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所信表明

令和元年6月市議会定例会における広瀬慶輔市長の所信表明です。
~令和元年6月19日~

はじめに 

 令和元年6月市議会定例会の開会にあたり、今後4年間の私の市政運営に関する所信をご披露させていただく機会を頂戴いたしましたこと、心より感謝申し上げます。

 去る4月21日に執り行われました寝屋川市長選挙におきまして、5万3056人という大変多くの市民の皆さんからのご支持を頂き、今般伝統ある寝屋川市の第9代の市長としてその重責を担うこととなりました。寝屋川市は今春から更に大きな権限を持つ中核市に生まれ変わりました。中核市・寝屋川市の「第一幕」を担う新たな時代の舵取り役として、その責任の重さ・大きさに身の引き締まる思いでおります。

2つの危機

 この間、私は市民の皆さんに寝屋川市の「2つの危機」についてのご説明をして参りました。
 1つ目の危機は「市民サービスの危機」です。シルバー世代の市民の皆さんの人口割合が急速に増加することで、今後介護関連のサービスを始め、社会保障関連のコストが大幅に増加し、近い将来、市の経営を圧迫する可能性、そして割合が他市と比べても高いことをご説明して参りました。
 2つ目の危機は「公共施設・都市インフラの危機」です。現在、寝屋川市内にある公共建築物の実に約85%が築40年を経過しつつあり、今後随時耐用年数を超え、その老朽化対策に今後20年間で2,200億円を大幅に超える財源が必要になるという試算があります。
 この「2つの危機」は寝屋川市が誕生し、急速に成長する過程で「運命づけられた」問題、言い換えれば「予測された問題」だったと言えます。つまり、その原因は、寝屋川市が過去に経験した「急激な人口増加」と、それに起因する人口の「年齢構成のバランスの悪さ」にあると考えます。

 ご存知のように、昭和35年に5万人程度だった本市の人口は、その15年後の昭和50年にはすでに25万人を超え、当時の人口増加率は日本一を記録しました(昭和50年国勢調査における人口10万人以上の市での順位)。重要なのは、当時、新住民として寝屋川市にお越しを頂いた方々の多くが、小さなお子さんを持つ20~30代の若い皆さんだったということです。若い世代の多い当時の寝屋川市は大変活気があったそうです。しかし、ここで寝屋川市の人口の年齢構成が大きくバランスを崩しました。

 あれから40年50年が経過し、そうした当時の新住民の皆さん、寝屋川市の「人口のボリュームゾーン」が今後一斉に70代80代を迎えることになります。このように、人口の年齢構成のバランスが他市に比べて悪いという特徴を持つ本市にとって、人口の高齢化問題による影響は、他市と比べても極めて大きく、この問題への対応はその財源の確保も含めまさに喫緊の課題であり、最重要のテーマであると言えます。

 加えて当時、人口5万人のまちが、20万人もの新住民を迎え入れることになる訳ですから、小学校、中学校を始めとしたあらゆる公共施設が不足をしました。また上水道・下水道を始めとする都市インフラの整備も急ピッチで進める必要がありました。
 当時、そうして短期間で集中的に整備をした公共施設やインフラが今、半世紀を経過し、今後一斉に耐用年数を超えてくることになります。
 「市民サービスの危機」「都市インフラの危機」というこの「2つの危機」が本市の誕生当初から運命づけられたものであるということがご理解いただけると思います。

 さらに言うならば、そうした公共施設やインフラの整備を、5万人規模の当時の財政で賄うことは不可能であったこと、そしてそうした施設は新住民が長年にわたり利用してゆくものであることから、財源を多額の地方債で賄った結果、その後のいわゆる「赤字日本一」へと繋がってゆくこととなります。
 また、当時不足したのは公共施設・インフラだけではありませんでした。それらを動かす職員数が大幅に不足しました。その結果、当時大量に採用した職員が、その後50代に入り、人件費が急速に上昇してゆきました。またそれゆえに定年退職者も大幅に増加をし、その退職金の増加分も含め寝屋川市は人件費の高騰に苦しむことになりました。

 このように、シルバー世代を中心とした社会保障コストの増加や、公共施設・都市インフラの維持メンテナンスコストの増加という今後の寝屋川市の大きな課題にとどまらず、過去の「赤字日本一」や、人件費の上昇による緊縮財政の時代など、本市が経験し、また、これから直面することになる多くの問題が、昭和35年から50年にかけての「人口増加率日本一」の時期を含む人口の急激な増加と、それに起因する「人口の年齢構成のバランスの崩れ」にあることが分かります。

