寝屋川再生ワークショップの実施報告 第1回ワークショップ(平成16年6月19日)

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点野茨田の樋跡歴史親水公園ワーク(平成16年度第1回ワークショップ)

 寝屋川再生ワークショップ平成16年度の第1回は、点野地区の歴史親水公園の計画づくりです。6月19日(土曜日)13時から、現場に近い摂南大学で47名の参加で行われました。
 一昨年度(2002年度)に、この点野の農業用水路を、寝屋川市が市民と協働で自然型護岸を整備し清掃や草刈りも地元住民と水辺ク・ワークショップが一緒に行ってきましたが、その場所に連続する形で位置する茨田樋(まったひ)の跡を中心として公園をつくりたいという以前からの地元の意向もあり、これまでの取り組みの発展という形で、ワークショップを開催して計画づくりを取り組むことになったものです。
 一級河川寝屋川の再生としては、ワークショップの成果を最大限尊重するかたちで、京阪寝屋川市駅前の河川空間整備が進んでいますが、川の整備にとどまらず、快適なまちづくりや、生き物の生息環境にも配慮した地域づくりがますます大切になってきます。今回の歴史親水公園計画づくりは、そのようなワークショップの成果の一つと言えます。ちなみに「茨田樋」は、淀川から生活用水・農業用水を取り入れていた重要な施設であり、幹線水路にその役割を引き継ぐまで、周辺地域に農業用水を提供していたところです。かつては淀川の堤防も、もっと低いところにありましたが、治水上の観点からかさ上げされ、それに伴い堤防の漏水の危険を避けるため導水管も撤去され、現在はその樋門としての役割を終えています。しかしながらレンガ造りの樋門跡は、同じようなものが上下流にいくつもありましたが現在残っているのはこの場所のみで、北河内地域における貴重な歴史的産業遺産ともいえるものです。
 場所は地元に近いということで、ワークショップ委員の摂南大学教授の澤井先生にご協力いただき、摂南大学11号館11階で行なわれました。眼下に淀川を見下ろせる会場です。
 まずは参加者の交通認識を得るため、「てくてく探索」として、計画地の見学です。摂南大学から10分ほどを歩き、堤防上に上がってから、計画地に下りて順次説明を受けました。周辺は新興住宅が立ち並んでおり、あまり広くはありませんが、樋門跡や顕彰碑はしっかり残り、かつて堤防が国道であったころ、ここにあった警察の番屋に植えられたというランドマークのイチョウの木も大きく、雰囲気のよい場所になりそうな予感がします。自然型護岸の水路も、植えつけたスゲなどの植物が茂り、周辺に地元の方が花を植えるなど、とても自然な感じがします。
大学に戻って作業開始です。まず下水道整備課の柳生室長から、「行政改革の一環として、市民の声を聞きながら取り組んでいきたい」という話があり、続いて地元の白川さんからは「ここはよく子どもが遊んでいる。淀川の斜面を活かしたい。昔は水が勢い良く流れていて、そこで子ども達は泳いで大きくなった、水が流れて、魚がいて、子どもがいる場所をつくりたい」というお話がありました。
その後、4つのグループに分れて作業です。探索の結果から、予定地の良いところや問題点、どんな公園になったらよいかなど、意見を出しあいました。

検討された事柄を整理すると、以下の7項目になります。

  1. 水の流れの確保
  2. 歴史重視、河川公園との一体化
  3. いろいろな施設、いろいろな活動
  4. 植栽、自然材の使用
  5. アクセス(動線の確保方策など)
  6. そうじ、管理の方向性など
  7. みんなで考えよう、広く

