クリーンリバー寝屋川’01 第4弾
寝屋川再生ワークショップ委員Mさん・川掃除奮戦記
2001年9月1日 


 川でのMさん奮戦の様子

クリーンリバー寝屋川'01 第4弾

 月が変わったと言うものの、今年の暑さは格別、残暑真っ盛りの9月1日、「寝屋川再生プランワークショップ」委員Mさんが、たった一人で寝屋川の川掃除をおこなった。寝屋川起点から極楽橋そしてもう一つ下手の橋下の砂溜めの段差(専門的には落差工という)まで、短い区間ながら軽トラック2台分を越すごみを引きあげた。助手役の市役所の職員と2人ではあったが、思ったより多くのごみを引き上げることができた。

ごみ袋を手にするMさん

川沿いの遊歩道を散歩する市民が、「ご苦労さん」と声をかけていく。「私もごみを拾いたいけど、フェンスが高いし、安全に降りる場所もないし」と、もどかしそうに語りかけてくる人もいた。
この日のMさんの"清め"に「現世も捨てたもんじゃないのー。なかなかやりよるわい、わし等も、もう少しとどまっていても面白かったかも」と公園墓地の仏様たちがささやきあうのが聞こえたとか、そうでないとか?・・・。

極楽橋付近の風景

”極楽橋”とは、よく言ったもので、そこは、寝屋川斎場の入り口。その際を流れる一級河川寝屋川。寝屋川は、この橋の上流で、北谷川とタチ川が合流し、寝屋川と名を変える。この起点の下流30メートルに位置するこの橋のあたり、緑多い墓地公園の直ぐ前を流れながら、そのみどりにそぐわない何かしら、違和感があった・・・。釣り人がいつも数人陣取って竿を出す。一見のんびりとした風景ながら、川の中には、結構ごみが多い。先日、市役所の手で取り除かれたが、ついこの間まで、魚を囲い込んでおく塀状の仕切りが、流れを横切るように設置されて、それにごみが絡んで景観を台無しにしていた。どうも釣り人の手によるもので、高さ40センチ余りの板や鉄板(看板の古手)をくいの鉄パイプ等で挟むように固定されていて、中央部には開口部があって、申し訳程度に水が通るように細工してあった。

川の中にある塀状の仕切り

絡みつくごみの問題以外でも、通りかかる付近の住民から「魚がかわいそう」などと、苦情が寄せられたりしていた。キャッチandリリースと言いながら、釣り池のように区切られた30メートル余りのこの区間で、釣っては放しの繰り返しである。ここに通う”釣り人”にとっては、そこに行けば必ず釣ることができる無料の釣り池なのであった。
自然の川という趣は、無視され、ただのゲームを楽しむための場におとし込まれていた感があったものだ。この囲いが市によって取り除かれた後も、川底の砂に半分隠れて見える空き缶や自転車などが気になるこの辺りの水辺であった。

川のごみ

朝8時、いつものように竿を出す釣り人、彼らに遠慮しがちにMさん川に入る。9時にと約束をした市役所の担当者は、当然ながら来ていない。投棄された小型テレビ、そして釣り人が掘った穴には半分焼けたごみが捨て置かれている。ごみが汚いと思って焼いたのなら、焼かないで持って帰ればもっとすっきりするのにと少々腹が立つ。流れてきたごみというが、食べ残しの弁当箱、釣り針の包装、中身の残った缶コーヒー、「これらも流れてきたのか」といいたくなる。マナーを疑う。良心的な多くの釣り人も同じ眼で見られてしまいかねない。Mさん思わず言葉が出そうになるが、グッと飲み込む。多勢に無勢、目の前のごみを黙々と拾い始める。

川の中でごみを集める

極楽橋辺りにさしかかったとき、「Mさん」と橋の上から声がかかる、その声に、腰を伸ばして橋を見上げる。市の担当者が到着したのだ、助手をすると言うので、手を休めて打ち合わせをする。「一人で始めてみよう、一日一袋でもよい、継続することに意義がある」と思い立っての川掃除であるが、やはり、仲間がいれば心強い。市から届けてくれた土嚢袋が、短時間でいっぱいになったのを聞いて、この男「Mさん。もっと行こか」
Mさん、思わず「そやな、もっといこ」差し入れのウーロン茶がのどに沁みる、ありがたい。

