平成15年度市長所信表明

 

平成15年6月市議会定例会における
馬場好弘市長の所信表明です。

-平成15(2003)年6月16日-

 
 本日、平成15年6月市議会定例会の開会にあたり、今期の市政運営に関する所信を申し上げます。
 4月の市長選挙では、多くの市民の皆さんの信託を得て、引き続き市政を担当させていただくことになりました。
 この度の結果は、市民の皆さんからいただいた評価であると同時に、今後への叱咤激励と受け止めており、感謝の気持ちとともに、職責の重大さに身の引き締まる思いであります。
 私は、さきの4年間の市政運営の実績と経験を活かし、より一層市民の皆さんと協働し、引き続き、ふれあいと活力に満ちたまち「元気都市 寝屋川」の実現をめざして、全力で市政運営にあたってまいります。
 さて、国際情勢は今、繰り返される残虐なテロ活動やイラク戦争と、その後の復興支援、北朝鮮による拉致問題や核兵器開発をめぐる問題など、わが国の外交・安全保障に関わる重要問題が頻発し、緊迫の時を迎えております。
 これらの問題が平和的に解決され、21世紀が安全で安心して暮らせる豊かな社会になることを切に願うものであります。
 一方、国内におきましては、バブル崩壊後の90年代が「失われた10年」と言われて久しく、いまだ、その状態から抜け出せず、デフレの深刻化、雇用情勢の一層の悪化など、依然として景気の低迷が続いています。
 本市におきましても、財政状況は、歳入の根幹を成す市税収入の大幅な減少に加え、不況による扶助費等の増大により、財政負担が増加するなど、極めて厳しい状況が続いています。
 さらに、「三位一体の改革」が検討されているもとで、税財源の移譲を先送りし、地方交付税、国庫補助負担金の見直しを進める意見が、地方分権改革推進会議から出されました。これは、自主・自立の行財政運営をめざす地方自治体にとって、由々しき問題であり、真の地方分権の確立のため、文字どおり三位一体の改革を強く望むものであります。
 このような状況の中、「元気都市 寝屋川」をさらに発展させていくためには、引き続き積極的な行財政改革を推進し、新しい寝屋川市へと変革していかなければなりません。

 そのため、私は「元気都市 寝屋川」計画第2章として、「寝屋川元気プロジェクト」を推進してまいります。

 これは、都市の機能性・快適性・利便性が向上し、全ての市民が健康でいきいきと活動でき、そして市民がこのまちに住んでよかったと感じ、住むことに誇りが持てるような、「元気都市 寝屋川」を市民の皆さんと協働して創っていこうとするものです。

そして、
1 まちの元気
2 人の元気
3 市政の改革
4 市民との協働
を4本の柱として、このプロジェクトを推進してまいります。
以下、その概要について申し上げます。

 
 第1の柱「まちの元気」についてであります。
 元気なまちは、活力と賑わいにあふれ、うるおいと憩いに満ちています。そして子どもからお年寄りまで誰もが安心して、その快適性や利便性を享受している、そのようなまちをめざして、「都市再生」「自然」「環境」「文化」「産業」の5点について重点的に取り組み、「まちの元気」を生み出してまいります。


(1)「都市再生」
 災害に強いまちとして整備を進めるとともに、市の4駅周辺をそれぞれの特色に見合った快適で利便性が高いまちへと再整備を進め、活性化を図ってまいります。
 寝屋川市駅周辺では、都市再生緊急整備地域の指定を受けた駅東地区において、都市基盤整備公団による、再開発事業が進められます。開発にあたり、商業機能・居住機能に加え、大学と連携を図って、教育文化機能を備えた施設を設置するなど、生活・文化・交流の拠点として整備し、地域の活性化を図ってまいります。
 また、交通の円滑化を図り、市民が憩えるシンボルロードとして、都市計画道路寝屋川駅前線の整備を進めてまいります。
 香里園駅周辺では、本市の北核としてふさわしい拠点となるよう、駅東側の区域において、基盤整備を進めるとともに、商業、住宅、医療施設の整備など地元地権者による市街地再開発事業を支援してまいります。
 また、駅西側の区域においては、「香里園駅周辺地区整備誘導計画」に基づき、魅力と特色のあるまちづくりへの誘導を行ってまいります。
 萱島駅周辺では、利便性や防災機能などの向上を図るため、周辺地域における過密住宅地区の整備と併せ、道路、広場、公園などの基盤整備を進めてまいります。
 JR東寝屋川駅周辺では、「JR東寝屋川駅周辺地区交通バリアフリー基本構想」に基づき、その利便性や安全性の向上を図るなど、高齢者や障害者などにやさしいまちづくりを進めてまいります。