年齢構成のリバランス

 寝屋川市が今後、安定的な行財政運営を行い、そして市民の皆さんへの充実したサービスの提供を継続的に行っていくためには、寝屋川市がその誕生と成長の過程で与えられた最大の課題である「人口の年齢構成」のバランスの補正、つまり「人口の年齢構成のリバランス」が不可欠なのです。
「人口の年齢構成のリバランス」を行うためには、70代以上の人口のボリュームゾーンのカウンターパートとなる20代~30代の子育て世代を「ターゲット」とした新住民の「移植」を積極的に行う必要があります。これにより、人口の年齢構成の平準化が可能となります。
 人口の年齢構成のリバランスにより、寝屋川市の支出と税収のバランスが是正され、また公共施設や都市インフラの再整備・維持管理などの将来負担予測・計算が可能となります。

2軸化構想~JR学研都市線沿線 

 では、20代~30代の子育て世代を「ターゲット」とした新住民の「移植」を実現するには具体的にどんな手法が選択可能でしょうか。
 私は市民の皆さんに寝屋川市の「2軸化構想」をご提案してまいりました。
 寝屋川市における当時の日本一と言われる人口増加のメインステージは京阪沿線でした。ですから、沿線では人口の年齢構成を見ても、現在シルバー世代の割合が相対的に多く、年齢構成に大きな偏りがあります。また、これまでに京阪沿線の広い範囲で住宅開発が行われてきたことから、現在では新住民を誘引するための新たなまちづくりの余地が十分に残されているとは言えません。加えて、空き家が増加している現状を見ても既存の住宅の住み替わりも進んでいるとは言えない状態です。

 そうした現状にある京阪沿線ですが、本市にはもう一つ、市の東部に学研都市線というJRの路線とその沿線のまちがあります。
 今春、東寝屋川駅から寝屋川公園駅に改称したように、駅周辺には寝屋川公園という広大かつ優良な府営公園があり、背後には生駒山系の山並みが迫るという緑豊かな環境にあります。また眼下には寝屋川市域を含む大阪平野が広がる高台という優れたロケーションにあります。そうしたロケーションに加えて、大阪駅や新大阪駅までもJRで30分強という通勤にも極めて至便なまちです。
 また、学研都市線と並行して走る第二京阪道路の開通により自動車による移動の利便性も格段に向上し、西日本最大級のイオンモール四條畷やビバモールなど沿道の開発が進んでいます。
 しかし、そうしたポテンシャルを持つまちでありながら不動産のマーケットでの評価は十分ではなく、「割安感」のあるまちとして評価されることが少なくありません。現実に、人口の減少などから駅前のイズミヤが閉店するなど退潮も顕著です。

 私は、この潜在的に高いポテンシャルを持ちながら未だ正当な評価を受けていない学研都市線沿線のまちづくりを戦略的かつ大胆に進めることで、本市の最大の課題である「人口の年齢構成のリバランス」に必要な若い世代の新住民の「移植」が可能となると考えます。
 そこで、星田駅から忍ケ丘駅に至る寝屋川公園駅を中心とした沿線の広範な「グランドデザイン」を戦略的に描き、それに基づいて都市計画などの大胆な緩和変更を加えてまいります。これにより、周辺の地価を上昇させ、民間の特に大手のディベロッパーにとって「魅力的」なまち・土地とする必要があります。それにより、市としての財政出動を最小限に抑えつつ民間資本を活用して望むまちづくりを進めることが可能となります。

 しかし、周辺地価を上昇させることで、ハード面で「優良な住宅」の開発を推進したとしても、「ターゲット」とする子育て世代の誘引にはもう一つ「ソフト面の施策」が必要です。
 その中核となるのが、現在準備が進められている小中一貫校です。市外に住む子育て世代の皆さんにとって、ハード面で優れたまちは他にもあります。そのなかで寝屋川市を選択頂くためには、さらに寝屋川市特有の付加価値が必要です。
 そこで、現在までに検討が進められている小中一貫校を新たなまちづくりのメインのアイコンとして位置づけ、そのあり方・教育カリキュラムを更に充実したものとすべく拡充検討を行います。

2軸化構想~ターミナル化

 ご提案申し上げる寝屋川市の「2軸化構想」とは京阪沿線の「京阪軸」に加え、学研都市線沿線の「学研都市軸」のまちづくりを積極的に進め、そこに子育て世代を中心とした担税力に富む若い世代をターゲットとして誘致することにより、市内全域の人口の年齢構成のリバランスを行い、税収の構造を安定化させることを目的としたものです。