普通の倍ほどもある大きな土嚢袋と共に車から何やら道具が下ろされる。見ると避難用縄梯子とごみを引き上げるためのロープだ、先端に錨状の金具がついている。
作業再開のため、この縄ばしごをフェンスに引っ掛け護岸に垂らすように取り付ける。
砂に埋もれた自転車、垂木の足がついていて半畳はあろうかと思われるトタン製のサラ金の派手な看板、バイクのマフラー、伐採された松の幹は2メートル以上もある、水を吸ってとにかく重い、一人で護岸上まで持ち上げるのには困難と思われたこれらの投棄物、しかし、この小道具を橋の欄干にかけて滑車のように使うと思ったより楽に引き上げることができる。
どんな掃除にもいえることだが、はかどり始めると楽しいものでもある。

川からごみを引っ張りあげる

草の根元に取り付き風化寸前にまでなったビニールテント、発泡スチロールはその色のため小さくても目立つ、コンビニの袋もやはりそうだ。底に沈んだ清涼飲料水の空き缶が多い、歩くと水が濁ってその姿を見失ってしまう。濁りが流れ去るのを待って拾い上げるしかない。その間が腰を休めるときだ。40歳代半ばと50歳代のかかり、ともに中年、この一瞬がありがたく感じる年齢だ。しかし、慣れてくると、めぼしをつけた辺りに手を突っ込み濁りの中を指先で探ってしまう。面倒くさがり屋の習性なのか、青年よろしく年を忘れてしまうのか。

ごみを橋の上に引っ張りあげる

瞬く間に一つ下の橋まで進む。その橋の間際には500ccはあろうかと思われる大型バイクが、二つの塊に分かれて目の前に横たわっていた。さーこれも引き上げてみるか!内心、日を改めて市のクレーン車に委ねてみてもいいかなと思いながらも、勢いで責めてみる。二人で掛け声を掛けながらの作業だ。そうでもしないと上がらないくらい重い。それでも、どうにか引き上げた。コツを極めた”川掃除の鉄人”の誕生だ。
これを引き上げて何とかこの日の作業終了だ。「お疲れさん」「ご苦労さんでした」と声を掛け合う。

引き上げたごみ

この橋のたもと、墓参りの人たちに重宝がられている一軒の花屋がある。そこの御主人が声を掛けてくれる。「まー一服しーな」「臭いやろ、石鹸もあるし、水道使こて流したらどや」。市民のこのような声掛けがありがたいものだ。
引き上げたごみを何箇所かに分けて集積して、この言葉に甘えることにする。店先のデッキで備え付けの水道を使わしていただく。長靴の中にも水が入って、足がふやけている、靴下は泥まみれ。袖先や顔にも泥が付いている。水浴びと言うのがぴったりで、ありがたい"差し入れ"だ。一通り体を拭くなどして落ち着く。
このご主人、体調を崩して退職後、体と相談しながら、ここで花屋を営みながら悠悠自適の暮らしを夢みておられるのだが、何かと忙しくてそうもいかないようだ。

花屋の風景

主人は毎日眺めている目の前の寝屋川が気になって仕方ないのだ。
昨年のことである、餌をやって、集まってくる鯉を捕まえ極楽橋上流の例の”釣り堀”に放する輩がいると、この担当者にぼやいていたことがあった。冬になれば水量が極端に減ってしまい、しばしば流れが停滞するのだが、魚が過ごせる深みがないのを心配もしておられた。
掃除をしているときに声を掛けていってくれた市民やこういう風に川に心を寄せる御仁がいて、クリーンリバー作戦のネットワークも拡がるし、寝屋川も保全されながら徐々に蘇っていくのだと思う。

秋の気配の寝屋川

なお、この日の清掃活動では、分別収集を試みた。可燃物と不燃物、缶、びん、ペットボトル等色々あるが川掃除ではどこまで分けることが出来るのか試してみる。結局この日のごみ質では可燃物、不燃物の分別しかできなかった。

※Mさん、寝屋川市行政改革審議会委員、香里園駅に開設されたふれあいプラザでボランティアも行なっている。以前から市民参加・協働ということについて強い関心を持っていて、行革審議会もその延長で市の公募に応じたのだ。ワークショップの公募以前に、昨年の秋に青年会議所が催した「川の都市 寝屋川シンポジウム」を聞きにいって、その中で話題となった「水辺づくりにおける協働・市民参加」にえらく感激し、担当部局の下水道部に、何かするときは声を掛けてくれとの申し入れを行なったほどであった。”クリーンリバー”の呼びかけには、必ずと言ってよいほど参加していて、継続して行なうことに意義があるとして、今回「自分独りでも」と決意し、始めたものであった。今後、仲間を募りながら、コツコツと継続していきたいとのことである。

川の都市寝屋川シンポジウム

CWニコルさん

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