(2)「自然」
 水辺や緑地は、市民生活にゆとりと潤いを与えてくれるとともに、まち全体に素晴らしい景観と元気をもたらす重要な役割を担っています。
 本市は、「一級河川寝屋川」はもとより、友呂岐水路など数多くの水辺環境に恵まれています。
 市の中央部を流れ、市のシンボルでもある「寝屋川」の再生事業として、市民の皆さんとの協働で寝屋川再生ワークショップ事業を進めております。今後も、より大きな運動として推進してまいります。
 また、人と川の共生のシンボルとして、寝屋川市駅西側で水に親しめる施設を整備し、友呂岐水路や友呂岐緑地の再整備を一層進めて、市民の「憩い」と「やすらぎ」そして「健康づくり」の場として自然に親しめる快適な空間を確保してまいります。

(3)「環境」
 科学技術の発達や経済の発展は、便利で豊かな生活を実現してきましたが、地球規模での環境の変化をもたらしたことも否めません。
 環境を守り、美しい地球を伝えていくことが、今を生きる私たちの責任です。
 これまで市民の皆さんの協力により、ごみの分別収集やリサイクルが進んできました。今後も、地球環境を守り、生活にやさしい環境を次代の子どもたちに引き継ぐため、寝屋川市環境基本計画に基づき、市民、事業者、行政のそれぞれが推進すべき体制づくりを進めてまいります。
 また、環境に配慮した物品等の購入や調達(グリーン購入)を進め、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証取得に努めてまいります。
さらに市内企業のISO認証取得についても支援をしてまいります。

(4)「文化」
 市民の生活やくらしの中から歴史的に育まれてきた伝統や文化と、新しい文化を結びつけ、地域社会に根ざした文化の創造と生涯学習活動を推進してまいります。
 そのため、情報提供の充実や市民の皆さんの自主的な文化活動の支援をはじめ、市民文化の交流拠点として、「活動の場」「発表の場」「鑑賞の場」となるホールを、寝屋川市駅東地区の市街地再開発事業地内に整備してまいります。

(5)「産業」
 経済のグローバル化、省資源・リサイクルといった循環型社会やIT技術の目覚しい発展による本格的な情報化社会の到来などにより、わが国の産業は、厳しい転換を迫られています。
 本市におきましても、景気の低迷が続き、産業構造の変化などの影響を強く受け、非常に厳しい状況にあります。
産業の振興は、まちの賑わいを創り出し、市民のくらしに活力をもたらします。
 そのため、商業活性化、工業活性化、農業振興の各ビジョンを指針として、産・学・官の協力体制や産業振興を図る体制づくりを進めてまいります。
 また、情報提供や人材育成を総合的に支援していくための拠点施設として産業振興センターを整備してまいります。

 
 第2の柱「人の元気」についてであります。
 元気が何よりと言われるとおり、元気都市で一番大事なことは「人の元気」であります。
 そのために、「健康づくり」「保健福祉」「子育て」「男女共同参画社会」「教育力の向上」の5点について重点的に取り組み、「人の元気」を育んでまいります。

(1)「健康づくり」
 市の各部門で行っている健康やスポーツに関連する事業、健康ウォーキングロードの整備などの各事業を効果的に結び付け、乳幼児から高齢者まで、各世代に合わせた健康プログラムを作成してまいります。
 さらに、情報提供や健康講座の充実、施設利用と整備の促進を図るなど、誰もが、いつまでも健康でいきいきと活動できるように総合的な健康増進プロジェクトを進めてまいります。
 また、本市における総合型地域スポーツクラブの有効性や効率的・効果的な活用手法などについて調査・検討を進めてまいります。