点野親水歴史公園指摘事項など

  1. 水の流れの確保
    • 樋門下流水系の流向整備。滞水対策を!
    • 樋門断面の復元、左岸幹線水路への流入を図る
    • 水の循環をする必要
    • 水深を浅くして親しめるように
    • 太陽光を使った水流確保など
  2. 歴史重視、河川公園との一体化 ・歴史的復元を重視し公園にする
    • 樋門の赤レンガは出来るだけいまある物を使う
    • 樋門の公園とワンド一体化して考え、人の流れを作る
    • 淀川沿いの同様史跡(ミニ史跡公園)をむすんで一体化
    • はちかづき姫を建てよう
    • 堤防の法面と一体化した整備
    • となりの畑をゆずってもらってできるだけ大きな公園にしたい
    • 昔はトロッコが走っていた
  3. いろいろな施設、いろいろな活動
    • ミニ博物館はどうかな
    • 小学生が教材に使えるような場所もあったらよい(ビジターセンター)
    • 外部利用型。ワンド復元の自然ゾーンと一体化した史跡公園
    • ビジターセンター的施設も。民家で普通のおっちゃんが子どもたちに話をする
    • スタンプラリーの場にしてみたい。
    • 地域のつながり強くする、憩いの場の創設
    • 子どもやお年寄が集まる楽しい公園
    • 日かげは必要
  4. 植栽、自然材の使用 ・駅前のうんりゅう柳を持ってこよう
    • 水路護岸の自然材の多用。草花の四季咲きバランスを考える
    • 使用する材木はどのように入手するか。間伐松丸太が安価で入手出来ないか
    • レンガ敷き、木道、コンクリートようへきの修景など。
    • 畑をビオトープに
  5. アクセス(動線の確保方策など) ・堤防とのアクセスを考える必要あり。堤防と一体的に考えたい
    • 河川敷とのアクセス。墓地階段とは別のルートが必要
    • 船着場との連続した整備
    • ワークショップではその地域だけでなく他の地域の人が訪れる場所に!
    • 自動車利用→現状はかなり不便(地元に迷惑?)
    • 駐車場が必要
    • 法面にスロープ(バリアフリー)
  6. そうじ、管理の方向性など ・茨田樋と点野ワンドの清掃をする
    • 第一段階として清掃を市民と行い水を入れるようにする
    • 先ずゴミ掃除、除草作業して作業の安全性を確認(ガラス・プラ・カン類)
    • 地域の人が管理できるようにしたい
    • 公園づくり作業を市民参加でする
    • 地元の人達の協力が大切
    • 子どもの総合学習の場にする。世代間交流
  7. みんなで考えよう、広く ・地元の人の意向は?自分たちの利用中心を前提としているのか
    • 外部(小学生が歴史学習の教材に使ったり広く市民がレジャー的に楽しめるような)の人にも積極的に利用してもらえるような整備を望んでいるのかわからないと方向性出ない
    • 新興住宅の人にも参加してもらおう
    • 活動の情報公開による参加者拡大
    • 活動に入る前に地元の新旧の市民と点野の樋の歴史を勉強しコミュニケーションをとる
    • 地元の方と一緒に他の地区の事例を勉強
    • 点野自然親水工事の地元との共同作業。
    • 広く市民に知ってほしい
  8. その他情報
    • 点野ワンド。小学校総合学習で知事賞をもらったことあり(炭村先生)

2004年2月22日平成15年度第5回ワークショップからの抜粋も含んでいます。

第1回 現場検討風景 平成16(2004)年6月19日(土曜日)

草が生えている淀川堤防上でワークショップの参加者たちが周囲に集まり、話しを聞いている写真

事前のてくてく探索です。
茨田の樋跡の上に位置する淀川堤防上で話を聞きます。

草むらの奥の大きなイチョウの木に向かって、参加者たちが歩いている写真

古い堤防上に残るイチョウの木です。
シンボルとして残したいです。右側は今の堤防です。

イチョウの木の横に建てられた、茨田樋之跡と縦に書かれた記念碑の写真

茨田の樋の記念碑です。
半円形になっています。

水が溜まり水草が生えている茨田の樋跡を上から覗き込んでいる参加者の写真

茨田の樋跡です。
レンガ造りで、御影石の柱が建っています。
上部に穴があり、かつてそこから木製の樋門を上げ下げしていました。

昔使用されていた茨田の樋跡を見学している参加者がおり、周囲には住宅が密集している写真

茨田の樋の周辺は住宅地になっています。

茨田の樋の左側にイチョウの木、奥に堤防、右側に住宅が建ち並んでいる写真

茨田の樋周辺から堤防を見ます。イチョウの木が目立っています。

茨田の樋までの通路沿いに、水路と住宅地が建ち並んでいる写真

茨田の樋に至るアクセス道路です。
砂利敷きです。右側には水路があります。

アスファルトの通路の水路の間の護岸に色とりどりの花が咲いている写真

周辺の自然型護岸です。
地域の人が花を植えてほっとする空間になっています。

ワークショップの会場で、窓を背に話す白川さんを右側から撮影した写真

地元の白川さんです。
「水が流れて、魚がいて、子供がいたらよいなあ」

グループごとに分かれてテーブルに着き、話し合っている参加者たちの写真

4つのグループで検討です。

左側のホワイトボードに大きな模造紙が貼られており、右側に立つ本多会長が左手にマイクを持ち話しをしている写真

結果発表です。
水辺クラブの本多会長です。

グループごとに分かれて座っている参加者と、プロジェクターで映像を写している大学生が座って話しを聞いている写真

結果発表を聞きます。
摂南大学の学生さんがプロジェクターで拡大映像を映してくれます。

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更新日:2021年07月01日