 さらに、この「2軸化構想」は、こうした2軸のまちづくりに加え、「市民サービスの提供」を公共交通機関の結節点である駅周辺に集約していくという市民サービスの「ターミナル化構想」を含むものです。
 本市が直面することになる「本格的な高齢社会」と「高度な情報化社会」を視野に入れ、「将来の市役所の規模・あり方」自体を含む「公共施設・サービス」のあり方を再検討し、「市民の皆さんの利便性」を最優先とした「公共施設・機能・サービス」の再配置、集約化いわゆる「ターミナル化」を進めてゆく必要があります。

 また、本市特有の高齢社会に対応したまちづくりの一環として、路線バス、タウンくるという既存の公共交通網を補完する「第三の公共交通機関網」として、シルバー世代の皆さんや妊娠中の皆さんが電話一本で、無料で利用できるオンデマンド型の「乗合いワゴン」の実験導入を行い、新たな「高齢社会における都市交通網」の提案を行って参ります。

 2軸化構想が目的とする子育て世代を中心とした若い世代の新市民の誘引には、様々なソフト面での本市の付加価値の発信も不可欠です。市外の新住民の対象となる方々に本市を「選んで頂ける」様なサービス、訴求効果のある政策、優先順位の高いサービスについて検証し、子育て世代向けに今後「大胆な予算の投入」を行う必要があります。
 また、前述した新設する小中一貫校をモデル校・旗艦校として、全国学力・学習状況調査で常に上位の成績を収めている秋田県の方式などの調査・検証を行い、それらを参考に「寝屋川方式」の学習法を確立し本市の学力向上に努めて参ります。

市民の命を守る

 市民生活全般に関しては、市民の「命を守る」という北川法夫前市長の基本方針を継承し、市民の皆さん、議会の皆さんのお話を聞かせていただく中で、より細やかな市民生活への対応を行って参ります。特に、本市の長年の課題である防犯と、体感治安の改善に引き続き積極的に取り組むとともに、これまで所管が分散していた、いじめの問題、虐待問題など、市民の命と生活そして尊厳を脅かす様々な問題への対応を一元的にコントロールし、また即応できる体制の整備とそれに伴う機構改革を行ってまいります。

公務員の働き方改革

 また、中核市・寝屋川市の第一幕をスタートさせるにあたり、本市のその新たなまちづくりを担う公務員の働き方改革をこの寝屋川市から全国に発信してゆきたいと考えます。
 民間のフレックスタイム制度などをベースに、より自由で弾力的な勤務時間を選択でき、それぞれの、その時々の、多様なライフスタイルに合わせることの出来る制度を実験導入してまいります。これにより、新たな採用を行う上での本市としての付加価値となる効果に加え、中途で退職される方、休職される方などをより少なくしてゆくという効果も見込みます。

 最後に、今後の予算編成においては、子育て世代などへの大胆な予算の投入を可能とするために、すべての部局において数百万単位の予算に至るまでその「効果の見通し」の検証が十分でないものについては保留し、また既存の予算についても議会の決算委員会などの審議の内容も積極的に参考にさせていただきつつ、随時見直しを行って参ります。

おわりに

 私は、これからの寝屋川市役所に求められる力は、「稼ぐ力」「先を見る力」「寄り添う力」「発信する力」という4つの力が重要だと考えています。

 「稼ぐ力」とは、増税や利用料の値上げに頼ることなく、税収をはじめ「総合的な市の収入」を増やしていく、確保してゆくという明確な意思を持って、ハード面・ソフト面双方の「市の持つ経営資源」を最大かつ有効に活用し、市の独自財源を涵養してゆく力です。

 「先を見る力」とは、現在の市民サービスのあり方、まちのあり方、市役所のあり方、仕事のあり方をベースにするのではなく、将来変わってゆくであろうその先のそれぞれの姿を予測し、そこからの逆算で現在のあり方を検証し見直してゆく力です。

 「寄り添う力」とは、言い換えれば「聴く力」であるとも言えます。予算の編成等においても、市民の皆さんの「利便性」と「顧客満足」を最重要の指標としつつ、徹底的な住民ファーストのサービス提供を全職員が強く意識しつつ業務にあたることから生まれる力です。

 最後に「発信する力」とは、これまで述べてきたような新しい時代の寝屋川市のあり方、姿勢、ビジョンを市民の皆さんへ積極的に「発信」し、そして発信にとどまらず、市民の皆さんに「理解していただく」事までを含めた力です。

 以上、私の市長就任にあたっての所信を述べさせていただきました。「市民の生活を守る」ことを使命として今後の市政執行に臨んでまいります。市民の皆さん、議員各位にはご理解をいただきご協力を賜ります事を心よりお願い申し上げます。

令和元年6月市議会定例会所信表明(PDF:354.4KB)

 

 

 

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更新日:2019年7月1日