寝屋川再生ワークショップの実施報告 第4回ワークショップ(平成16年2月11日)

ページID: 11027

第4回寝屋川再生ワークショップ(見学会)

平成16年2月11日(水曜日)午後12時半より、本年度第4回目のワークショップが開催されました。今回は再募集をした本年度から初めて参加した人もいたことから、現場を知ろうということで、上流から中流部まで、主要な地点を見ることを行ないました。市役所に集まった人は26名。受付を済ませ、皆でマイクロバスに乗り込み出発しました。
最初は寝屋の極楽橋付近です。平成13年度のワークショップにおいて、寝屋川上流部にも河川公園的な整備を指向したいとイメージ図を作成した場所です。一級河川寝屋川がはじまる右岸になります。今後公園墓地と一体化した、何らかの整備ができればいいなあという感じでまた歩き出しました。
次に上流部の改修区間の見学です。ここは最近護岸が崩れたため、急きょ矢板護岸の工事を行なっているところです。流れが当たるところがかなり深く潜掘されており、前回のワークショップでも、護岸・河床のあり方を検討しましたが、基本は「川が川をつくることを手伝う」といったことを原則にところで、最低限の対策を行ない、また、何か不都合があれば、簡易に改修ができるようにしたいということです。大阪府の前田さんにも説明をしていただき、皆結構わかった気になりました。大阪府や寝屋川市に申し入れて設置した扉とステップも所々にあり、川掃除が楽になっています。実はこれもこのワークショップの成果なのです。

極楽橋付近に散らばっている参加者の写真

極楽橋付近です。
釣りをする人の姿も見かけました。

土が盛られ植物が生えている川の中を橋から撮影した写真

上流部改修区間です。
犬走りが追加されています。

川に降りるための柵に取り付けられた扉の写真

改修区間付近の扉です。
川掃除がこれで楽になります。

打上川治水緑地にも立ち寄りました。ここではこの治水緑地が、大水時に、打上川と寝屋川本川から一時的に水を貯留し、洪水被害を回避する役目を持っていることの説明を受けました。治水は人々の財産と命を守る大きな事業であることがわかります。下流は広い河川敷になっており、その下に治水緑地の貯留水を流すボックス型のトンネルがあります。このトンネルの維持管理をするための、円形の塔が目立っています。ここも以前のワークショップでは周遊できる公園的な整備を考えましたが、隣接して公園機能を持った治水緑地もあるため、今後のあり方は、川の特性を生かし、川でなければできないような整備をめざす必要がありそうです。

コンクリートで覆われた、堤防の一部を低くした越流提の写真

寝屋川から打上川治水緑地への越流提(えつりゅうてい:洪水はここを越えて一時貯留されます)です。

自転車道を歩いてる人や、柵から川を除いている人の写真

打上川治水緑地のあたりです。河川敷に自転車道がつくられています。

川幅が広くなった川の中に、白色のタンクの様な形をした維持管理等が立っている写真

打上川治水緑地下流です。
川幅が広くなっています。
左は水の圧力を抜く排気塔を兼ねた放流用トンネルへ降りる階段がある維持管理用塔です。

川の中が段になっており、一段下に水が流れ落ちている写真

ボックスカルバートというコンクリートのトンネルが、治水緑地から続いており、ここが出口です。

引き続き、川を歩いて下り、府立高専を過ぎて大阪府警宿舎に至ります。ここも以前ワークショップで河川広場を考えたところですが、市議会でも寝屋川上流部でのビオトープ的整備というかたちで意見がだされていました。ここは府警宿舎の建て替えが計画されており、その関係で河川公園をつくってほしい旨を、市役所からも大阪府に申し入れています。この周辺はいつものクリーン作戦で掃除をしているところで、中央小学校の総合学習の授業でも皆で川に入り掃除をしました。計画がここでも進みつつあることに、参加者一同、やる気がでてきます。
その下流には寝屋川本川をまたぐように桜木樋門があります。寝屋川からの洪水を寝屋川導水路に導き、淀川へ放流する役割を持っています。すぐ下流には、淀川からのきれいな水を寝屋川に流す機能を持った、寝屋川ポンプ場があります。