(2)「保健福祉」
 あたたかいふれあいのなかで、だれもが社会に参加し、安心して生活できる福祉社会の構築をめざしてまいります。
 高齢社会を迎えた今、高齢者が健康で生きがいを持って地域社会に参加し、支え合えるような、まちづくりを進めてまいります。
 そのため、「高齢者の人権と自立を支えるまちづくり」を基本理念として、健康づくりや介護予防・生活支援などの保健福祉サービスを推進してまいります。
 障害のある人が、より一層、地域で生きがいを持ってくらし、自立と社会参加ができるまちづくりを、市民、事業者、民間団体などと協働して進めてまいります。
 地域住民が地域社会の一員として、社会のあらゆる分野の活動に参加できるよう、地域福祉を計画的に推進するため、地域福祉計画を策定してまいります。

(3)「子育て」
 少子化が進むなかで、だれもが安心して子どもを産み、育てることができる環境の整備が求められるとともに、地域コミュニティの役割がますます重要視されています。
 そのため、地域での子育てネットの育成を図り、公共施設(学校、公園、コミュニティセンター等)を活用した親子交流会など、家庭、地域及び保健、福祉、教育等相互の連携を深め、総合的な子育て支援を推進してまいります。
 また、子育てに不安と悩みを抱かれている家庭のため、こどもセンター「おやこほっとステーション」の事業を充実してまいります。

(4)「男女共同参画社会」
 社会のあらゆる分野で男女がともに喜びも責任も分かちあう男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 そして、男女共同参画推進センター「ふらっとねやがわ」を事業推進の核として職場、家庭、子育て、地域活動で男性と女性が対等、平等な立場で参画できる社会の実現をめざしてまいります。

(5)「教育力の向上」
 いじめやひきこもり、学級崩壊、さらには非行の低年齢化などが大きな社会問題となっています。
このような状況を改善するため、学校はもとより、家庭、地域が一体となって、「元気都市 寝屋川」の将来の担い手である子どもに、心豊かで、思いやりのある、元気に生きる力を育む「元気教育」を推進してまいります。
 「教育の原点は家庭である」という基本認識に立ち、幼少期からの子育ての大切さを重視し、家庭、地域そして学校が協働して家庭教育の推進に努めてまいります。
地域の子どもは地域で育てるという気運も徐々に高まるなか、子どもたちの豊かな人間性を養う地域教育協議会(すこやかネット)の活動を引き続き支援し、充実に努めてまいります。
 子どもたちが学ぶことの楽しさを実感し、自ら意欲的に学んでいく力を育むことのできる教育を推進するため、全校に学校評議員制度や教育計画マネジメントサイクルを導入してまいります。
 地域に開かれた学校づくりや小中学校一貫教育に取り組むとともに特色ある学校づくりの拡大・拡充など学校教育の活性化を進めてまいります。
 少子化をはじめとする社会情勢の変化などにより、学校における児童・生徒数に大きな格差が生じています。
 現在、学校の規模と配置の適正化について校区問題審議会に諮問しており、その答申を踏まえ、教育環境を充実するとともに、子どもたちが快適で安心して学べる教育施設の整備と充実を図ってまいります。

 
 第3の柱 「市政の改革」についてであります。
 市の財政が健全で、職員が常に市民の視点で市民サービスに努める、そして市民の誰もが気持ちよく利用できる市役所となることが、まちの元気や人の元気につながります。
 「元気都市 寝屋川」の実現に欠くことのできないのは、たゆまぬ市政の改革であります。
 そのため、「行財政改革」「職員の意識改革」「市民サービスの向上」の3点について重点的に取り組むとともに、事務事業評価の継続と施策評価を行い、「市政の改革」を進めてまいります。

