその様子をみている子供達の写真

少し水の淀んだ深み、「この間は、ウナギが入ったんやけどなー、今日はどうやろ」と言いながら、おっちゃんが、肩に掛けた投網を投げてくれる。円く拡がって水面に落ちる。網が徐々にたぐられていく。おっちゃんの手元を見つめて、一同シーン。手繰り終わった網は一気に引き上げられる。
「いた!」「魚や!」「大きいで!」。夏の昼下がり、ゆったりと流れる寝屋川。突き破る歓声に驚いた通行人が、思わず橋から下を覗き込んでいる。我先に手が出る、つかんだ、オイカワ、フナ、タニシ。大型で手からはみ出しているのは、赤と青の婚姻色に色づいたオイカワ。
握った手を突き上げて得意そうに橋の上の人に見せています。

オイカワをたくさんの手で触っている写真

この後、川沿いの歩道の緑陰に集まり、獲った魚の説明を受けながら、じっくり観察。クーラーボックスの中で、朝から氷に浸かっていた冷べたーい飲み物をいただき、塩分と糖分をたっぷり補給して、この日の"探検行動"、無事終了。
脱落者なし、ケガ人なし。腰まで浸かった人約1名。面白かった人全員。"探検"大成功。隊員の皆さんお疲れさん。先生、保護者のお母さん方、大変ご苦労様でした。

参加した子供たちが喜んでいる写真

同じ地域に住む仲間の共同作業、そして市行政との協働、それは子どもたちによる、まちづくり・地域づくり作戦第一幕でもあった。

街中に自然が存在する事の楽しさ、大切さ、そして、我がまち(地域)の景観として遊び場として、自分たちが気に入ったその"自然環境"を美しく保つために汗を流した爽やかさ。子どもたちが、自分たちで何か大切なものを発見してくれたような気がするこの日の"探検"でした…。

この記事に関するお問い合わせ先

下水道事業室
〒572-0832
大阪府寝屋川市本町15番1号(上下水道局2階)
電話:072-825-2162
ファックス:072-825-2634
メールフォームによるお問い合わせ

更新日:2021年07月01日