川の両側に団地が建ち並んでいる写真

府警宿舎あたりです。
右岸側に河川公園が期待できます。

コンクリートで覆われたポンプ場の中に水が溜まっている写真

寝屋川ポンプ場です。
淀川からの浄化用水の導水をしています。

寝屋川ポンプ場でバスに乗り込み、時間がなくなってきたため、摂南大学のビオトープは車内からの見学で済ませて、点野へ向かいます。点野は昨年度、地元の方々と一緒に、寝屋川再生ワークショップ・ねや川水辺クラブのメンバーが、自然型護岸工事に協働して植栽の植付けを行なったところであり、その成果を見ました。すぐ近くには、かつて淀川から水を引き入れていた「茨田の樋門跡(まったのひもんあと)」があります。レンガづくりの樋門が残っています。現在、淀川からの水はポンプで幹線水路に揚げていますが、市内ではこの樋門が、淀川からの自然流下で利水した最後の樋門であるため、歴史的遺産として、地元の方々も公園的な整備を望んでおり、今後市としても計画づくりを進めたいと考えています。大きなイチョウの木も、「シンボルとして残せたらよさそう」という声があがりました。堤防を上がるとそこには淀川河川公園が整備されていますが、点野のワンドも残っており、船着場もあり、一体的な保全・整備も考えられ、期待がふくらみます。

白色の柵の中に緑が茂っているビオトープの写真

摂南大学ビオトープです。
バスからの写真です。

護岸の間に水が溜まっている近自然型護岸を見学している参加者たちの写真

点野の近自然型護岸です。
地元と協働で作業しました。
少し生活排水が流れ込んでいます。

レンガ造りの茨田樋門跡の近くで見学している参加者の写真

茨田樋門跡です。

住宅が建ち並んでいる間にある植物が生い茂っている奥の茨田樋門跡を参加者が見に行く様子の写真

茨田樋門跡を淀川の堤防から見ます。

高台に立つ茨田樋門跡の横に残るイチョウの木の写真

茨田樋門跡の横に残るイチョウの木です。
淀川の対岸からも見えます。
最後に池田小学校のビオトープを見学しました。ここも学校と協働で池づくりをしたところです。
ワークショップにも参加している炭村校長先生に説明をしていただきましたが、淀川の魚が池に入ってくることを期待している様子がとてもうれしそうでした。
ここは以前のコンクリートの池を加えて合計3つの池ができており、それぞれの池の今後が楽しみです。

左側に木材で造られた護岸の手前に水が溜まっているビオトープの写真

池田小学校ビオトープです。
第3水路からの水を引き入れ、再び返すことで「ワンド」的な機能が期待できます。

コンクリートで造られた池を見学している参加者たちの写真

池田小学校ビオトープ隣の池です。
コンクリートづくりです。

池田小学校ビオトープの隣に造られた人工池に水が溜まっている写真

池田小学校ビオトープ隣の人工池です。皆で掘りました。
このあたりで時間がなくなってきました。結局市役所にたどり着いたのは予定よりも2時間近く過ぎた17時過ぎでしたが、最後のふりかえりを皆で作業して、長い現地見学は終了しました。

長机を繋げた室内に参加者たちがそれぞれ座り、ワークショップを振り返り記入している写真

帰り着いてふりかえりを書きます。
ふりかえりからは、寝屋川の農業遺産、産業遺産をもっと大切にすべきとのこと。
やはり現地を歩いて見るという事が大切だという事。
水をどのように制するか、今も昔も変わらないですが、水の大切さをもっと考えたい。
点野の公園計画は楽しみ。
子どもたちを加えて総合的学習の一環にしたい。
池田小学校の先生方、学童、水辺再生クラブの方々の熱心さ。
などなど、とてもたくさんの感想がありました。

このように寝屋川再生ワークショップ・ねや川水辺クラブの活動はまだまだ続きます。

この記事に関するお問い合わせ先

下水道事業室
〒572-0832
大阪府寝屋川市本町15番1号(上下水道局2階)
電話:072-825-2162
ファックス:072-825-2634
メールフォームによるお問い合わせ

更新日:2021年07月01日