(1)「行財政改革」
 私は、市長就任以来一貫して、行財政改革に積極的に取り組み、人件費をはじめとする経常経費の削減など一定の成果をあげてまいりました。
自己決定、自己責任を原則とする地方分権社会における自治体にとっては、どのような社会経済状態になろうと、その変化に常に的確に対応できる体力と体質が何より必要だと考えております。
 限りある貴重な財源を最も有効的かつ効率的に執行するため、常に費用対効果を見極めながら徹底して無駄をなくし、行政コストの削減に取り組んでまいります。
 また、今後も、「民間でできることは民間に委ねる」を基本に、民間活力を積極的に活用してまいります。
 これらを、着実かつ迅速に推進していくため、あらゆる分野の見直しを進め、その目標・成果を明らかにした、新たな「行財政改革実施計画」を策定してまいります。

(2)「職員の意識改革」
 地方分権時代の職員に特に求められることは、前例踏襲や指示待ちの態度ではなく、常に問題意識を持って新しい発想で取り組む姿勢であり、失敗を恐れない勇気と行動力を持つことであると考えております。
 さらに、市役所はサービス業であるとの基本認識に立ち、「顧客である市民の満足度を高めるための行政サービスに努める」という意識への改革が何より不可欠であります。
 そのため、人事評価制度の充実、給与制度の見直しなど、意欲と能力及び実績が適正に評価される「頑張れば報われる職場環境づくり」をさらに進めてまいります。
 また、職員一人ひとりが自己開発を行うことはもちろんのこと、政策形成能力や行政処理能力の向上を図るなど、職員の資質の向上と人材育成に努めてまいります。

(3)「市民サービスの向上」
 市民が気持ちよく市役所を利用できるということは、職員にとっても喜びであり、市民から信頼される市役所づくりの第一歩と考えます。
 そのため、さわやかな応対を心がけることはもとより、証明関係の総合窓口の設置や市民センター業務の拡充など、市役所を利用される市民の立場に立ったサービスの提供に努めてまいります。また、社会教育施設などのフルオープン化を一層進めるとともに、地域にとって身近な施設である学校の余裕教室を積極的に開放してまいります。

 
 第4の柱 「市民との協働」についてであります。
 地方分権が進み、時代は今確実に、真の地方自治の確立に向かって歩みはじめています。
 今こそ、豊かで個性あふれる地域社会を創造していくため、市民と行政が一緒になって大いに汗を流す、その協働の姿が求められていると考えております。
 これまで、ボランティア活動、NPO活動に対して積極的な支援を行うとともに、市民活動の拠点として「市民活動センター」を設置し、市民との協働の環境整備に努めてまいりました。今後も、市民と行政がそれぞれの役割と責任を分担し、さらなる協働を進めてまいります。
 また、市民との協働をより確固たるものにしていくためには、市民の信頼を得ることと透明性の高い行政運営が大前提であり、市民と行政が、まず自治経営に関する基本理念と情報を共有することが必要と考えております。
 このような考えのもと、市民自治・人権・環境などについて自治体としての基本的な理念と原則を明らかにした「条例」を市民の参画を得ながら制定してまいります。
 
 以上、4本の柱について申し上げましたが、ここで、市町村合併について触れておきたいと存じます。
 市町村合併は、地方自治の根幹に関わる問題であるとともに、まちの将来や市民生活に大きく関わってまいります。
 市民の自主的な取り組みとして、枚方、交野、寝屋川3市の法定合併協議会の設置を求める住民請求の署名活動が行われました。
 私といたしましても、そこに示された市民の意向を踏まえ、今後、議会とも充分連携を図りながら、市としての考えを明らかにしてまいりたいと考えております。
 
 以上が、2期目の市政運営にあたって、「元気都市 寝屋川」計画第2章の具体化に向けた私の基本的な考え方、重点的に取り組む施策の概要であります。
 戦後最悪ともいえるわが国の危機的な経済状態のもと、地方自治の経営も非常に厳しい局面に立たされており、その舵取りが大変困難となっております。
 この難局に立ち向かい、乗り越えていくためには、何が必要か、それは何事にも積極果敢にチャレンジする勇気であると私は確信しております。
 今期4年間、私は、「信頼・感動・夢」という政治信条のもと、「まちの元気」と「人の元気」を育みながら、「市民と協働」して「元気都市 寝屋川」を発展させていくため、未来を見据え、新たな時代の扉を開く勇気あるチャレンジを続けてまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さんの深いご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。
 

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